長い出張の合間の休日に社員数人で行った空
手道大会のチャリティーで「骨髄バンク」
に登録する機会があり、献血400mlと共に
「骨髄バンク」に登録してきました。
そこで初めて知ったことが多かったので
紹介しておきます。
まずびっくりしたのは、「骨髄液は脊髄から
注射して採取するのではなく、バンドの位置
から下にさがった骨盤(腸骨)から採取する」
ということです。
次に脊髄から採取して患者の脊髄に注射するの
かなあ?と思っていたのがお尻の骨盤辺りから
採取された脊髄液は「点滴によって静脈から注
射される」らしいです。太い神経が交錯する脊
髄に針を刺すことはないそうです。
その理由は人間の骨で骨盤(腸骨)が一番大き
いので、骨髄液が沢山採れることと、静脈への
点滴で骨髄液は自然に骨に吸収されて患者の骨髄
に定着するらしいです。人間の身体は不思議です。
その他には下記のようなことです。
①骨髄バンク事業は国(厚労省)主導のもと
骨髄移植推進財団が主体となり日本赤十字社
と地方公共団体の協力で行われている公的事
業らしいです。
②骨髄バンクの登録は2~3mlの血液採取が必要
なので献血時がついでなので楽ですが、次の方
法で登録できます。「献血ルーム」「保健所」
か各県の「骨髄データーセンター」に行くか、
ホームページのhttp://www.jmdp.or.jp/ もしくは
フリーダイヤル 0120-445-445に問い合わせして登録
する方法があります。
③骨髄移植で助かる可能性がある病気は「白血病」
「再生不良性貧血」「悪性リンパ腫」「先天性免疫
不全症」「骨髄異形成症候群」「代謝異常」の方達
の命や症状を助けることができるそうです。
一般的に総称して血液難病といわれるものです。
④血液に型があるように白血球にも型があります。
HLA(ヒト白血球抗原)型といわれる型は数万通りの
組合せがあり、型が合致するのに確率が低いです。
HLA型が適合しないと移植は拒絶反応等の合併症に
よって成功率が低下します。
⑤「骨髄」とは骨の内部に存在するスポンジ状の
組織で骨髄液で満たされている造血幹細胞で赤血球
、白血球、血小板を造る細胞です。
⑥提供者(ドナー)の骨髄液の採取には準備や採取
後のフォローを含め2~4日の入院が必要です。
⑦骨髄液の提供を受ける患者さんは移植前の2週間前
ぐらいから準備に入り抗がん剤や放射線の照射を受け
持っていた造血幹細胞は破壊され、血液が造られなく
なると共に吐き気や脱毛などの副作用に耐えながら命
懸けの治療に取り組むことになります。
移植後は無菌室で様子を診ながら移植された造血幹細
胞が骨に定着と共に働きはじめ、正常な血液を造るよ
うになると一般病棟に移り、経過が順調だと退院、め
でたく社会復帰となります。
無菌室を出る時の涙と感動を忘れられない方が多いら
しいです。
日本で骨髄移植を必要とする方は毎年2000人。
骨髄バンクドナー登録者は現在約24万人。
ドナー登録が増え、30万人の登録者に達すれば確率的
に移植希望のほとんどの患者さんに移植が可能になる
らしいです。
登録するほんの少しの勇気と時間で毎年2000人ずつ
発症している血液難病の人達を救えるわけです。
HLA型は両親から半分ずつ遺伝的に受け継ぎ兄弟姉
妹でも確率は1/4。親子でも稀にしか一致しません。
他人同士では数百~数万分の一でしか一致しません。
だから広く世間にドナーを募集の必要があるのです。
皆さんがよく知っている女優の「夏目雅子さん」、
歌手の「本田美奈子さん」は、HLA型が一致する人
が見つかっていれば亡くなることはなかったわけ
です。
骨髄を提供してくれるドナーを待つ患者さんに
とっては、皆さんの登録が大きな希望になります。