風の宝石箱

日々想うことを感じたまま 大切にしまっておきたい

親心

2009年06月27日 | パパの思い出
ママチャリに乗った男性が前からきた。
男性の後ろに女の子の顔がチラチラみえる。
すれ違う時、その二人乗りしている親子を見た。
後ろの荷台に乗っている女の子は、お父さんのお腹に腕を回してしっかりしがみついている。お父さんの背中は大きくて、その女の子からは前が見ない。
だから、お父さんの身体の横から顔を出して前を見ているんだ。

私にも二人乗りの思い出がひとつだけある。
私のパパは通勤もちょっとした用事で出かけるときも、よく自転車に乗って出かけていた。
お祖母ちゃんちへ行く時やお買い物など、きっと何度も私はパパの自転車の前や後ろに乗せられて出かけいたと思う。
でも、今私が記憶しているのは一回だけだ。

それは保育園を卒園してすぐの日曜日だった。
パパの自転車の後ろに乗せられてお祖母ちゃんちへ行く途中の事。
見慣れた、通いなれた道だった。

私が、急に「痛い」って叫んだらしい。
その後、どうやってお医者さんへ連れて行かれたのかは覚えていない。
レントゲンを撮って「骨は折れてませんよ」とお医者さんとパパが話をしてい場面と、次の日かな?母に消毒のためお医者さんに連れて行かれたのを覚えているだけだ。
ガーゼの交換は痛かったなぁ。

そうそう、看護婦さんに「痛いからそーとやってね」って、言って笑われたのを覚えている。

しばらくの間、靴の踵が傷に当たるので靴は履けなかった。小学校入学式にも確かサンダルで行った記憶がある。
その時の傷跡は今でもくるぶしの下にうっすらと残っている。

私が就職したころだったと思う。急にパパがその傷の事を言い出した。
傷跡といっても、年々薄くなって目立たなくなっていたから、たいした傷跡じゃない。私だって全然気にしていない。
他の人なら、場所も場所だから誰も気が付かないはずだ。
でも、パパはずい分気にしている様子だった。

「あの時、自転車の車輪に足が入っちゃって・・・。ものすごい音がして・・・自転車は壊れたけどよく骨にヒビも入らなくてすんだものだ」
と話してくれた。

あの時のパパの自転車が壊れたなんて初めて聞いた。

パパは病んで退職するまで自転車通勤をしていた。
雨の日も風の日も。
真夏も雪降る日も。

孝行したいときに・・・






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