労働市場改革の経済学八代 尚宏東洋経済新報社このアイテムの詳細を見る |
経済学的な観点から、日本型雇用の弊害について説く。
最近はかなり一般メディアでも取り上げられるようになったが、本書では特に
“家族”というアングルが新鮮だ。
たとえば、終身雇用を維持するには、全国転勤を通じた柔軟な組織内再配置が必要だ。
となると、女性には家庭に入ってもらって夫を支えてもらう必要がある。
労組も雇用保証とバーターだとわかっているから、転勤はもちろん、女性の肩たたき
にも寛容だ。
こうして、男は過労死するまで企業戦士として働き、女性は学卒
だろうが修士だろうが家庭に入るという家族像が生まれたわけだ。
ここにメスを入れずに罰則強化するだけでは、過労死も男女差別も永遠に無くならない。
だが、大黒柱である男性正社員の昇給モデルが破綻したことで、この家族モデルは
機能不全を起こし、世帯あたりの出生率低下を引き起こした。
本来なら北欧やフランスのように共働きで対応すべきなのだが、子育ての一段落後の
再就職では非正規雇用が中心となり、収入・キャリアの両面で著しいロスが生じる。
大卒女性が子供を二人出産した場合の機会費用は2億3千万にのぼり、こうなると
子供手当て程度では焼け石に水だ。
抜本的な少子化対策には、著者の言うように、雇用の流動化を進め、多様な働き方を
実現していくしかない。年齢や性別に関わらず再チャレンジできるシステムへの
切り替えだ。
もちろん、安易な規制強化も厳しく戒める。
当の派遣労働者たちが望んでもいないのに、「かわいそうだから」と言って外野が
派遣規制を求めるのは「高熱の子供を水風呂に放り込む」ようなものだと切り捨てる。
だが、個人的に強く印象に残ったのは、労働組合についての鋭い言及だ。
大手の労働組合は、年功序列賃金により賃金の一部を会社に出資しているようなもので
(しかも転職市場が無いから)株券と違って自由に売買も出来ず、株主以上に会社に
密接な運命共同体である。これはそもそも本来の労組とは根本的に異なるものであり、
欧米での労・使対立とは、日本でいうなら労・労対立だとする。
本書を読み終えてふと感じたのだが、現在の日本型雇用システムで得をしている人間が
果たしてどれくらいいるのかということ。大手の45歳以上男性正社員がそうなのだ
ろうが、彼らは雇用労働者の1割程度にすぎない。また彼らにしても、気づかず
失っているものは数多い。
それを気づかせることが変革の第一歩なのだろうが、それにはもう少し痛みが
必要なのかもしれない。
>長妻大臣
年金に関してはスペシャリストなんでしょうが、医療や雇用については素人ですからね。今の待遇じゃ介護に人が集まるはずがありません。給与安い、泊まりなどの長時間労働、きたないと三拍子そろっており、さらに国は医療費削減で搾り取ろうとしているわけですから。若い人からすれば将来性皆無です。
長妻大臣はもう少し頭のいい人だと思っていましたがダメですね。製造業の派遣は原則禁止らしいです。最悪のタイミングで最悪の決断をしてしまいました。若年層中心に急激に失業率あがっていくだろうなあ。
http://www.asahi.com/politics/update/1205/TKY200912040531.html
そろそろのっぴきならない情勢になってきましたね。
>実際、嫌だって言うとどうなるんでしたっけ?
