ウィーンで学ぶ

---ウィーン医科大学心臓胸部外科
留学日記とその後...---

何が大切か?: 仕事?家庭?それとも…

2007年10月26日 | ウィーン
昨日のこと、指導教授と予定手術(AVR+CABG)。最近合流した日本人医師同士で初めて教授の助手をする。手術は無難に終了し、その後日本人同士で昼食を取り、雑談をした。AKH内で日本語の会話は珍しい。

「手術が終わったら部屋に来てくれ」と言われていたので、教授室に行く。
「どうしたのか?何があったのだ?」と、心配そうな顔をして質問されたから、何のことやら。雑談をしていて部屋に来るのが遅くなったため、教授は閉胸時に何か問題があったのではと心配していたのだった。

患者さんは問題ないと話すと、「何を話していたのか」と聞かれ、「日本語で雑談」と答えると、「どんな?」と更に聞いてくる。「EUの何処の国が旅行にいいとか、家族のこととか・・・」とたわいもない雑談の内容を話すと、

「それは大事だ!!」と。
一瞬、何がそんなに重要なのかと思ったが、彼は真剣だった。「人の一生は限られた時間しかない。仕事も大事だが家族、子どもと過ごすことは非常に大切な時間だ。何よりバランスが大事だ。」と。彼は日本人のハードワークを知っている。ここで過ごす時間は家族と過ごすべきだと考えている。

教授の生活リズムを見るとオンオフがはっきりしている。仕事をするときは食事も取らず集中している。そうでない日は、午後は病院にいない。おそらく早く帰宅しているようだ。

皆しっかり休み、休暇を楽しんでいるようだ。
今週と来週に祝日があるため、4.5日の有休を取れば10日前後の連休となる。来週月曜日の手術予定表を見ると、7.8人の以上の教授(つまりほとんど全員)が不在になっていた。手術は残された当直医など非常に少人数で組まれている。指導教授も8日間の不在となる。毎年この時期に旅行に行くようだ。

ウィーンに来た当初は不便な国だと思った。日曜日はスーパーもデパートも営業していない。つまり買い物が出来ない。平日も午後7時には全て閉店する。日本の365日24時間営業なんてここでは想像も出来ない。

「家内は何をしているのか?」とよく聞かれる。女性も働くのが当然の社会だからだ。子どもを生んでも皆職に復帰する。当科にも女性の心臓外科教授がいる。小さい子どもを送ってから病院に来るためか毎朝彼女は遅刻気味だが、全く問題ない。外科医でさえ産後の社会復帰が可能なシステムだ。

当直やその日の担当者以外は皆夕方には帰る。事務系の秘書達は午後4時には誰もいない。初めはなんと怠惰な国だと思った。逆にそれが可能でないと社会が成り立たないことに気づく。例えば子どもを迎えに保育園に行き、スーパーで買い物をし、夕食を支度するには4時に帰らないと不可能だろう。仮に7時まで働いたら、既にスーパーは閉店し、子どもを迎えに行けず、家庭のみならず国全体が成り立たなくなるかもしれない。夜は皆家庭にいる。休日はお店も休みだから誰も働かなくていい。基本的には国民全体が休みとなる。

日本は疑いなく非常に便利な国だ。自分は昼間買い物をする時間がないから夜のコンビニで多くを済ましていた。人々の生活リズムに合わせ、お店は深夜まで、若しくは24時間営業する。そのため多くの人達が深夜も働いている。

産後の女性の社会復帰も日本では困難と聞く。子どもを抱えながら夜まで働けるはずがない。従って比較的低賃金のパートタイム労働になってしまう。多くの人が希望するだろう出産前の一般職に復帰するならば、以前と同様に残業をしなければ会社では認められないかもしれない。

人は勤勉であるべきだという社会通念が、国民全体に長時間労働を強要しているような。仮に、家族のために休むと言えば、「君の仕事に対する熱意はそんなものか!」と本気で言われるかもしれない。ウィーンの人たちからは想像も出来ない社会だろう。

