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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

蝶人皐月映画劇場その6~大島渚特集号

2020-05-31 11:22:33 | Weblog


闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2135~42

1)大島渚監督の「太陽の墓場」
大阪の下町に虫のように這いずり回る民草の困窮や若い男女の恋、殺人やヤクザの生態を描くが、ラストの炎上が安っぽくてしらける。1960年作品。

2)大島渚監督の「飼育」
1961年に幻の「「大宝」から配給された大江健三郎原作の映画化だが、長野でロケしたからかだいぶ小説とはイメージが違う。黒人米兵を殺害しながら、その事実を村長の三国連太郎以下の村人全体が「無かったこと」にする今に続く日本人の体質。

3)大島渚監督の「無理心中日本の夏」
1962年に製作されたらしいが、まあなんちゅう下らない映画であることよ。いろいろなエピソードを繋ぎ合せているようだが、言いたいことなんかなーーんも無いんだね。

4)大島渚監督の「ユンボギの日記」
1965年の製作。韓国の路上で大島が撮った写真をドキュメンタリー映画に仕立てて鮮やかに成功している。

5)大島渚監督の「悦楽」
恋人のために殺人まで犯した中村嘉津雄が、ひょんなことから3千万円を蕩尽し、挙句に知りたくも無かった恋人の本性を突きつけられるという山田風太郎原作、1965年製作、悲喜劇ずら。

6)大島渚監督の「日本春歌考」
前半は退屈だったが、後半で急迫する1967年の作品。猥歌がだんだん高尚なものに思えてくるのが不思議ずら。建国記念日にからめて日本と朝鮮半島との関係にも触れているが、散漫にすぎるし、男女の情交が妙に図式化されていて違和を覚える。荒木一郎の不気味なキャラ、小山明子のエロ。

7)大島渚監督の「東京戦争戦後秘話」
1970年に製作された「映画で遺言を残して死んだ男の物語」。いきなり革マルの黒寛の本などが出てきてギョっとする。いきなり押し倒して事に及ぼうとするシーンなどもいかにも70年ずら。走りながら撮る大島の疾走感覚。

8)大島渚監督の「夏の妹」
1972年返還直後の沖縄でオールロケされたライヴ感にグルーヴされる熱い映画だぜい。栗田ヒロミが可愛いが、りりィの声は聞きとりにくい。

      妻と見る蛍の光五月尽 蝶人