あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

池田澄子句集「月と書く」を読んで

2024-06-20 11:28:48 | Weblog

 

照る日曇る日 第2065回

 

たまには俳句の本でもと思って、パラパラめくってみる。

 

私が好きなのは、映画だと、映画を超えた映画、小説だと、小説を超えた小説、音楽だと、音楽を超えた音楽、詩だと、詩を超えた詩が好きなのだが、この人には「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」のように時々俳句を超えた、あるいは超えかけた純乎たる時空があるので、注目に値するのである。

 

或者曰く。超えてからどこへ行く? んなこと分かるわけないじゃん。でも、もしかするとあの世かも。しかし超えないより超えた方がいいに決まってる。

 

それでは慣例に従っていくつか作品をあげておこう。

 

明けましてあぁ唇が荒れている

 

ひめむかしよもぎと言ってみてしあわせ

 

花ふぶき知らぬ同士のわーっと言う

 

心よりと書いてしまって春深し

 

春寒き街を焼くとは人を焼く

 

8.15.正午PCシャットダウン

 

アイライン入れたら泣くな敗戦日

 

伸べし手をウフッとよけたでしょ揚羽

 

カラスただしくアーッアーッと夕桜

 

神様は何処にどうして梅は蘂

 

藤圭子の歌なら大好きなんだけど娘の歌は珍紛漢紛 蝶人


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