ウィーンで学ぶ

---ウィーン医科大学心臓胸部外科
留学日記とその後...---

海外で日本食

2007年08月24日 | ウィーン
ウィーンに来る前は、食文化の違いで1年後には体重が増加すると予測していた。こちらに来て1年余り。。。体重は全く変わっていない。

それまではオーストリア料理がどのようなものか知らず、欧米の食事はどこも肉が中心でもの凄い量が一人分として出されると思っていた。典型的なアメリカンレストランの食事を思い描いていたのだ。

実際のところ、確かに魚介類は乏しいが、それほど毎日肉~、肉という感じではないようだ。味付けも若干塩分が多いと感じるが、口に合わないというほどではない。唯一気になる点は、食品目が少ないことだ。日本でランチを頼めば、ご飯にみそ汁、メインにサラダなどで構成され、その中に十数種の野菜や海産物、肉などの食品が含まれていると思う。一方、ウィーンでランチに「ウィーナーシュニツッル」を選ぶとすると、カツにレモン、ジャガイモと3品目だけだ。これは極端な例かもしれないが、料理を構成している食品の数が少ないと感じてしまうことが多い。一日30品目を摂取することが理想的な栄養バランスと日本で教えられてきたので、これには当初戸惑いを感じた。

それに欧米人は体格が大きいから、もの凄い量を食べると勝手に想像していた。
しかしランチを見ている限り、そうでもないようだ。メンサの食事は量が少ないと感じることも多いのに、90kg前後の人でも満足しているようなのだ。ホテルの朝食ビュッフェでも、周りの欧州人の家族より体格の小さいわが家の方が多く食べていることがよくある。レストランのランチでも量が多すぎて残すようなことは一度もなかった。体格が大きいだけに、食事も多くとるということではないわけか。

ここで、一つの疑問が思い浮かぶ。
普通のランチで満足出来る生活ならば、それほど量も多くないので極端な肥満になるとは考えにくい。しかし、ウィーン市内を歩いていると過度の肥満体型の人とすれ違うことが多い。彼らの食生活はどんなものなのだろうか?

オーストリア料理も美味しいが、子どものいるわが家は基本的に手料理だ。ご飯、スープ、主菜に副菜を日本の料理雑誌などのレシピに従い家内が調理している。これは日本にいたときより、むしろ日本らしい食事かもしれない。

かつてはそれほど家でご飯を食べたことはなかったが、今は夕食時にお茶碗2~3杯は食べている。食は太くなった。ありがたいことにそれでも体重は同じか、やや減少している日もある。

日本では外食中心だったのが、こちらに来て毎日家族で食卓を囲み食事をするようになったことが、良い影響を与えているのだろう。予測と異なり、東京にいたときよりも健康的な食生活を送っている。この経験から、健康的な食生活には、住む場所や国はそれほど重要ではなく、時間にゆとりがあり家庭で食事をとる環境が重要ということになるのか。家内の手料理のお陰で、家族そろって健康だ。
コメント
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