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あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

ジャレド・ダイアモンド著「昨日までの世界下巻」を読んで

2013-08-07 09:00:29 | Weblog


「これでも詩かよ」第15番&ある晴れた日に第145回&照る日曇る日第613回



ジャレド・ダイアモンドって「サンタモニカの風」みたいな爽やかなアメリカン・シティボーイ。湿度が高い極東のうざったい歴史屋とは裏腹に、見晴らしの良い台地に立って世界史を動かした基軸をフットワークもかろやかに観覧し、的確な箇条書きログを綴るさまは平成のアラビアのロレンスにE.H.カーや和辻哲郎を足したよう。とりわけ自分を大層な人類生態学者ではなく、プラグマチックな観察者と位置づけているのが快い。

そのジャレドが宗教の本質を論じながら、「基督教やユダヤ教は宗教だが、「水曜日の神様」などは絶対にあり得ない」とむきになって断じているので、あえてこの詩を書いてみようと思った次第。


詩 水曜日の神様


ツウツウレロレロツウレレロ
私たちには、七つの神様がついている。

月曜日は、労働の神様の日。働かぬ者は食うべからず。私たちは太陽と共に起きだし、夕日が沈むまで一生懸命に働く。

火曜日は、山川草木の神様の日。生きとし生けるものをひとしなみに統べる神様の前で、私たちは深々と頭を垂れる。

水曜日は、障碍ある者たちを援ける神様の日。男女を問わず頭、手、足、こころ、その他心身に器質の障碍や病を持つ大人と子供を、この神様は格別に嘉される。

木曜日は、怒りの神様の日。この世界とそこに生きる人々に災いをなす悪人どもには、予告なく百の雷が落とされるであろう。

金曜日は、夢見る神様の日。一度限りのこの短い人生を、いかに有意義に過ごすのか、どんなことを仕出かしながら死んでいくのか、私たちは昼寝しながらこの神様と心ゆくまで相談するのである。

土曜日は、音楽の神様の日。私たちは友川カズキや甲本ヒロト、友部正人やモーツアルトを思い思いに歌ったり、踊ったりして、楽しく一日を過ごす。

日曜日は安息日。働いてはいけない神様の日。私たちはこの神様の前で過ぎし一週間を振り返り、来週こそ新規一転真人間としてよみがえろうと決意するのだ。

ツウツウレロレロツウレレロ
私たちには、七つの神様がついている。


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