したのやムラ便りG

東京の片隅に眠る下野谷遺跡。「したのやムラ」と呼ばれる縄文のムラがありました… (non official site)

桜井清彦先生を偲ぶ

2010年11月28日 11時03分39秒 | かめしーたのひとりごと

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                    先生のスケッチを印刷した絵葉書。

                    東北、アリューシャン、タクラマカン、

                   ベトナム、エジプト・・・。行く先々をサラサラと描かれた。

                                                                昨日は、9月に亡くなられた大学時代の恩師、

桜井清彦先生を偲ぶ会に出席させていただいた。

                                                                                                                                                                                                                                                              

大学のカフェテリアで、教えを受けた大学の教え子やら関係者を中心にした会。

案内のハガキをもらった当初は、大学のカフェテリアでの会なんて、

もっと気のきいた会場はないのかと、世話人には失礼ながら思ってしまったのだけれど、

思えば、この場所にこそ、かつては考古学の研究室があったのだった。

そう、世話人代表の先生の挨拶にもあったように、

こここそ、先生の世界に向けた出航の港だったのだ。

                                                  

桜井清彦先生は、若い時代、北方考古学を志され、

その後エジプト、ベトナムなど幅広い地域の研究をすすめられ、

また、考古学協会の会長を努めるなど、国内外の考古学の発展に尽力された。

世界中を飛び回るお姿は本当にエネルギッシュで、

小さなお体は、いつも飛び跳ねるように動かれ、

驚くような好奇心にあふれていらっしゃった。

                                                   

お酒と同じように、甘いものもお好きで、

エジプト調査団の荷物には「ゆであずき」が必須だったそうである。

そういえば、学生時代、一日かけて、宴会のつまみ(!)にと、

考古学実習室のガス台で、お汁粉を作るよう言いつかったことも懐かしい。

                                                         教えを頂いたころと変わらぬ、和やかな笑顔のお写真に、

ありし日に受けた御恩にたいする御礼と、ご冥福をお祈りした。

                                                         そんな先生がめぐり合わせてくださったのだろう、

昨日は、なつかしい、なつかしい顔顔に出会うことができた。

                                                           同期のNちゃんは、たった一人でラオスで研究をすすめていた。

後輩のIちゃんは、2人のお母さんになりながら、ご主人と独立した会社を作っていた。

昔、一緒に北極に調査に行った後輩のOくんは、今もその村をフィールドに活躍、

当時、はにかみながらくっついてきた、幼いイヌイットのロイ少年は、

立派なハンターに成長したそうだ。

また、先生の活躍する姿を映すパワーポイントの映像には、懐かしい写真がずらり。

研究室で調査に3年間通った、青森の蓬田大舘。

あんなこともこんなことも・・・話の尽きない夜だった。

                                                            みかけはみんな少し大人?になったけれど、

中身は変わらないな。

同期のKくんが言った。

そのとおり!

                                                                    けれど、まったく同じじゃない。

忘れてしまっていたことがあったことを思いだした。

先生と一緒に見ていた広い広い世界。考古学研究の境なくはてない面白さ。

ちょっと、いや、だいぶ、心が縮こまってしまったかなぁ。

今、多くの人に支えられて働いている毎日は、一つの芯なのだけれども、

他に、もう一つ芯にしなきゃいけないものがあるんだった。

                                                        

もう一つの芯を、きちんと磨けるよう、また、がんばります。

先生、ご存知、なまけもののかめしーたに、

天上界からも、どうぞ、叱咤叱咤(ちょっと)激励をお願いいたします。

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