キオビエダシャクの成虫!
そして、その幼虫!
散歩道に生垣がきれいにせん定されている家がある。
いつも感心しながら通り過ぎていた。
イヌマキの生垣だ。
キオビエダシャクの幼虫に食害されて、枯れているところも多いなか、そこの生垣はいつもきれいだった。
どんな人が住んでいるのだろうかと思っていたら、ある日の夕方、おばちゃんが家の前に出ていた。
庭にある背の高いマキの木を見上げていた。
「どうしましたか?」
声をかけてみた。
おばちゃんは黙って木の上を指さした。
あらら!
幼虫が何匹も、たぶん10匹ほど見えない糸のようなものでぶら下がっている。
「なんですか?」
「キオビエダシャクの幼虫!」
へ~これがあのキオビエダシャクの幼虫か!
はじめて見た。
成虫はときどき見かけるが、幼虫を見るのははじめてだ。
「これが木を食い荒らすんですね?」
「はい・・・」
「いつもきれいな生垣だなと思っていました」
「こうやって薬をまいとるんです」
「ご苦労があるんですね」
「はい、苦労してます!」
ほんとうに苦労しているそうだ。
ヒンパンに薬をまき、ショッチュウ、ちょうを生け捕る。
あのきれいな生垣は努力のたまものだったのだ。
帰りながら、わが家でも虫と戦う決意を新たにした。
よ~し!
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