「平日午後7時閉店、休日閉店」、なんと不便な国かと思っていたが、これは人に優しいシステムでは、と思えてきた。便利と豊かさは同意語ではない。ウィーンと比べると日本は華やかでモノに溢れているが・・・

朝起き、夜寝る。仕事は日中のみ。しっかり休暇を取り家族と過ごす。「過労死」という言葉、想像も出来ない。
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10月なのに雪

2007年10月21日 | ウィーン
悪天候の週末、家でのんびり過ごす。
朝から雨だったが、ふと外を見ると雪に変わっていた。まだ10月なのに。

息子と窓の外を眺める。しばらくするとまた雨に変わったが、もう冬なのか。
今日の最高気温は5度程度あるが体が慣れていないためか、もっと寒く感じる。

週末ではあるが指導教授の手術があり、それに呼ばれ病院へ。
教授はウィーンから40km程離れた山の麓に住んでおり、そこでは完全な雪だったと。

手術(AVR)は3時間程で終了。病院を出るときには天候は回復していた。

夕方、息子を連れて近所に散歩に行くが、寒い。手袋とウールの帽子がそろそろ必要だ。

(緑の木々は減り、落ち葉が目立つ。人もいなく閑散としている)

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諸外国からの患者さん: 小児心臓手術

2007年10月21日 | 病院
たまたま小児心臓手術を専門にしている教授と雑談した。

国外からの患者さんが増えているという。東ヨーロッパ、中東諸国から心臓手術の必要な子ども達がAKHに専門家を求めて来ていると。もちろん彼らはイギリスやアメリカなどに行くことも可能だが、比較的距離が近いのでここを選ぶのではという。

公的保険に加入しているオーストリア国民がAKH(実質的ウィーン医科大学付属病院)で治療を受けるのは問題ないが、外国の方は公的保険がなく高額な医療費をどのように支払うのか疑問に思った。

AKHの基本入院費は一日120ユーロでこれには医療費や人件費は含まれていない。複雑な手術を受ける子ども達は通常3週間近くの入院期間が必要となる。入院費だけでもそれなりの額になるが、手術費、麻酔費、集中治療費が加算されば高額になるはずだ。

その教授によると、退院時に個人で支払って帰る場合、保険会社、企業が支払う場合など様々な契約形態があるというが、何れにしても国外から手術を受けに来るのは容易ではないだろう。

先日、S教授のCABGの助手(普通の手術)を担当したが、その患者さんはウィーンから1000km程離れたルーマニアから来ていた。教授は患者さんが英語もドイツ語も話せないためコミュニケーションには苦労しているようだったが。

このように通常の成人手術でも良い医師を求めて諸外国から訪れる患者さんも珍しくない。

この現象は当然の流れの様に思える。医療の質だけでなく医療システムの国際化も進んでいくのだと思う。日本にもその流れが来るのだろうか?
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今年は寒い!?

2007年10月20日 | ウィーン
まだ10月の半ばなのに寒くなってきた。

週間天気予報を見ると最高気温5度、最低気温1度の日が続いている。今日の最高気温も6度でコート無しでは歩けない。通りを歩く子ども達はウールの帽子を被っている。

昨年は異常な暖冬で、東京と比較すれば多少寒いものの、氷点下になることはほとんどなかった。この調子だと今年は例年並みの寒さになるのか。ウィーンの真冬は氷点下10度以下になるという。日照時間も日に日に短くなってきた。夕方6時で薄暗い。冬はすぐそこまで来ているようだ。
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盛り上がらないハロウィン

2007年10月20日 | ウィーン
昨年同様、自宅前の広場にはハロウィン用のスペースが作られた。
週末にはフリーマーケットや小規模の移動式遊園地、ワイン会場も昨年同様設けられた。

