ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

官業癒着と独立機関 東大とソウル大の論文捏造疑惑問題について

2006年01月31日 11時14分41秒 | Weblog
 リボ核酸研究をめぐる論文疑惑だが、三室さんの原稿を引用するとこうなる。

 「多比良和誠教授はこの分野でsiRNAを効率よく発現させる方法を考案して、世界でも注目を浴びた。その一連の研究で2003年のNature論文などが再現性に乏しいといった追試の結果が出て、ねつ造疑惑となった。この実験を担当した助手は実験ノートを取っておらず、パソコンに入れていたメモなどは壊れてしまい、証拠類を提出できないといったことから「ずさん」と非難されたわけだ」。

 日本RNA学会が東大大学院工学系研究科に調査依頼したのが2005年4月。すぐさま調査委員会を立ち上げたから2年近くたっている。その結果は灰色である。教授は「不正はなかった」と断言しているが、実験ノートはないわ、調査委が「完全に疑惑を払拭するには第三者との実験が必要と本人に説得したが聞き入れてもらえなかった」(朝日新聞1月27日朝刊)というコメントを読むとおづなっているのかと素人ながら思わざるをえない。

ところが韓国はわずか2週間で白黒をはっきりさせて、黄教授の論文偽造に断を下した。どうなっているのかと思う。

耐震偽装問題もライブオア問題も、アメリカ産輸入牛肉問題も、また東大のこ論文偽造問題も共通したところがある。それは第三者機関があるのかないのか、日本では極めて弱い機能しかはたしていないのである。天下り、官業癒着に端を発している。それは戦後60年の自民党支配と深く結びつく。小泉さんの構造改革もこの利権の構造にどれだけメスを入れられたかにある。

チェック機能不全ではないかと思わざるをえない。なぜライブドアの不正取引をチェックできなかったのか。アメリカ産輸入牛肉問題ではアメリカと癒着して国民を騙して閣議決定事項すら守らないのだから、怒り心頭にくる。

ではなぜ韓国は第三者機関をつくれたのか。われれれが高度経済成長の渦中、韓国は軍事独裁政権下で民衆はたいへんな弾圧を受けた。これを跳ね除けて文民政権が誕生した。当然、前政権の悪弊は駆逐される営みがやられる。その1つの成果が政府権力から距離をおいた独立機関の誕生である。国家人権委員会にしてもそうだし、放送メディアについての第三者機関のもとでの放送事業もそうだ。日本のようにお役所が番組にチェックを入れるなどもう軍事独裁時代の遺物なのだ。

こうした民衆が政権を変えていった歴史をもたず自民党長期政権をわれわれはずっと選択してきたツケがあらゆるところ出ているといえる。二つの論文偽造問題ではそこのところが違うのではないか。

考えてみれば、どちらも大学内の調査委である。しかし調査の突っ込み方、構造というか調査委の意識が違うと思う。「第三者と実験をして完全に疑惑を晴らしてほしい」と懇願しても疑惑教授はガンとして聞き入れなかったと報道にあるが、聞き入れないなら終わりなのか。

真実追求のため教授の意思で曲げられていいのかーこういう当然の確とした方向性を打ち出せないのだ。疑惑の人と調査委が同じ輪の中にはいってどうするつもりか。当然独立していないといけないのではないか。

こうした意識の希薄さが様々な問題を生んでいる。在日米軍の日本での諸費用を日本で
支払っていることは知られているが、なんとも思わないのか。海兵隊の移転等で何千億円とう負担がかかるといわれている。一方で生活保護費の打ち切りで餓死者が出る日本。これでいいはずないと思わざるをえない。

コメント (1)
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