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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集NO.32」

2020-10-21 14:07:59 | Weblog

西暦2020年蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話第348回

○同業者懇談会/幹事のあいさつ

本日は全国百貨店協議会秋季ミーティングにご参集頂きましてまことにありがとうございます。今回の幹事をつとめさせて頂きます丸大百貨店常務の角田でございます。*1
さて早速ですが、昨今のわが国の構造改革と同様、われわれの業界におきましても緊急に対応すべき問題が幾つかあるのではないかと考えられます。*2
その第1は、メーカーとの取引条件の合理化と透明化であります。従来われわれ日本の百貨店は、小売り先進国のアメリカと違って、メーカーとの取引に際して契約書を交さず、衣料品などを自分の都合で勝手にメーカーに返品したり、とかく取引条件をあいまいにする例が往々にしてあったのではないかと思います。特定の商品を買取にするのか、委託販売にするのか、その場合の掛け率はいくらで返品はどこまで認めるのか認めないのか。そうした問題を明確にしなければ小売業の主体性は永久に確立できないと思います。*3
第2は、百貨店の自主マーチャンダイジングの確立強化です。そもそも百貨店は有名海外ブランドの出店場所ではありません。自社品揃えの独創性とアイデンティティあるオリジナル商品の企画販売こそが最重要課題であるべきなのです。
第3は、共同仕入れ、共同配送システムの業際的構築の問題です。個々の企業の枠を超えていかに業界全体として仕入れコスト、流通コスト、販売コストを軽減できるか。大きくはSCMサプライチエーンマネジメントの一環としての取組みですが、これが経営の根幹を握っています。
第4は、衣料品と食品のリサイクル問題への対応です。21世紀は持続可能な社会、資源循環型社会の創生紀であります。商品を販売するだけではなく、不要で過剰な商品を効率良く回収し、リユースし、リサイクルするためにいま百貨店はなにができるのかが厳しく問われていると思います。*4
本日はただいま私なりに問題提起いたしました4点につきまして、ご出席の皆々様より貴重なご意見をいただければ幸甚でございます。

○ アドバイス
*1同業者のミーティングは、出席者同士が顔見知りの場合が多く、討議内容が具体的に絞られているケースが多い。通り一遍のあいさつや形式よりは実務内容本位のスピーチが肝要である。
*2以下の4ポイントは当該業界の重要問題である。これらのスピーチに関しては、当然事前の準備や練習が必要である。
*3ふつうの場面のあいさつと違い、学術研究会や専門性が高い企業研究集団でのスピーチではメモを用意しながらしゃべったほうが安心である。
*4幹事の問題提起をきっかけとして討論が始まる。懇談会といっても各自のスピーチが中心で議事が進行してゆくのである。

  スカ線のすべての客がマスクする10月13日の朝と夕方 蝶人