空気よめと言われ、村八分。
辞めようにも、労働市場が硬直化しているため、
辞められない。だから、サービス残業でも何でも受け入れないといけない。
あな、おそろしや
1年契約しましたから平均1500円ほどです。正社員は月2-3000円ほどです。
(そのほかデータ装備費的違法天引きが月200ほど)
ある日気づいてこれは何だと上司に聞いたら、みんな自動的に入るものなんだ、抜けるなんてことはできない。とだけ言っていました。
なんとなく嫌だな、大体労組なんてなにやっているかわからないし・・・と思っていました。
その上司は組合の幹部で、よく組の会合がと称して月に一度は飲みに言っていました。
勿論組合費でです。あるときは伊豆の旅館で飲みがあると、遊びに行くかのように楽しみにしていました。
遊んでいるようにしか思えませんでした。
ある時会社がつぶれるという時になって、労働組合から頻繁に一斉送信でメールが来るようになり、社長に話し合いを申し込んだの、賃上げを要求したの、退職金を上乗せするよう要求したの、結局何一つ通らず無念というメールが来ていました。
期待はしていないし、ただ出来レースのように感じました。
かの上司は会社が傾いた途端、取引先に相談を持ちかけ、マンション、引越しすべて会社もちで楽な仕事を見つけた、と禁止されてる同業者へ転職していきました。
私は、その上司に休日出勤を命じられていた時のことが許せなくなり、組合員の一番下の相談員に相談して、残業代を請求し、結果支払われました。
多くの正社員は組合費は払って当然だし、私以上にサービス残業をしていたにもかかわらずそんなの請求するなんて時間の無駄、と二重に損失を受けているだけに思えます。
確かに時間はかかって手間もかかったけど、かつての上司のような寄生虫的組合員と会社の食い物にされていた損失を取り戻せて、本当に良かったと思います。
調べていくうち法務にも詳しくなりましたし、良い会社と違う会社を見分ける目も養えました。
ただ、次の転職先は法務に関しては無法地帯の会社でした。わかっていても他に見つからなかったのです。
職安の人間にも相談しましたが、このご時勢だと細かいこと言ってたら始まらないと違法を取り締まるつもりのかけらもない言葉でした。
結局残業代も出ず、土日出勤ばかり、おまけに業務まで入社当初の約束と違う現場仕事ばかりで、一体いつになったら希望の仕事をさせてくれるのかとただ一度だけ意見を表明した私は、正社員で入社したにも関わらず経営不振を理由にバイトよりも真っ先にリストラされ、有給を消化使用としたらそんなものはないと突っぱねられ、現在無職です。
当然残業代は請求しと雇用手当ては会社都合で支給されていますが、次こそちゃんと働きたいです。
ただ会社に貢献しつつ、全うに働きたいです。
を見てみてください。外国人にも関心を持たれる過労死。
ID2Japanと言う人が「何でサービス残業を嫌だって言わないんだ?」と当たり前の質問をしていますが・・。
実際、嫌だって言うとどうなるんでしたっけ?
船員B:「ん? 何?」
船員A:「鳩山首相、ママの小遣いで辞任だってさ」
船員B:「鳩山? 総理は、福田だろ!?」
船員A:「お前、新聞読めよ! 今は、鳩山だよ!」
船員B:「小遣いで、辞めるんだ?」
船員A:「年1.8億 5年で9億の小遣いだってよ。」
船員B:「一日50万じゃねえか!?」
船員A:「蟹漁の出稼ぎが、バカらしいねぇ…」
船員B:「蟹漁で、年間3万人 死ぬんだぜ!」
船員A:「蟹工船も終わりだし、日本丸も終わりだ」
船員B:「日本丸の舵取りって、だれ?」
船員A:「鳩山船長、菅航海士、小沢機関長。」
船員B:「蟹漁師じゃなくて、蟹になりたい…。」
船員A:「俺は最期に たらふくタラバ食べたい…」
私が富○通を退社して20年が経過しましたが、同期は3分の1ぐらいしか残っていないでしょうね。みんな元気かな?