昨年はイベント会場もありかなり盛況だったが、今年は全く盛り上がっていない。

フリマにはそれなりに人はいたが、かなり寂しい会場だ。


(それでも汽車に乗せてくれとせがむ彼)

暖冬の昨年とは異なり、既に涼しくなってきたが、それが影響するのだろうか。


会場を後にし自宅近くの山に散策に行く。


ウィーン市内を見渡せる緑の丘だが、ここには予想以上に多くの人が来ていた。


気温は10度近くありまだ楽しめるが、そろそろ冬に入る前の貴重な天候ということを皆知っているからだろう。
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南ドイツ3: ノイシュヴァンシュタイン城とロマンチック街道

2007年10月11日 | 旅行
3日目は ルートヴィッヒ2世の居城で有名なノイシュヴァンシュタイン(Neuschwanstein)城へ。

9時オープンのチケット売り場に15分遅れで到着。
既に予約者や先着者が多く、入場時間10時55分のチケットとなる。
体力があれば徒歩でも行けるが無難に馬車に乗せてもらう。


最後に乗ったので、なんと一番前。運転席に乗せてもらった。


息子は喜んでいる。運転手が「Hyde」というと彼もまねをする「ハイドォ」。ムチを打てば、それを真似る。和やかな雰囲気の中、馬車は急な坂をどんどん上がっていく。馬の体から水蒸気が上がる。

当然馬が止まった。シッポが動いたかと思うと、大きな糞がボタボタボタっと。彼は「ウマ、ウンチ! ウマ、ウンチ!」と繰り返し喜んでいた。


(運転手と記念撮影、ただし霧が濃い)

あいにくの天気で城内まで来ても濃霧で全景が見えない。


多少ガッカリしながら、城内の広場で入場を待っていた。
中国人や日本人の団体観光客も多く,かなりの混雑に。


我々は40分の待ち時間であったが、幸運にもその間で見事に晴れ、
美しい全景が明らかになった。これは凄い。
 
(暇な待ち時間でも、走り回る彼は嬉しそう;城は19世紀後期の建築)

城内は撮影禁止。個人的には内部より外から見た城の方が断然好みだった。

内部を見学したあとは、城の裏手にある名所「マリエン橋」へ向かう。
偶然にも紅葉の最期だった。坂道を登っていくと、途中のカーブからはHohenschwangau(ホーエンシュヴァンガウ)城とアルプ湖が見える。ここで皆記念撮影。
 
(19世紀前期、ルードヴィヒ2世の父がネオゴシック様式で再建した城)

紅葉で色づく山々と湖。城が映える。気候も良くハイキングにも最高だ。

(急な坂道だったが、家内のコートのひもを「シッポ」と言いながら掴み、自分で歩く彼)

更に坂を上りようやくマリエン橋に到着。高所が苦手の家内は少し怖がっている。ここからは城だけでなく町からForggensee(フォルッゲン湖)までが見渡せる一大パノラマとなっている。


絵画的な城の美しさを堪能できる、かなりオススメのスポット。

アルプ湖にも立ち寄る。透明度が高く湖岸の紅葉が美しい。
日本の名所のような雰囲気を漂わせる自然景観。


その後はロマンチック街道をひた走る。出発のときはどれがロマンチック街道か分からず右往左往したが、城から下った道はすぐにそれに合流していた。
フッセンから北上する街道は家畜の牛や馬がいる緑の草原と、落葉広葉樹林が点在する長閑な風景だった。


何十キロに一つくらいの頻度で「Romatichestrasse」、時によっては「ロマンチック街道」と日本語で書かれた標識があるが、あまり親切ではないように思う。ナビを頼りにAugsbrugに到着。


アウスブルグは人口27万人の都市。これまでの街道沿いの街や村と比較すれば大都市ではあるが、高層ビルが建ち並ぶという訳でもない。ヨーロッパ的な街並みだ。ドイツルネッサンスの傑作と言われる市庁舎は1615年の建築。隣のペルラッハ塔は1182年の建築だそうだ。


