ウィーンで学ぶ

---ウィーン医科大学心臓胸部外科
留学日記とその後...---

裏山が樹氷に: マイナス5度の世界

2007年12月25日 | ウィーン
12月下旬、雪が降ったわけではないのに裏山の木々が白く色づいていることに気づいた。


(路地の木々は青々としているが、山頂付近は白い)

息子を連れて散策に行ってみる。
平地の木々に変化は無いが、バスで1分、数十m斜面を上がり出すと木々が白くなっていた。さらに高度を上げると全ての木々が真っ白になっていた。


いつも散歩している山頂ホテル前の野原も幻想的な風景に変身していた。

(無風のためそれほど寒くはなく、犬を散歩に連れてきている人も多い)

興奮しながら近づいてみると氷の結晶が層状に付着していた。いわゆる樹氷だったのだ。


昨年は暖冬のため、この現状は見られなかった。樹氷は、濃霧が強風により樹木に衝突し、その衝撃で水滴が瞬時に凍結・付着した氷層だ。気温-5℃以下の環境で生じる現象とされる。


自宅近くで樹氷を観察できるのも今年が最後かもしれない。
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冬の過ごし方: クリスマス・マルクト

2007年12月23日 | ウィーン
これほど冷えてくると家にこもりたくもなるのだが、
今年は自然とクリスマス・マルクトに足が向いてしまう。

記録的な暖冬の昨年でも、さすがに屋外で長時間過ごすのはこたえた。
プンシュやジャガイモ料理、飾り物などの屋台に格別欲しい商品は見当たらず、
正直それほど好きになれなかった。

ところが今年は違う。まもなくの帰国ということも勿論あるのだが、この氷点下の寒さの中、毎週末出かけている。これが、かなり楽しくなってきている。

ウィーンのクリスマス・マルクトといえば、市庁舎前広場、シェーンブルン宮殿前、マリア・テレジア公園、カールスプラッツ、ウィーン大学(AKH)内、フライユング、シュピッテルベルグ、ベルヴェデーレ宮殿前などだろう。今年は余裕の制覇だ。



赤や金色のマルクトの光と木々の間から、背の高い時計塔が顔を覗かせる市庁舎前。大きなアドベントカレンダーや人の流れが、絵本に出てきそうなクリスマスの風景を醸しだす。


2つの博物館に挟まれたマリア・テレジア公園も、夜間は荘厳な美しさ。


シェーンブルン宮殿前は広い。風が吹き抜けてより寒く感じるのは気のせいだろうか。



カールスプラッツのマルクトは、ちびっ子に人気。動物と触れあったり、ワラで遊んだり、両親はプンシュ片手に子供の世話を焼くことになる。



ウィーン大学(AKH)内は地元の若者で一杯だ。

(氷点下の寒さの中、プンシュを飲みながら雑談を楽しむ若者: 中には震えながら飲んでいる人も)

敷地内には素敵なカフェレストランもあり、寒さしのぎに使える。

(暖房の効いた週末の特設テント内、本店内もテントもほぼ満席)



フライユングは街の中心部にあり、周囲の洒落たお店を散策しながら立ち寄るのも楽しい。


ベルベデーレ宮殿前は小規模だが、美しい宮殿と庭を眺めながらプンシュを頂くのもいいだろう。


雨や雪が降る中で傘もささずにプンシュを飲む人達を、無茶するなあと思って眺めていた初めの頃。真夏のテラスならまだ分かるが、真冬でも本当に外が好きなんだなあと。


(オレンジプンシュ:マグカップは各マルクトのオリジナルデザインで気に入れば2ユーロでそのまま持ち帰れる)


今はその人達の気持ちがなんとなく分かる。これこそが冬なんだと、寒いのも楽しくなってくる。荒れた吹雪でなければ自分もやっていけそうだ。時間に制限はあるが。
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Christmas Market in Vienna

2007年12月17日 | English
It is quite interesting for me the Christmas Market in Vienna where people come to buy something Christmas goods or just to look and drink cups of hot alcohol with fruit flavor even in snowing and cold day.

