長らくブログを更新していなかったので、どこから書き始めてよいのかと迷っている。最後の文章は昨年の秋学期、隔離の経験を綴ったものだから、もう半年もさぼっていたことになる。この間、教室での授業の再開、冬休み、そして新たな春学期のスタートがあった。日本でのコロナ禍が改善されない中、冬休みも帰国を断念せざるを得なかった。
日本取材ツアー「新緑」も、昨年夏の計画を今春に延期したものの、なお実現不可能なまま、夏には大半のメンバーが卒業することになる。今年初め、秋学期が終わった時点で、その結末はほぼ見通せた。
無為に過ごすことに満足できず、冬休みは中国の各地を歩き、コロナ下においてもできる国際交流イベントを模索した。日本に行けなくとも、中国国内において国際交流の実をあげることはできる。一か月をかけ、その可能性を探求する旅をした。決してあきらめずに、できることを追求する意志を持ち続けること。その姿勢を学生に伝えることも教育だと考えた。
非常に短い準備期間だったが、多くの方の支持と参加を得て、3月27日、北京の日本大使館で日中文化交流イベント『こんにちはサロン』を開くことができた。北京の大学生を中心に、スタッフを含め100人以上が参加し、「コロナ下の国際交流」を試みた有意義な集いだった。
「新緑」の卒業生がデザインしたポスター
「新緑」の卒業生がデザインしたロゴ
中国で教える日本人教師3人が、中国の若者に向け、異文化コミュニケーションという軸を柱としながら独自の研究や体験を若者に語り、意見交換をするという試みだった。私が「新緑」プログラムを通じて感じた日中文化の循環関係、北京大学外国語学院外籍専家・馬場公彦さんが日本の漫画文化、対外経済貿易大学教授・西村友作さんが教授になるまでの異文化体験をテーマとした。全く異なる三つの内容だったが、むしろそれが聴衆の多様な興味を引き出すことにつながったように思う。
そして今、また授業の合間を縫って北京に来ている。『こんにちはサロン』の第二弾を企画するためだ。中国はほぼコロナ制圧に成功したが、世界的には依然厳しい状況にある。やりっぱなしのイベントに終わらせず、継続しなければせっかくの成功も有効に生かすことができない。「コロナ下の国際交流」を模索する旅はなお続いている。
日本大使館の桜を背景にイベント参加者が記念撮影
前回イベントの詳細な内容は、当日、共同通信の塩沢英一中国総局長が書いた紹介記事(日本語)のほか、中国語ではかなり詳細な報道が複数されたが、イベントの背景や経緯、舞台裏の話を含め本ブログでも詳しく紹介したい。(続)
(以下は関連報道)
3月27日共同電
「北京の日本大使館で日中交流 文化交流の歴史語る」
3月31日『日本東方新報』
「酷你吉娃こんにちは,日中青年文化交流有了新桥梁」
4月2日新華社アカウント『環球』誌
「樱花开时,互道一声“酷你吉娃”」
3月28日『こんにちはサロン』アカウント
「“酷你吉娃”沙龙圆满结束:后疫情时代,中日文化交流如春日般美好」
4月8日『新緑』アカウント
「“新绿”大家庭|樱花开在苦寒后:纪念“疫情下的国际交流”背后的团队力量」
https://mp.weixin.qq.com/s/T5zX4GzydExwRwoPgJT20A