ここからウィーンまでは500キロ、およそ4時間の帰路となる。
反対車線は渋滞の箇所もあったが、我々は運良く渋滞もなし。快適な道のりだった。


(アウトバーンから見えたサッカー場)

高速走行するアウトバーンには片側3車線は必要だと思う。そうでなければ高速車とトラックなどの低速車が安全に併走できない。
そしてドイツ国内では、日本車はほとんど見かけなかった。たまにフランス車をみるものの、ドイツ車ばかり。これが自動車大国ドイツと、他のEU諸国との異なる点か。

紅葉の最期というタイミングによるのかもしれないが、南ドイツは素敵な印象が残る。自分はNeuschwanstein城が、家内はOktoberfestが、そして息子はLEGOLANDが気に入ったようだ。
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南ドイツ2: LEGOLAND

2007年10月11日 | 旅行
有名玩具メーカーLEGOが展開する遊園地“Legoland”。
世界に4つあるうちの一つが南ドイツのGunzburgにあると聞き、今回ミュンヘンから行くことに決めていた。息子は毎日のようにLEGOブロックで動物園を造っているので、ここが気に入らないはずはないとふんだのだ。

朝10時にチェックアウトをしながら外を眺めると、すでに民族衣装を着てOktoberfest会場に歩いていく人が大勢いた。
今日も盛り上がるのだろうと思いながら地下駐車場に向かうと、車しかないはずの空間になにやら怪しげな動く物体が。
よく見ると、それは寝袋で休息をとっている若者たちの姿だった。
ヨーロッパはホテル代が高いが、暖かいホテルの地下駐車場をホテル代わりにして、その分飲むことに情熱を注いでいるのだ。これには驚く。


(ホテル前から中心部を望む)
興奮冷めやらぬミュンヘンから西へ約120Km、Legolandに向かった。

草原の中のアウトバーン出口で降り、何もない野原に突如Legolandが現れる。


車以外ではこられない場所。もちろん駐車場は広く整備されているが、周辺に都市はなく、何故ここなのかと思う。そもそも幕張に出来るはずだったらしいが、日本ならもっと集客できるだろう。

(駐車場:場内の紅葉が意外ときれい)

遊園地内は至る所にLEGOのブロックで造られた人や模型が置かれている。


素朴な乗り物からジェットコースターまであるが、全体的には小さい子どもでも楽しめる内容に思えた。気温15度の暖かい土曜日とあって賑わっているが、各アトラクションの待ち時間は5分程。次から次へと乗って遊べる。

身長86cmの2歳の息子でも参加可能な乗り物も意外と多い。


LEGOのプラスチックブロックで造った有名観光地の模型などは大人でも楽しめる。

(ここはブロックで造られたベネチアの街風景;運河を航行している船に釘付けの彼)

彼は見るモノ見るモノが楽しくて仕方がない様子。普通の滑り台でも十分楽しめるが、電車、ボートなどのアトラクションにも乗ってみる。
 

アトラクション中は真剣で何を尋ねても返事はないのだが、降りるべき時が来ると、わっと激しく泣く。大泣きすればするほどそれが気に入っていたのだと後から分かる。泣きながら「また、また」と全身で駄々をこねる息子。


午後4時には出発する。今夜はFussenに宿泊予定だが、その近くの草原のなかに建つ、ユネスコ世界遺産のヴィース教会に立ち寄るつもりだ。

Legolandからは南へおよそ140kmのドライブ。なんとか6時前に教会裏手に到着。牛や馬がいるだけで静かな草原そのもの。全く人の気配はない。


こんな時間でも入れるかどうか不安であったが、正面の道路で大勢の日本人観光客とすれ違い、入れることを確信しほっとする。それにしても教会近くの小さな土産物屋のトイレに入ったら、ドイツ語の他になんと漢字で「男」「女」と書いてあり驚いた。こんな草原の中に日本語が。

