昨日、予定を変更して上海経由で帰国し、今日の午前中、安置されている白石丈士くんと会った。奥さんのご厚意で、ゆかりの仲間約10人が集まった。彼の額に触れ、頬を撫で、もう戻ってこない人の冷たさを手のひらに感じた。でも、静かに休んでいる表情からは、苦痛から解放された安堵も伝わってきた。
1年に及ぶがん治療は大変だったでしょう。それをみんなに笑顔で説明していた君は、痛ましいぐらい、本当に偉かった。最期まで周囲のことを気遣い続けたんだね。その気持ちに十分応えるだけのことをしてあげられたかどうか、今となっては取り返しがつかないじゃないか。ぼくは今、自分を責めているよ。
奥さんが葬儀で彼の写真をスクリーンに流したいと言うので、手元にあるものを探し、仲間にも提供を求めた。なかなか見つからずに大変だった。いつも人の写真を撮ることばかりを気にしていた君には、肝心の自分の写真がないじゃないか。集合写真でも、一番後ろの列や、片隅に、巨体をひっそり隠すように写っている。まったく手の焼ける男だよね。
お通夜の日には、君が中国に輸出していた日本酒『上喜元』や『雨後の月』の蔵元が、特別に酒を提供してくれるそうだよ。奥さんが涙ながらに紹介してくれた。うれしかったよ。君の人徳が残してくれた縁なのだから、ぜひ、とことんまで飲もうじゃないか。いつも最後まで付き合ってくれた君を思い出し、くだらない話をたくさんしようじゃないか。それがきっと君が望むことなのだから。
でも、わかっているけど、そう簡単じゃないよ。
涙があふれてきたら、どうやってせき止めればいいんだい!
無念さがこみあげてきたら、どこにぶつければいいんだい!
飲んでも飲んでも酔えなかったら、何を話せばいいんだい!
この大バカ野郎!
厄介な男だからこそ、ずっとぼくたちの心の中に生き続けるんだよね、きっと。本当にありがとう!
1年に及ぶがん治療は大変だったでしょう。それをみんなに笑顔で説明していた君は、痛ましいぐらい、本当に偉かった。最期まで周囲のことを気遣い続けたんだね。その気持ちに十分応えるだけのことをしてあげられたかどうか、今となっては取り返しがつかないじゃないか。ぼくは今、自分を責めているよ。
奥さんが葬儀で彼の写真をスクリーンに流したいと言うので、手元にあるものを探し、仲間にも提供を求めた。なかなか見つからずに大変だった。いつも人の写真を撮ることばかりを気にしていた君には、肝心の自分の写真がないじゃないか。集合写真でも、一番後ろの列や、片隅に、巨体をひっそり隠すように写っている。まったく手の焼ける男だよね。
お通夜の日には、君が中国に輸出していた日本酒『上喜元』や『雨後の月』の蔵元が、特別に酒を提供してくれるそうだよ。奥さんが涙ながらに紹介してくれた。うれしかったよ。君の人徳が残してくれた縁なのだから、ぜひ、とことんまで飲もうじゃないか。いつも最後まで付き合ってくれた君を思い出し、くだらない話をたくさんしようじゃないか。それがきっと君が望むことなのだから。
でも、わかっているけど、そう簡単じゃないよ。
涙があふれてきたら、どうやってせき止めればいいんだい!
無念さがこみあげてきたら、どこにぶつければいいんだい!
飲んでも飲んでも酔えなかったら、何を話せばいいんだい!
この大バカ野郎!
厄介な男だからこそ、ずっとぼくたちの心の中に生き続けるんだよね、きっと。本当にありがとう!