In this season coming Christmas, you can see lots of temporary construction stores in streets in Vienna, which are the Christmas Market. Of course normal permanent stores sell Christmas goods but people seem to be like it pretty much.

The Christmas Market may be more attractive than normal stores because of availability all kind of Christmas goods at a place, something special atmosphere of temporary construction with bright lights that are charming people, and also opening on Sunday when all moral stores are closed in Vienna.


I went to the Market in Herengasse with my family.
Even in snowing weather, people were drinking and eating on air without umbrella. I think you can hardly see such people in Japan where it is thought that you should be inside if you have something to bit in winter or rainy day.



The last winter I came to the Christmas Market several times, but all I remember is that too cold to find out anything interesting. I recognized changes in my mind that I pretty enjoyed the Markets this season in spite of being much colder than the last winter.

Fortunately my son learns to ride a pony in a Market’s attraction. This photo shows second times of his pony ride with his strong desire.

(He can ride a pony completely alone.)

Eventually I like it very much. I think, however, that if you would meet such fantastic Christmas Markets in Japan, they may not be attractive as like here, probably because they are based on the culture and spiritual climate of Austria, different from Japan where normal store are opening 24h or eager to lead the latest fashion.

The Christmas Market represents entertainments in winter of Vienna on the basis of favorite of the citizens.
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Heart Transplantation

2007年12月15日 | English
Since an operation which I had been supposed to assist was postponed due to heart transplantation, I was looking at it.

The ischemic time of the donor heart began from several minutes before 9, and the recipient operation was started half past 9. The sternum was re-opened carefully to avoid any bleeding, and severe enlargement heart was exposed by Prof A, except for the lateral wall due to strong adhesion of the previous Dor procedure.

After getting information from the donor team of arriving here within 20 min, he start started excising the recipient heart. At the same time of finishing all maneuvers in the recipient, donor team doctors including Dr. X were coming with the heart. A talented young surgeon, Dr. X performed transplantation within 40 min perfectly. The ischemic time was 230 min.

Of course the shorter cardiac ischemic time is the better outcome. In order to obtain the shorter ischemic time, teamwork is quite important. The other concern, it should be shorter operation and cardiopulmonary bypass time as possible in the recipient to reduce surgical trauma. In regarding this operation, as the donor was in foreign country besides bad weather, it needs longer time for transportation. In spite of these issues, transplantation was achieved less than 4 hours ischemic time as usual, without vain waiting time in the recipient procedure.

I really admire surgical teamwork including 2 coordinators, 3 anestheologies, 2 professor surgeons, and large number of co-medicals including transport supporters. Especially Dr. X did absolutely good job from taking the heart to transplanting with his highly skill and tough spirit under strictly limited time.

I hope this patient will make it without any complications.
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異文化: 日本のお辞儀

2007年12月09日 | 病院
日本の学会に招聘されていたZ教授が今週、戻ってきた。
彼に会ったら、溜まっていた物が吹き出したかのように日本のことを話してくれた。

まずは成田に着き、新幹線で仙台へ。他の教授陣も「シンカンセン」を知っていて、意外にも有名だった。「超特急だがほとんど揺れない」と。日本人には当たり前だが、フランスのTGVと比べると新幹線の車内は静かで震動が少ないことを思い出した。面白いのが、「車内販売の女性が車両に入る度にお辞儀をするが、意味が分からない。何のためにしているのか」と。

仙台の学会では自分の指導医にも会い挨拶をしてくれたと。さらに「学会の夕食事会でタヌキの写真を撮りたいと言ったら、皆に爆笑された」と。これは面白いと思う。

次は大阪で講演。”Japanese pancake”を食べたと。お好み焼きのことだ。気に入ったようでウィーンでも材料を集めて自分で作ると。京都の神社を観光し非常に素晴らしいと。さらに「神戸ビーフは最高だ」と。

