したのやムラ便りG

東京の片隅に眠る下野谷遺跡。「したのやムラ」と呼ばれる縄文のムラがありました… (non official site)

したのやムラのお月さま②

2013年09月16日 08時01分01秒 | したのやムラの物語

各地で台風が猛威をふるっています。

くれぐれも注意していきましょう。

                                                            

さて「したのやムラ」は・・・・

                                                       

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昨夜も月がきれいでした。

「しーた」と「のーや」がお月見飾りをもってきたようですね・・・。

                                                          

****************

「あはは!みてよ、のーやの顔!、まっしろだ!

「うるさいなあ!あっ!あん!しーたがお団子たべようとするよ!」

「しーた!だめでしょ!それは、お月さまへのおそなえでしょ。なにしてんの!!」

のーやはあんに教わりながら、顔を粉だらけにしてドングリ団子を作っています。

もうすぐ、お月さまがまんまるになる夜がきます。

お月さまが、これからもずっと夜を明るく照らし続けてくれるように、

お供えをする季節がやってきました。

                                                              

「しーた、いたずらしてないで。

ほら、これ森からもらってきたから、土器にさしなさいよ」

もんが森からススキをとってきました。

「は~い!」

しーたは、使っていない土器をもってきました。

「しーた、こっちのにしなさいな。」

あんが、大切そうに別の土器をもってきました。

「これは「きらん」が作った土器よ。きらんは土器作りが上手だったの。

きらんの生まれたムラ「光る石のムラ」には

「したのやムラ」とは違う模様や形の土器があってね、

私たちは、よく2つのムラの流行りをまぜこぜにしては、

みんなとは違った土器をつくって自慢していたのよ。

きらんの土器はとっても丁寧できれいで、水漏れなんかぜんぜんしなかったわ」

                                                       

「きらん」はあんの親友で、しーたの本当のおかあさんです。

しーたが赤ちゃんの時に亡くなってしまったので、

しーたはほとんどきらんのことをおぼえていません。

「きらんはきれいな人だった?」

「ええ、かわいくて、優しくて・・。みんなきらんが大好きだったのよ。

きらんは、お月さまが大好きだった。

そうね・・・きらんはお月さまみたいな人だったわ。」

しーたはじっと渡された土器を眺めました。

                                                             

「さあ!お団子できたわよ!しーた、のーや、かざってらっしゃい!」

「は~い」!

「転ばないでね~!」

ススキの入った土器とドングリのお団子をもって駆けだす2人に

あんが声をかけました。

りょうと、うりも2人のあとを追いかけていきましたよ。

                                                             

お月見の夜まで、あと、もうすこし・・・。

コメント (2)
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