浪江に仮設診療所開設 一時帰宅の安全確保
東京電力福島第1原発事故のため町全域が避難している浪江町は9日、同町役場本庁舎1階に応急仮設診療所を開所した。
診療所にはベッドを設置し、薬や消毒薬、救急医療セットを用意、一時帰宅する住民の万一の事態に備える。町は4月1日に避難区域が再編され、町民の人口の約8割が日中に立ち入りできるようになった。現在は、1日に約800台の車両が往来、1000人を超える住民が自宅の片付けなどのために出入りしており、けがをしたり、体調不良を訴える町民の応急手当てを行う。
診療所には毎週木、土、日曜日、祝日に医師と看護師が待機。木曜日は二本松市の仮設診療所で避難住民を診察している関根俊二国保津島診療所長が駐在する。土、日曜日、祝日は相馬郡医師会の医師に対応してもらう予定で日程を調整している。
馬場有町長は「関係各所の協力で、一時帰宅する町民の安全と安心を担保できた」とし、「町民に安心して帰ってきてもらえるように、恒久的な医療機関として定着させたい。開所が帰町への第一歩だ」と期待を込めた。
その一方で、「再編前から国や県には(診療所の)必要性を訴えてきたが、いつまでも待っていられない。町にできることは先陣を切ってやっていく」と国などの対応の遅さに不満をにじませた。
(2013年5月10日 福島民友ニュース)
*関根先生には、中山間地域である津島地区の津島診療所の医師として長く地域医療を担っていただきました。また先生は、原発事故以降、避難する町民と共に移動し診察を続けられております。多くの町民が、先生に命を預けていると言っても過言ではないでしょう。
他紙によると、仮設診療所の開設準備も引き受けられ、また相馬郡医師会の関係者に土、日曜日、祝日を担当してもらえるよう何度も掛け合い、協力を得られたそうです。
現在、郡山市の自宅には帰らず、二本松市のビジネスホテルに寝泊まりされているそうです。どうか健康に留意されますようお願いいたします。