くれぐれも注意していきましょう。
さて「したのやムラ」は・・・・
昨夜も月がきれいでした。
「しーた」と「のーや」がお月見飾りをもってきたようですね・・・。
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「あはは!みてよ、のーやの顔!、まっしろだ!
「うるさいなあ!あっ!あん!しーたがお団子たべようとするよ!」
「しーた!だめでしょ!それは、お月さまへのおそなえでしょ。なにしてんの!!」
のーやはあんに教わりながら、顔を粉だらけにしてドングリ団子を作っています。
もうすぐ、お月さまがまんまるになる夜がきます。
お月さまが、これからもずっと夜を明るく照らし続けてくれるように、
お供えをする季節がやってきました。
「しーた、いたずらしてないで。
ほら、これ森からもらってきたから、土器にさしなさいよ」
もんが森からススキをとってきました。
「は~い!」
しーたは、使っていない土器をもってきました。
「しーた、こっちのにしなさいな。」
あんが、大切そうに別の土器をもってきました。
「これは「きらん」が作った土器よ。きらんは土器作りが上手だったの。
きらんの生まれたムラ「光る石のムラ」には
「したのやムラ」とは違う模様や形の土器があってね、
私たちは、よく2つのムラの流行りをまぜこぜにしては、
みんなとは違った土器をつくって自慢していたのよ。
きらんの土器はとっても丁寧できれいで、水漏れなんかぜんぜんしなかったわ」
「きらん」はあんの親友で、しーたの本当のおかあさんです。
しーたが赤ちゃんの時に亡くなってしまったので、
しーたはほとんどきらんのことをおぼえていません。
「きらんはきれいな人だった?」
「ええ、かわいくて、優しくて・・。みんなきらんが大好きだったのよ。
きらんは、お月さまが大好きだった。
そうね・・・きらんはお月さまみたいな人だったわ。」
しーたはじっと渡された土器を眺めました。
「さあ!お団子できたわよ!しーた、のーや、かざってらっしゃい!」
「は~い」!
「転ばないでね~!」
ススキの入った土器とドングリのお団子をもって駆けだす2人に
あんが声をかけました。
りょうと、うりも2人のあとを追いかけていきましたよ。
お月見の夜まで、あと、もうすこし・・・。