先日、香港の金融機関で働く友人と久々に食事した時のこと。
彼は元々は東京勤務で、経済系メディアに何度か露出したこともあるやり手だが、リーマン
危機後に海を渡った。海外まで出稼ぎに行かなきゃならないのも大変だな、と勝手に同情
していたのだが、話を聞くと全然逆で、今が一番充実しているそうだ。
「そりゃそうだよ、所得税が17%のフラット税制なんだから」
社会保障の差も大きい。香港には世界中からエリートが集まるが、彼らは若く自由な香港で
働くことにより「老人による若者の搾取」という先進国共通の現象を回避している。
そして、第一線を引くと同時に帰国して、母国の社会保障の受け手に回るわけである。
ちなみに、世界中からやってきてガンガン稼いでくれて、将来の社会保障の世話を焼かず
ともよい彼らは、香港にとっても上客らしい。
これが日本の30代サラリーマンだと、30%程度の所得税を負担しつつ、約15%の年金保険料
も払うために汗水垂らして働いているわけだ。しかも30年後に受け取る社会保障給付は、
今の高齢者より年金だけでも4000万円以上も少ないことがほぼ確定している。
(その少ない給付にしても、その時の現役世代に「ほぼ1人で1人の高齢者を支えること」に
同意していただかないといけないのだが…)
こりゃ法人税少々下げたところで焼け石に水だろう。
彼自身、現役の間は帰国する気はないそうだ。そりゃそうだろう。将来破綻確実なネズミ講
だとわかっていて最後に飛び込むバカはいない。悪いのは膨大な世代間格差や破綻確実な
社会保障を放置している国の方だ。
しかも、フラット税制という世界的潮流に逆行して民主党は累進課税の強化なんて言い出し
ている。働く場としての日本の競争力は、今後も期待できそうにない。
というわけで日本国の先行きはとてもよろしくないのだが、外から見て気付いた日本の魅力
もあるという。
「日本というのは。それ自体がブランドなんだよね」
同じサバでも築地からい入れたサバには倍の値がつく。
同じものは自国で売っているのに、わざわざ銀座に行ってショッピングする。
中国製の商品を銀座で中国人観光客に買わせているユニクロなんて、大したものだと思う。
彼らはみな、日本というブランドに対してお金を払ってくれているわけだ。
そう考えると、日本を働く場として充実させることよりも、金を使って
もらう場として 充実させた方が効果的なのではないか。
もちろん前者も必要だが、正直いって、日本で多様な労働環境やフラットな税制や英語環境
などが10年くらいで整備できるとはとても思えない。
いや、仮に小泉政権以上の改革力を備えた政権が誕生して力技でやったとしても、香港や
シンガポールと違って国土の細長い日本の場合、インフラ整備にそこそこのコストがかかって
しまい、租税競争では絶対に太刀打ちできない。
しかも、過去の世代が垂れ流した膨大な借金も返済しないといけないから、その意味でも
手足は縛られてしまっている。
なので、まあそっちはそっちで頑張りつつ、ビザ緩和やFTAなどで金を使っていただく環境
を整備するというわけだ。
考えてみれば、日本には他にも他国にはない魅力がいくつもある。
独裁もいないし38度線もない。共産党はあるけどちっこくて無害だ。土地買って後から政府
に取り上げられたりすることもない。
ミシュランに絶賛されるくらい飯は美味いし、空気も水も綺麗だ。
成長戦略というとどうしても輸出産業を想像してしまいがちだが、家電や自動車だけでなく
そういったサービスの付加価値を見直すべき時期に来ているのではないか。
最近は銀座に行くと、目を輝かせた中国人でにぎわっている。そこだけ高度成長期の匂いが
するのは、気のせいか。
彼は元々は東京勤務で、経済系メディアに何度か露出したこともあるやり手だが、リーマン
危機後に海を渡った。海外まで出稼ぎに行かなきゃならないのも大変だな、と勝手に同情
していたのだが、話を聞くと全然逆で、今が一番充実しているそうだ。
「そりゃそうだよ、所得税が17%のフラット税制なんだから」
社会保障の差も大きい。香港には世界中からエリートが集まるが、彼らは若く自由な香港で
働くことにより「老人による若者の搾取」という先進国共通の現象を回避している。
そして、第一線を引くと同時に帰国して、母国の社会保障の受け手に回るわけである。
ちなみに、世界中からやってきてガンガン稼いでくれて、将来の社会保障の世話を焼かず
ともよい彼らは、香港にとっても上客らしい。
これが日本の30代サラリーマンだと、30%程度の所得税を負担しつつ、約15%の年金保険料
も払うために汗水垂らして働いているわけだ。しかも30年後に受け取る社会保障給付は、
今の高齢者より年金だけでも4000万円以上も少ないことがほぼ確定している。
(その少ない給付にしても、その時の現役世代に「ほぼ1人で1人の高齢者を支えること」に
同意していただかないといけないのだが…)
こりゃ法人税少々下げたところで焼け石に水だろう。
彼自身、現役の間は帰国する気はないそうだ。そりゃそうだろう。将来破綻確実なネズミ講
だとわかっていて最後に飛び込むバカはいない。悪いのは膨大な世代間格差や破綻確実な
社会保障を放置している国の方だ。
しかも、フラット税制という世界的潮流に逆行して民主党は累進課税の強化なんて言い出し
ている。働く場としての日本の競争力は、今後も期待できそうにない。
というわけで日本国の先行きはとてもよろしくないのだが、外から見て気付いた日本の魅力
もあるという。
「日本というのは。それ自体がブランドなんだよね」
