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首都の風景とはいえ、ウランバートルを走る路線バスの車窓からは、EPSONの電飾看板が見えたりする。冒頭から僕の中のモンゴル国のイメージが覆る。
ヒロインの大学生女子は、親の推奨で原子力工学を学ぶ。授業中は女性教授の目を盗み、落書きとも本気ともつかぬ絵を常に描いている。
バナナの皮に足を取られ、脚を骨折した友だちの代打で、ウランバートルの場末のアダルトグッズの店でバイトをすることになる、やむを得ず。
日々の売上げを、女性オーナーの自宅に届けるが、そのオーナーは謎めいている。自宅は上流を絵にしたような調度品が整然と置かれ、50がらみのオーナーの暮らしは優雅そのもの。
元より学業に身が入らないヒロインは、アダルト店の客たちに揉まれ、何よりオーナーとの哲学めいたやり取りを経て、自分探しの端緒に立つことになる。
例えば読書についてオーナーは「若い頃は(読書に)意味を求める、年を取った今は、真実を求める」そんなことを何気なく語る。自宅は
ロシア文学の蔵書で溢れているのだ。
ヒロインを務めた女優は、実際にも大学生で、コーデュロイのジャケットをさりげなく着こなすなど、掛け値なしのオシャレであり、風貌は芳根京子または、デビュー時の堀北真希に似ている。
インド映画にダンスが定番であるように、モンゴル映画にはロックバンドの演奏が挟まり、それがまた心地よい。
ラストはむべなるかな、の方向に着地。
これ以上書くと、ネタバレ満載になる。興味を惹き付けるエピソードてんこ盛りで、観る人を飽きさせない作品。
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