行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

白石丈士くん、ずっと君はぼくたちの心の中に生き続けるよ。

2019-01-19 21:40:42 | 日記
昨日、予定を変更して上海経由で帰国し、今日の午前中、安置されている白石丈士くんと会った。奥さんのご厚意で、ゆかりの仲間約10人が集まった。彼の額に触れ、頬を撫で、もう戻ってこない人の冷たさを手のひらに感じた。でも、静かに休んでいる表情からは、苦痛から解放された安堵も伝わってきた。

1年に及ぶがん治療は大変だったでしょう。それをみんなに笑顔で説明していた君は、痛ましいぐらい、本当に偉かった。最期まで周囲のことを気遣い続けたんだね。その気持ちに十分応えるだけのことをしてあげられたかどうか、今となっては取り返しがつかないじゃないか。ぼくは今、自分を責めているよ。

奥さんが葬儀で彼の写真をスクリーンに流したいと言うので、手元にあるものを探し、仲間にも提供を求めた。なかなか見つからずに大変だった。いつも人の写真を撮ることばかりを気にしていた君には、肝心の自分の写真がないじゃないか。集合写真でも、一番後ろの列や、片隅に、巨体をひっそり隠すように写っている。まったく手の焼ける男だよね。







お通夜の日には、君が中国に輸出していた日本酒『上喜元』や『雨後の月』の蔵元が、特別に酒を提供してくれるそうだよ。奥さんが涙ながらに紹介してくれた。うれしかったよ。君の人徳が残してくれた縁なのだから、ぜひ、とことんまで飲もうじゃないか。いつも最後まで付き合ってくれた君を思い出し、くだらない話をたくさんしようじゃないか。それがきっと君が望むことなのだから。

でも、わかっているけど、そう簡単じゃないよ。

涙があふれてきたら、どうやってせき止めればいいんだい!

無念さがこみあげてきたら、どこにぶつければいいんだい!

飲んでも飲んでも酔えなかったら、何を話せばいいんだい!

この大バカ野郎!

厄介な男だからこそ、ずっとぼくたちの心の中に生き続けるんだよね、きっと。本当にありがとう!