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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集No.98」

2022-01-17 10:57:38 | Weblog

蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第407回

 

○米寿のお祝いで本人のスピーチ

本夕は皆さまお忙しいのに、*1小生ごとき老人のためにかくもにぎにぎしくご来駕を賜り、衷心よりお礼申し上げます。

 

旧制の「一高祭」に共に集った友人の姿が歯が欠けるように消えうせ、賀状交換もまばらになってきたので、もはや米寿の祝いでもあるまいと思っていたのに、大勢の旧友の皆さんに駆けつけていただき、ああ長生きはしてみるもんだと思わず涙がでました。*2

 

これも息子太郎の周到な根回しのおかげと心から感謝致しております。前の大戦で多くの部下を失い、無一物となって満州から命からがら帰国したわたくしにとって、21世紀を生きて迎えることができるとは夢にも思っていませんでした。

 

それだけに昨今の世情を垣間見るに、これほどの経済的な豊かさを手中に収めたにもかかわらず、日本人はまたしてもいつか来た道を辿るのではないかという懸念がもたげてくるのを禁じ得ません。*3

 

どうかお若い皆さん、過ちをおかしたわたしたちの老いの繰言にも耳をかたむけ、二度と戦争のない平和な世の中をつくって頂きたいと祈念しまして、お礼の言葉に代えさせて頂きます。

 

○アドバイス

*1遠来の旧友に向かって丁重な礼を述べる。

*2世話になっている人に向かって丁重に礼を述べる。

*3幾星霜を重ねてきた人だけに許されるメッセージであり、特権でもあろう。いうべきことを淡々といえるようになるためには、やはり人生の経験と年輪が必要であろう。

 

    Oh猛烈! 弥勒株が大増殖 されど我らは 我感せず 蝶人