ロココ様式の教会内部は素晴らしい。

(涙を流すという奇跡が起きたとされるキリスト像が安置されている)

夜7時近くなると、団体ツアーの方々は去り、途端に静粛になる。日も沈みコート無しでは寒い。沢山遊んだのに彼はまだ元気。


教会からは15分程でFussenに着く。街の中心部ではなく、ロマンチック街道沿いの草原の中にある田舎ホテルは安価でかつ気分もいい。翌日は有名な城、ノイシュヴァンシュタインを見に行く。
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南ドイツとOktoberfest: 熱狂のビール祭り

2007年10月09日 | 旅行
毎年この時期にミュンヘンで開かれる「オクトーバーフェスト(Oktoberfest)」は世界最大のビール祭りだ。

教授たちとの雑談で週末の話になり、オクトーバーフェストに行く予定だと話したら、口を揃えて3人から「そいつは危険だ」と笑いながら言われた。ナースは本当に危険そうな顔をしていた。本当にそれほど熱狂的な祭りなのであろうか。

今年の開催期間は10月7日まで。そこで10月5日の金曜日、朝ウィーンを車で出発し、ミュンヘンに午後2時過ぎに到着した。走行距離は約450km。会場すぐ近くのホテルをとったので休むことなく早速会場へ向かう。


(入り口)

民族衣装を着た参加者も多い。


ビールをデザインした帽子を被っている人も多い。


まだ昼間だが既に混雑しボルテージは徐々に上がってきているようだ。会場内に十数個あるビールメーカーの各テント内は、それぞれ1000席以上の規模だというのにいずれも空席が見あたらない。しかし危険という雰囲気ではない。陽気で愉快な感じだ。
 




雰囲気を味わった後、駆け足で市内観光へ。見所のヴィッテルスバッハ王家の宮殿レジデンスだけは見ておきたかった。14世紀から建造が始まっているらしい。豪華な半円形天井のホールは印象的。
 




19世紀後期の建造。市庁舎のネオ・ゴシック様式の建築はウィーンのそれとも似ている。



会場の夜の熱狂ぶりを考慮して、食事はあらかじめ済ませてから戻ることにする。ガイドブックでもいちおしのビアホール「Augstiner」へ。ここのビールは好みだ。甘いソースをつけて食べる白ソーセージもかなり美味しい。



再び会場へ。雨が降り出しそうな気配だが、皆全くお構いなし。漏れ聞こえてくるテント内の様子は熱狂していてかなり危険そうだ。警備員も多数配置されていて、この時間はさすがに子どもは中に入れない。


バンド演奏も始まり、それに合わせての大合唱となっているようだ。ビデオカメラを片手に中に入ると、皆「オレを撮れ」とカメラ目線。カメラを向けると激しく踊ってくれる。




夜のテント内は熱狂的だが、会場内も全体に皆テンションが高い。家族の写真を撮ろうとすると勝手に入ってくる。意味もなく握手を求められる。テント入り口の案内係は真っ赤な顔だが親切に写真を取ってくれた。
たまたまかもしれないが、テントの外でビールをオーダーすると、担当のウェイトレスが酔っていて接客とはほど遠く、びっくりした。客がお願いして辛うじてビールを運んできてもらう感じ。そのくらい、会場中皆酔っている印象。




(完全に酔っている若者達だが、皆エチケットはわきまえていた)


日本でもお祭りには独特の雰囲気があるように思う。危険と頭で分かっていながら熱狂するような。ドイツのお祭りは1リットルジョッキで酔いながら歌い、踊り、そして燃えていた。



子どもはあまり見かけない会場だったが、移動遊園地や屋台に彼も楽しんでくれたようだ。
翌日は彼が喜びそうなLEGOLANDに行く予定だ。

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市庁舎でparty

2007年10月04日 | ウィーン
ウィーンのある研究関連機関がpartyを開いた。教授が参加できないため代わりに行くことになった。どこの協会が祝賀会を開こうとも構わないが、その会場が興味深かった。

