鎌倉国宝館にて「これまでの国宝、これからの国宝 鎌倉旧国宝展」をみて
蝶人物見遊山記第393回&鎌倉ちょっと不思議な物語第473回
久し振りの国宝館ですが、「これまでの国宝、これからの国宝 鎌倉旧国宝展」というのをやっていました。ご一新で神道派が跳梁跋扈したので薩長の成り上がりもさすがに放置できず、貴重な文化財を悉く「国宝」扱いにして、阿呆莫迦極右の破壊活動から守ったために、この鎌倉国宝館の仏像や画幅、塑像54点はことごとく「国宝」になりました。
狂信的な神道ラダイストの暴力から自衛するために政府から委託された54点の国宝を補完するために作られたのがこの「鎌倉国宝館」だったと言い換えた方が分かりやすいかもしれませんね。
それらの混乱が落ち着き、1950年に制定された「文化財保護法」では改めてこれらの旧国宝を審査して、シン国宝と重要文化財に分類しました。むかし住職が「うちの仏さんが国宝やったらなあ」とぼやくキャノンのカメラのCⅯがありましたが、まあそおゆう悲喜劇も日本全国で起こったわけです。
んでもって、昔むかし旧国宝に指定された54点が全部見られるのが今回の展覧会というわけ。おまけに鎌倉近辺の運慶作と称する仏像もぎょうさんならんどります。
鎌倉は鶴岡八幡宮の一角で来る12月1日までやっとりますので、お暇な方はお出かけください。
脳味噌で捻くり回した詩歌ほど嫌いなものはあまりない 蝶人