照る日曇る日 第1878回
1950年代の国民党統治下の台湾の悲劇を描くドキュメンタル政治漫画シリーズの第2巻である。
たまたま読書会に参加しただけで、蒋介石政権に不当逮捕された高校生が、なんと10年に亘って絶海の孤島、緑島の強制労働に従事させられ、大切な青春時代をズタズタにされてしまう。
その恐ろしさ、その残酷さを、台湾を代表する2人の作家が、圧倒的な迫力と冷静な筆致で描き尽くした傑作だが、当時の台湾を取り囲む状況についての解説が随所に挿入され、我が邦を含めたアジア現代史の理解を前向きならしめている。
あのツバメ丸まる太っているけれど上手く鳴けないのよと八百屋のおかみ 蝶人