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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

2021年如月蝶人映画劇場その2

2021-02-27 11:38:48 | Weblog

闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2488~97

1)三谷幸喜監督の「short cut」
中井貴一、鈴木京香の行き詰った都会の夫婦に、田舎者の梶原善がからんで、山道で繰り広げられる2011年のノンストップ映像バトルでその出たとこ勝負のような即興性が素晴らしい。食えるかどうか分からない野草をばりばり口にしたりする鈴木選手、蛇を掴まされる中井選手の熱演は見事。しかしあの里山にあれらの園芸商物は繁茂しないずら。
2)三谷幸喜監督の「大空港2013」
松本空港という環境をフルに活用し、今は亡き竹内結子が大活躍する見事なパニクルドラマずら。田野倉一族の人々の強烈な個性と葛藤をこれでもかと見せつける。それにしても惜しまれるのは竹内選手である。
3)三谷幸喜監督の「記憶にございません!」
記憶喪失になった悪評紛々の首相中井貴一が正義の味方の良い子になっていく過程を面白おかしく描く2019年の喜劇映画。脚本も配役もよろしい。
4)トム・ヴォルフ監督の「私は、マリア・カラス」
2017年のドキュメンタリーだが、今まで見たこともなかった映像もたっぷり使って、この不世出の天才の藝術と短すぎた生涯を淡淡と描いていて見事である。
5)アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトウ監督の「バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡」
人気活動写真「バードマン」で有名な主人公が一転してお藝術芝居に挑戦して悪戦苦闘する2015年のシュールな悲喜劇映画。ラスト近くで彼がNYの空を飛ぶシーンは感動的である。
6)アレン・ヒューズ監督の「ブロークンシティ」
2013年の陰謀サスペンス映画だが、別にどおってこたあないやね。
7)衣笠貞之助監督の「狂った一頁」
1926年製作の本邦初の新感覚派の前衛映画。精神病院を舞台に独逸の「カリガリ博士」の影響を受けた字幕なしのサイレント映画。何事も実験は大事だが、見物している方はそれほど面白いものではない。
8)ヒッチコック監督の「白い恐怖」
1945年のサイコスリラー映画で、精神科のバーグマンが白色恐怖症のグレゴリーペックを危機から救う。ラストで真犯人が自殺するのはちょっと甘すぎるオチずら。ペックの悪夢シーンをダリが設定したらしい。
9)ヒッチコック監督の「汚名」
1946年のスパイ映画。ブラジルを舞台に、父親が独逸のスパイという汚名をすすごうと娘のイングリッド・バーグマンがケーリー・グラントの助けを借りて素人スパイをする話が詰まらない。けどヒッチはこういう話が大好きだなあ。
10)ドゥッチオ・テッサリ監督の「アラン・ドロンのゾロ」
ご存知ドロンのゾロだじょお。こういうドロンが一番良かったかも。1975年製作。

 「台湾リスが蜜柑を全部食べちまった」「そんなこたあどうでもええやん」 蝶人