東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

寛容になりましょう

2024-05-11 12:00:00 | 23期生のブログリレー

 22期の常木です。良い季節になりました。風薫る五月、にしては少々気温が安定しないのが気になるところではありますが。

 今年1月~3月期の話題のドラマ「不適切にもほどがある!」、ご覧になっていましたか?私は毎週金曜日が楽しみになるほどハマりました。宮藤官九郎さん脚本で、内容は昭和61年と令和6年のタイムスリップを主人公とその周りの人たちが繰り返すことで起こる、「昭和しか知らない人から見た令和」と、「令和に生きる世代から見た昭和」のカルチャーショックを面白おかしく描いたものでした。色々な側面が描かれているのですが、双方ともに「生きづらさ」が表現されていて、昭和時代の緩さ(暴言・体罰・タバコ・男女差別など)、令和時代の過剰さ(ネット炎上、ハラスメントへの制裁など)などいちいち頷いてしまうものばかり。毎週メインテーマが設定されていて、そのテーマについてミュージカル仕立てで歌って踊るシーンがあるのですが、最終回のテーマは「寛容になりましょう」でした。結局のところ、違いは違いとしてリスペクトして、認め合っていきましょうというドラマ全体の締めのメッセージでした。

 まぁ、そういう落としどころなのかな~と見ながら、ふと昔ある人から言われた言葉を思い出しました。今から10年以上前、私は某W実業父母の会の初等部役員をやっていました。飲み会の席である役員のお母さまが「こういう団体では自分に優しく、人にも優しく、ですよ。」と言われていて、妙に納得した覚えがあります。PTAのようなボランティア団体では、各自の事情があって参加形態が違うので、過剰に自分の考え方を押し付けるのは良くないし、かといって自分を追い込んでしまうのもつらい。だから自分に対しても他人に対しても寛容でありましょうと言われていて、まさに至言と思いました。

 では仕事ではどうなのでしょう。ボランティアと同じ「自分にも他人にも優しく」では、売上と利益を伸ばすことを考えると難しいと言わざるを得ません。その対極で、最近非常に気になっているのが、「自分にも人にも厳しい人」です。一昔前なら理想の上司として尊敬されたり、一担当者であっても信頼の厚い部下として確固たるポジションを確保していたイメージがあります。翻って今の職場では、そういった人たちは、仕事はできるけどちょっと扱いにくい人、周りの人が病むか辞めるかする人、極端に言えばハラッサー、と捉えられる傾向にあります。そういう人に必死で喰らいついて仕事を学ぼうとする空気感は薄れ、個人個人が感じることを尊重すべきとする時代の中では、浮きつつあるキャラになっています。

 これが正しいかどうかの議論はさておき、そんな時代を俯瞰しながらチームメンバーに対して私が言っていることは「自分には厳しく、人には寛容で行きましょう」です。そんなやり方でよく会社やチームをマネージしていけるな、とおっしゃる諸先輩方の批判はあるかと思います。ただ、自分の目の前や周りで起こってきた様々な事象を考えてバランスをとると、そんな結論に至りました。稼プロでの学びや、自学でのスキルアップによって、自分を厳しく(そして楽しく)追い込んで、スケールアップしていくことは大切だし、自分もそれを続けようと努力しています。ただ、その一方でそれを他人や部下に押し付けたりすると、半分尊敬されながらも、大方引かれるのも今のご時世だと感じています。従って、自分の本気度はしっかりと見せつつ、これに倣うかどうか決めるのは君次第だよ、というスタンスでいくしかないのかなと思います。

 しかしその一方で、「居心地ばかり気にして、育ててくれない会社」とか、「傾聴ばかりしていて、指導しない上司」なども話題になっていて、もっと厳しく指導して成長させてほしいという若手もいるみたいです。そうなると、頭の中は大混乱です。もはやマクロ的に俯瞰せず、一人ひとりの個性や成長段階、キャリアの方向性を理解して、それに合った「個別指導」をしていく方法しかないのかも知れません。シチュエーショナル・リーダーシップと呼ばれている、状況にカスタマイズされたリーダーシップ形態ではもはや足りないです。更に細分化して対応しなければならないのでしょうか。

 私の勤める会社では評価と目標設定の時期になっていて、評価面談も真最中です。まさに今、部下への寛容さを忘れずに、自由度を高め、個々人のニーズに合った方向性を定めてモチベーションを高めたい。使う言葉や、言い方にも細心の注意を払って、前向きな議論を展開したい。そういう令和的スタンスを思いっきり前面に出しながら、決して間違えないようにしながら、「自由っていうのは、必ず責任がセットで付いてくることを忘れないでくださいね。」とナイスな笑顔で言ってやろうかな。

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 診断士フェーズ2(続) | トップ | ペット業界とDX化 »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (須藤佳代)
2024-05-11 12:39:18
あのドラマを見てから、ムッと思う出来事の度に「寛容になりましょう〜」の歌が頭に流れてきます。
確かに個別指導スタイルに納得です。そして、自由と責任はセットですね。ナイスな笑顔で私もそう言える心の大きさになりたいです。
Unknown (常木一成)
2024-05-11 13:31:35
須藤さん、コメントをありがとうございます!
あの最終回はアンガーマネジメントのための一処方箋として、永久保存しておきたいです(笑)
Unknown (永岡伸一)
2024-05-12 05:42:56
そんな時代があったなぁと思ってしまうことが、すでに世代の断絶を感じますね。昔はよかった、などと考えず、その時代にあわせた寛容さをもっていたいものです。
Unknown (常木一成)
2024-05-13 11:26:50
永岡さん、コメント感謝です。
時代って振子みたいで、極端まで行ったあとで修正が入ったりしますよね。極端に染まらずに寛容にしていれば、色々と客観的に見ることができるような気がしますね。
Unknown (杵渕竜也)
2024-05-13 18:26:16
ブログを読みながら、部下との会話を思い出して「めんどくせぇ〜!」と心の中で叫んでしまいました笑
個別指導はしっくりきますね。発言に辻褄を合わせるのも大変ですね。

コメントを投稿

23期生のブログリレー」カテゴリの最新記事