行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

タンポポのような綿毛を敷き詰めたのは「木綿花」

2017-05-30 12:15:37 | 日記
今日は旧暦5月5日で端午節である。中国では各地でちまきを食べて、憂国の詩人、屈原をしのぶ。北方は小豆などをまぶした甘味、南方は肉や卵の黄身を入れた塩味だが、ここ潮汕地区は双方を兼ね備えた二色の味である。中国の食文化は地方色が強い。テレビのニュース番組を見たら、各地のドラゴン・ボートレースが紹介されていた。夜は大学内のレストランで、今学期で大学を去る先生の送別会がある。

6月には学期末、そして卒業式を迎える。汕頭大学の隣にはイスラエル理工学院が今秋に開校する予定だ。盛大な開校セレモニーに国内外の要人が参加するため、周辺の建物も外壁を塗り替える化粧直しを始めた。中国語名しかないレストランにも英語名を掲げるよう行政指導があり、「阿吉米(ajimi)」という日本料理店から「どんな英語名をつけたらいいか」と相談を受けた。おそらく「Taste」になるのではないか。

こうした付け焼刃的な工事は、北京五輪や上海万博などの国際イベントでいやというほど繰り返されてきた。人々は、うわべを取り繕う「形象工程(イメージ・プロジェクト)」と呼んで揶揄する。地元指導者のメンツを繕うための工事である。うまい命名だ。

宿舎の近くにある木綿花(Mumianhua)がタンポポのような綿毛を飛ばし、辺りの一面が綿を敷き詰めたようになった。私の部屋は3階だが、窓を開けると次ぐから次へと入ってきて、床を浮遊し始める。部屋にながら自然との一体を感じられるという趣向だ。





広東や雲南、海南でみられる木だ。日本ではキワタ(木綿)という。春には肉厚の朱色の花をつける。広東に本社を置く南方航空の垂直尾翼には、この花をかたどったロゴが描かれている。





南はもう夏である。みなが一足早く夏休みの相談を始めている。4年生の多くはもう就職先が決まった。まだ決まっていない者は面接が続く。長い人生だ。慌てることはない。労働市場は流動的で、終身雇用などはない。会社で人生が左右されるわけではない。人との出会い、縁を大切にすればよい。



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1 コメント

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Unknown (アン)
2017-05-31 15:40:16
私も昨日はこんな景色を見ました。
日本語でキワタについて日記を書いた時、このblogを見つけて、勉強になりました。
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