こちら、西東京市向台町。
数年前まで、IHI(石川島播磨)の大きな工場があった跡地が宅地化され、
ショッピングモールもできています。
かつては園芸農家の多かった周辺も造成され戸建の建設が増えています。
市内で近年、大きく風景の変わった地域の一つです。
こんなかわいらしいおうちがぎっしり。
住んでいる方々は若い方が多いのか、
この時期は、どのお家も凝ったクリスマス飾りがきれいです。
こんな一画に、実は民具や書籍を入れていた市の収蔵庫がありました。
整備の一環で、引っ越しをすることになり、今週はこちらで仕事です。
近くには多摩自転車道がありますが、その脇に庚申塔と馬頭観音があります。
かつては、この前がIHIの正門でした。
今日もきれいにお掃除がされ、お花が飾られています。
この庚申塔と馬頭観音、IHIの撤退に伴う周囲の再開発計画で
その扱いが問題になりました。
今や庚申講などの講組織はほとんどなくなり、
路傍の石塔や石仏のように、所有者が定かにできないものは、
開発とともにいつのまにか姿を消してしまうことが多くあります。
この2基は、最終的には、同じ場所に囲いをつけて残されることになりました。
開発側の心を動かしたのは、
毎日世話をしてくれている人がいる、
地域の人たちがきちんと心を寄せているということだったでしょう。
もう一基。少し離れたところにあった馬頭観音も、
少し位置を変えざるを得ませんでしたがやはり、緑地帯の中に残りました。
かめしーたが写真をとっていると、お散歩途中らしい年配の女性が手を合わせました。
「今日もきれいねえ」
クリスマスも、ちょっと忘れてしまいそうなことがあるけれど、
本来は祈りの風景。
新しくこの町の住民になったみなさんが、
長い間、地域の人たちが日々の祈りをささげてきた石仏や石塔にも、
同じように興味や愛着を持ってくれたらうれしい。
今年の文化財めぐりは、この地域を歩きました。
残念ながら大雨・・・。
今度このブログで、見どころをご紹介しましょう。
新年は、石仏・石塔めぐりはいかがでしょうか。
祈りの風景は、実はすぐそばにあります。
数珠が添えられていました。
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