なんと市庁舎内なのだ。


ウィーン市庁舎は観光スポットでもあり、普段外から眺めていが一般人が中に入れるとは思わなかった。それほど警備は厳しくなく招待状を持っていれば素通りできた。重厚な雰囲気の古い建物だが、祝賀会場は現代風のカラフルな照明にもアレンジされ、ため息が出るほど美しい。



行く前は何故会場が市庁舎なのだろうかと思った。市長が挨拶をするからなのか?
この会場の広さ、豪華さは、それだけでここを選ぶ十分な理由になることが分かった。


日本で同じことが可能だろうか?
各自治体は庁舎内に広いホール(会場)を持っている可能性は十分ある。中には歴史的に価値があり、または美しい内装を施した素晴らしいホールもあるかもしれない。それを一般のイベントに貸し出すだろうか?・・・たぶん不可能のような・・・
仮に一般に貸し出すことが可能でかつ立派なホールを造ったとすれば、何故そんなものを作るのか、税金の無駄使いではないか!と市民から抗議されるかもしれない。

ウィーン市庁舎前の広場は、夏はフィルムコンサート、冬はクリスマスマルクトなど常に市民のイベントに貸し出されていることを考えてみれば、市庁舎内のホールを一般のイベントに貸し出しても何の不思議もないことに気づく。


(フィルムコンサートでは深夜まで連日賑わっていた)

(キンダーオペラの日もあった、小澤征爾指揮で息子も楽しんだ)


無駄の少ないシステムだと思う。市民は美しい市庁舎前の広場でワインを飲みながらオペラを鑑賞し、また建物内部の豪華なホールでのpartyにも参加出来るのだから。

ウィーンフィルが恒例の野外コンサートに行ったときのことを思い出す。会場はあの広大なシェーンブルンだった。
 

世界遺産の会場にクリントン元大統領も来賓として来ていた。何万人もの市民がシェーンブルンに集まりコンサートを共に楽しんだ。

 
(なんと花火までやっちゃう)                    (コンサートには飽きて砂遊びの彼)


歴史的に価値のある場所を皆で使い、楽しむ。善し悪しではなく、価値のある場所を有意義に利用している思う。
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アルベルティーナ美術館

2007年10月02日 | ウィーン
オペラ座の裏にアルベルティーナ美術館がある。今月からピカソ、シャガール、モネなどの近代画家のコレクションが始まった。

まずは家内の好みで美術館正面にある有名なカフェモーツァルトで栗のケーキを頂いてからの美術鑑賞となる。



屋外席も観光客で満席のカフェモーツァルト。


カフェから道路を渡ればオペラ座。美術館入り口からそれを望む。


これがアルベルティーナ入り口。初めて入ったが綺麗でモダンな造りの建物だ。


パリのルーブル美術館と比較すれば何分の1もないと思うが十分広い。館内は混雑していたが入場者のマナーはパリの美術館と比較して良いと思う。ウィーンの美術館はその点では上品だと個人的には思っている。

絵画を間近に見られる展示方法はどこも同じか。微妙な筆のニュアンスまで見ることが出来る。息子も少しは飽きずに絵を見てくれるようになった。

特別展示とは別の、おそらく常設展示だと思うが、これも素晴らしい。細かく区切られた展示室はまるで王宮の応接室の様。豪華なシャンデリアと家具、その中に数点の絵画が贅沢に展示されている部屋が続く。こちらにはほとんど客はいなく、むしろのんびり鑑賞できる。


舞踊会でも開けそうな部屋で遊ぶ彼。


さらにこの美術館は世界最大のグラフィックアートを所蔵するとされる。0階にはその一部が展示されていた。2時間は見学したが全てを見切れず閉館時間となった。もう一度来てもいいと思う内容だった。一般のお店が全て閉店している日曜日のウィーンで、美術館見学はお勧め出来るだろう。
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