そして東京でも講演。「東京と京都では寿司の種類が違い驚いた、ウィーンでは何処でお同じだが」と。日本通の彼は毎朝みそ汁を食べ、繊細な日本の味を楽しんでくれたことを嬉しく思う。ウィーンの食事から想像すると、日本の味を理解してもらえないのではと思うからだ。

その彼が最も日本で驚いたことは、「日本人は敬虔な仏教徒かと思っていたが、至る所にクリスマスツリーがあった」ことだと。「ヨーロッパでは宗教が政治に強く影響するが、日本は政治と宗教は分離し、かつ人々も宗教的に自由で革新的な進んだ国だ」と。

なるほど、ヨーロッパ人から日本を見るとそう思うのか。自分には「無宗教」と「“クリスマス”を利用した商業的なイルミネーション」にしか見えないが。

その後、彼とたまたま廊下ですれ違った。普通はハローと言いながらすれ違うのだ、彼は僕を見つけると頭を下げた。それを見て初めて気づくことがあった。日本的な会釈がどこか奇妙だということを。

日本人同士のお辞儀を見ても特別な感想はないが、ゲルマン人が廊下ですれ違いざまに頭を下げると異様に見える。”ハロー”の方がしっくりいく。彼も新幹線の中で同様の思いをしたのだろうか。
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冬は室内遊技場へ: 子供の旺盛な好奇心を満たせるか?

2007年12月03日 | ウィーン
外で遊べない冬季は室内遊技場が大活躍する。

土曜日の昨日、MQ(複合芸美術・博物館施設)内にあるKindermuseumを訪れた。ここでは6ヶ月から12歳までを対象に、年齢目的別に4つのプログラムが用意されている。2歳児の息子が参加できるのは1つだけ。その”Dive into ZOOM’s miraculous underwater world!”に参加した。


皆座って先生の話を聞く。これから向かう海の世界について話しているのか。ブルーのカーテンに滑り込み、アンダーシー・ワールドへ。

 
船内を探検したり、海の動物と戯れたり。息子はいくつもある仕掛けに目移りしながら、一時も休まず遊び続けた。

参加時間60分は、彼にはあっという間に過ぎたのだろう。他の子ども達は誰一人泣かずあっさり帰って行くが、彼の場合そうはいかない。「もっとあそぶ~!」と30分以上も泣き叫び続けた。

この正面にあるcaféにも子どもの遊び場があり、観光客にも人気のMQは家族連れにも非常に優しい。

(子連れ家族で満員の店内。息子も楽しめるし、親もリラックス出来る)


そして日曜の今日は、通い慣れた近所の室内遊技場へ。月に1度の”BABY DISCO ”があるためだ。


受付ではウェルカムドリンクとして、大人にスパークリングワインが振る舞われる。子供達はいつものアスレチックやボールプールで遊んでいたが、会場内の音楽が一際大きくなるとステージの前に集合しダンスが始まった。

(説明は分からないが真剣な彼)

2~3曲程で多くの子ども達は飽きてくるようで人数が減ってくるが、どうやら息子は非常にダンス好きの類らしい。ステージ上の先生の動きに集中し、一生懸命踊り続けていた。終わってもまだ踊りたくてたまらない。場内に流れている曲に合わせて、その後も一人、彼なりに踊り続けていた。

ウィーン市が行うミュージッククラスで素晴らしい先生に出会ったことも影響したのかもしれない。1年前、このBABY DISCOに初めて参加した時は一番後ろで踊ろうともしなかったのだが、この日は家に帰ってからもこの自分のビデオを見て汗だくで踊り続けていた。

気温も10度前後と暖かいので、近くでランチをとった後、久しぶりに近所の山へ散歩に出かけた。風もない穏やかな日のためか、大勢の人が山に来ていた。
 

驚いたことに、ウィーン市内を一望できる山の上にスケートリンクが出来ていた。マイシューズを持参し皆家族で楽しんでいる。初めてスケートを見た息子だが、「スケートする、スケートする」とここでも好奇心全開であった。
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