風の宝石箱

日々想うことを感じたまま 大切にしまっておきたい

主治医 F先生

2008年07月01日 | ひとりごと
私の主治医F先生は、初めて会った時に、笑顔で優しく接してくれた。
穏やかにゆっくりした口調で話をしてくれた。
何よりも、「大丈夫 良くなりますよ」と言ってくれたことが一番嬉しかった。

救急車で運び込まれた病院のお世話になったあんな恐い先生じゃなくって本当に良かった、と思った。

F先生は私より6歳年下だ。
柔らかい物の言い方をする、きっと育ちが良いのだろう。
患者だけでなく看護師さんにも優しいのだろうと思う。
細身の身体に着ている白衣はいつもセパレートのものだ。長い白衣姿は見た事が無い。
もちろん私服姿も見たことは無い。
ネクタイ姿は私の見るところまるで営業マンだ。
刈上げてる髪型は・・・ぜぇ~んぜん似合ってない。
声は、まぁまぁイイ声をしてると思う。
顔は、ん------------。

その日によって時間はバラバラだけど、病室に来て「どうですか?」と声をかけてくれる。
F先生が来ない日は、別の医師が、「どお?」とか「よっ!」とか軽いひと声を掛けてくれる。
ん?これって回診なんだ!と、最近になって気が付いた。
変わってるなぁ~・・・
ドラマでみる緊張感のあるアノ教授回診とはエライ違いだ。

時には、ベッドの横の椅子に座って少し話をしていくこともある。
治療や薬の話・天気とか趣味とか色々。
身体が起こせるようになった頃、
「PC使っても良いですよ、ただし音は出さないように、ゲームはダメです。
それと1時間だけです、守れますね?」と言い申請書を手渡してくれた。

今、病室でPCもネットも使えるんだ!知らなかった!

PCを見たF先生には、
「体調の良い日に1時間だけね。僕がダメだと言った日は絶対ダメです。守れなかったらコレは取り上げますよ、分かりましたね」と、念を押されました。

  「はい。 おっしゃるとおりに。」

今の私に、F先生の言う事をきかないで、誰の言う事をきけと言うのでしょう。

それに、1時間身体を起こしている事は、私には苦痛なのだから。


家族以外は面会を断っているので、友人は病院に手紙をくれる。
今朝、その手紙を読んでいたら、
「お邪魔ですか?」とF先生の声がした。
そう言いながら、F先生はベッドの横の椅子に腰掛け、
「たまには、会ってお喋りでもしたいでしょう」と言われたが、
「友人たちが来て、機関銃のように喋られては、私も他の患者さん達も疲れきってしまうので」と言ったら、
F先生はケラケラ笑って「そーゆーお友達には遠慮してもらいましょう」と言って、脚を組みかえた。

いつものように白衣をきちんと着ているが、ズボンが妙にヨレヨレで薬品なのか紅茶なのか薄く染みもついている。
患者としては、F先生には、医師には、もちろん看護師さんにも、いつもプレスのきいた真っ白な白衣を着ていて欲しい。
まさか、病院の経費節約でクリーニングも毎日出してもらえないのかな?そんなことは無いでしょうね?
・・・
宿直あけだったのかな?

私は動けないので、私のそばに来てくれる人にしか会えない。
窓から見える空も狭い。
読書したくても本を持つことが出来ない。
耳が痛くてイヤホンが使えないので、TVも見ないしラジオも聞かない。

そんな私をあの毎日の「軽い回診」で診て、「PCを使いますか?」と言ってくれたのかなとも思った。

私は、良き医師に恵まれたのだから、一日も早く歩いてみせよう。






























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1 コメント

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Unknown (某閑人)
2008-07-09 20:34:35
歩ける日まで 歩けない日々を
カスミソラさんの感性で 綴って下さい
ナニも 役にたてないけれど
応援してる人は たくさんいます

がんばってください
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