同じサバでも築地からい入れたサバには倍の値がつく。
同じものは自国で売っているのに、わざわざ銀座に行ってショッピングする。
中国製の商品を銀座で中国人観光客に買わせているユニクロなんて、大したものだと思う。
彼らはみな、日本というブランドに対してお金を払ってくれているわけだ。
そう考えると、日本を働く場として充実させることよりも、金を使って
もらう場として 充実させた方が効果的なのではないか。
もちろん前者も必要だが、正直いって、日本で多様な労働環境やフラットな税制や英語環境
などが10年くらいで整備できるとはとても思えない。
いや、仮に小泉政権以上の改革力を備えた政権が誕生して力技でやったとしても、香港や
シンガポールと違って国土の細長い日本の場合、インフラ整備にそこそこのコストがかかって
しまい、租税競争では絶対に太刀打ちできない。
しかも、過去の世代が垂れ流した膨大な借金も返済しないといけないから、その意味でも
手足は縛られてしまっている。
なので、まあそっちはそっちで頑張りつつ、ビザ緩和やFTAなどで金を使っていただく環境
を整備するというわけだ。
考えてみれば、日本には他にも他国にはない魅力がいくつもある。
独裁もいないし38度線もない。共産党はあるけどちっこくて無害だ。土地買って後から政府
に取り上げられたりすることもない。
ミシュランに絶賛されるくらい飯は美味いし、空気も水も綺麗だ。
成長戦略というとどうしても輸出産業を想像してしまいがちだが、家電や自動車だけでなく
そういったサービスの付加価値を見直すべき時期に来ているのではないか。
最近は銀座に行くと、目を輝かせた中国人でにぎわっている。そこだけ高度成長期の匂いが
するのは、気のせいか。
そこで日本のコンビニの話題が出た。
ドイツ人「24時間いつでもひらいているコンビニは便利ですね。ドイツでもあればいいのに。」
私「でも一体だれがそこで働くの?コンビニは24時間拘束されて、日本でも最も過酷な労働で知られる産業の一つだよ。」
みたいな会話を辿々しい英語でやりました。
流暢にしゃべれたなら「値引き販売禁止されていて、売れ残りを廃棄しなければいけないのに、廃棄した弁当やパンも売上経常されて親会社に上納金を払わなければ行けない。首をつって自殺するコンビニ店長の話も、そんなに珍しくないんだよ」みたいな話もしてみたかったです。
そもそも「サービス残業」「過労死」「自殺」とか日本の労働環境では常識となった概念を、いったいどうやって彼らに説明すればいいのか分かりません。
米国市民は海外在住で何年母国に帰っていなくても、市民権を持っている限り米国の所得税を払う必要があります。多くの海外拠点に人を送っていることも影響していますが、何よりも何万人もの兵隊を他国に駐留させていることが第一の要因でしょう。
日本の財政が厳しくなれば、このような制度を導入する可能性もあるのではないかと、個人的には心配です。何せ米国に前例があるので、「彼らもやってる!」と言って押し通しそうです。
法人税も所得税も消費税も全部15%で十分です。
私有財産を否定する相続税や贈与税は当然廃止。
所得控除を一切廃止すれば税収は今より増えると思います。
そして社会保障を超党派で大幅カットするしかありません。
これは抜け駆けせずに超党派でやるべきです。
本当かどうかは確証はありませんが、大前研一さんによれば、日本の社会保障はスウェーデン以上だそうです。
スウェーデンは所得がどんなに少なくても30%以上の所得税がある国です。
そんな高負担の国以上の社会保障をやっていたら破綻に追い込まれるのは必然です。
たったこれだけでも日本は破綻せずに復活できると考えています。
もちろん高齢者には犠牲になってもらうしかありません。
枯れ木に水をあげても花は咲かないのですから老人に贅沢させるための社会保障は必要ありません。
蓄えのない人はギリギリの生活で我慢してもらうしかありません。
政府は蓄えを怠った人にまで贅沢させてあげる組織ではないのですから。
実際に日本へ来てお金を使ってもらうのが一番良いのかもしれませんが、日本のモノがもっと簡単に世界からオンラインで買えるようになると良いなと思います。
大分減りましたが海外へ発送してくれない店、海外のクレジットカードを受け付けない店はまだまだ障壁になっているし、日本語のページしかないことも多く、勿体ないと常々思っています。
とくに独特のデザイン製や機能性を持った生活雑貨。
(手頃な価格でオシャレな加湿器なんてヨーロッパにはない)
海外転送サービスも最近増えたものの、ショップとの連携や手続きの簡素化で、まだまだ便利にできると思うのです。
短期的には輸出に力をいれるという話になってしまいますが、海外市場を意識することは日本製品やサービスの世界標準率上昇に繋がるのではないでしょうか。
法人税にしても所得税にしても租税競争をすれば最終的には0パーセントまで持っていくしかないわけで日本で法人税・所得税を廃止して消費税だけにするというのは今の状況を考えれば現実的にまず無理でしょう。
なので結論から言うと日本が金融で食っていくのは無理です。金融の場合、人手はいらずパソコンさえあれば事業はできますから、香港やシンガポールのような税金の安い都市国家のほうが有利なのは明らか。
かといって製造業も人件費の安い中国・東南アジアへのがれ気味。働く場としては日本はかなり厳しいのかもしれないですね。
そう考えると、日本は観光の分野でも後塵を拝しそうな気がしてきました。なんか今の内向き(というか後ろ向き)の空気に嫌気がさしてきます。