でも、これって今よりは平等で健全な社会の在り方でしょう。正社員同士でも出来る人が多く稼げる方が、会社にとっても人材の流出を防げるし、イノベーションが起こりやすいなどメリットも多いと思います。
既得権を守る事よりも、流動化して多様な働き方を提供できる方が、かえって若い人も人生の計画が立てやすかったり、希望を持てたりすると思います。
少子化の根本にあるのは”不安”だと思いますから。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920010&sid=ae2GejOKMx98
大手企業に20年も勤めていると身も心も染まってしまって遮眼革を付けた競走馬みたいに視野が狭くなってしまうから自ら命を絶ってしまう気持ちも判らんでもないけど、再チャレンジは可能であると断言できる。
でもまあ思い切り年収下がるけどね。(苦笑)
何人かの方がご指摘の通り、構造改革路線のもとでは、政府の諮問委員会の委員などをやっていたので、マスコミからの受けは悪かったのですが、今回の著作は一本筋が通っています。
八代先生の過去の著作で、印象に残っているのは「人事部はもういらない」です。企業で日本型雇用慣行の根幹を担っているのが人事部で、絶大な権力を握っています。そして、彼らはお手盛りで自分たちの評価をして、社内で出世していく。
八代先生は確かに企業での勤務の経験はないようですが、案外に日本企業の権力構造などご存じだと思います。
日本の大手正社員なんて終身雇用に将来の出世&脱組合+経営サイド入りが約束されているわけで、そんなの欧米からすれば労働者でもなんでもないだろうという話。インサイダー・アウトサイダー理論はまた別の話だ。
>八代先生は以前、労働ビッグバンについて発言された時に「御用学者」だ何だと、酷いバッシングを受けましたよね。
いつも不思議に思うのだけど、なんの御用学者なんだろう?経団連って連合同様、終身雇用維持を公言しているんだけど。
厚労省やマスコミの御用学者はいっぱいいるけどね。
ただ城さんのブログの内容見る限り、この本は割とまともな内容なようなので読んでみようかな・・・
あれはマスコミの恣意的な報道が原因だと思いますが、最近は多少なりとも風向きが変わってきたようで何よりです。
http://newsing.jp/entry?url=www.mainichi-msn.co.jp%2Fkeizai%2Fseisaku%2Fnews%2F20061219k0000m020089000c.html
日本の産業構造を製造業から第3次産業に切り替えるのを利用して別の労働の形態を支援した方がいいんじゃないかと。
ブラック企業の社長を相手に仕事するより、近所の庭の掃除とか窓ふきとかのように直接消費者を相手にして個人対個人で仕事した方が顧客の満足度が上になるようにしたほうがまだましではないかと。
思いつきの意見ですいません。
>年齢や性別に関わらず再チャレンジできるシステムへの
まず、第一は役所がするべきですね。(既存の報酬体系の解体や、公務員試験の年齢制限など)役人には猛烈な痛みが伴うと思いますけど。あと、司法試験の受験回数制限なんかも一種の年齢差別になるのでやめるべきですね。弁護士のセンセイ方々には猛烈な痛みが伴うかもしれませんが。
(ようするに役所が率先して再チャレンジしずらいシステムをやっているわけです。)
世論迎合と役人の既得権維持の目くらましのために、派遣規制だとかで民間を圧迫しようとするのには腹が立ちますね。
ならばハイリスクにはハイリターンで応えるという事で、派遣労働は最低賃金の2倍を下限とする、といったルールはどうでしょう。これも余計な規制ですかね。まあコレくらいは払ってる会社の方が多いと思いますが。同一労働同一賃金は実現までは案外手順が多そうですので、手っ取り早くて分かりやすい対応策はこれかなと思いますが。
いずれにせよ、派遣禁止とか言う前に現行の法律すらろくに守られずに名ばかり管理職とかサービス残業が蔓延している状況をどうにかしろ、現行法でも出来ることは一杯ある、と言いたいですね。
八代尚宏さんの論文を流し読みしましたが、
ピンときませんでした。。
●『労働市場の改革』八代尚宏(http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/08j040.pdf)より以下抜粋
企業内で既得権を持つ労働者(インサイダー)と企業外で新規に雇用機会を求める労働者(アウトサイダー)との間の「労・労対立」
上記がなぜ欧米だと「労使対立」になるのでしょうか?
この手の話、オレもよく会社でするのですが、意外と正社員からの受けは悪いです。彼らはわかっていてオレの意見に反対するのではなく、なんとなく周りの雰囲気で反対するようなのです。
そして象徴的なのは、そういう人達が何年かに一度、オレに労働組合の委員長をやってくれなどと要求してくるのです。もちろん断りますが。
でも一度はやってみてもいいかなと思っています。もしなれたら、一日目にはユニオンショップ規定を利用して歴代の組合役員を組合から追放(=解雇)し、二日目には(企業内)労働組合を解体しようかと思っていて、実際表明しているのですが・・・
誰も乗ってくれません(当たり前か)(^^)
1.シンプルライフを心がけ無駄な消費を可能な限り慎む。
2.優秀層は、国境に関係なく自分を一番高く買ってくれるところで働く。
3.モノを買うときは、ベストな製品・サービスを提供する会社を国境に関係なく選択する。(現在は、特に家電)
とにかく「このままではダメなんだ」ということ、「日本も世界と競争しているんだ」という当たり前のことをできる限り多くの人がわかってこれば、社会システムは少しづつ変化する。
今の若者が若いうちに日本が行き詰れば、結果的に若者にはより大きなチャンスが残る。遅ければ遅いほど損。
参考
http://oasis.halfmoon.jp/about/sirent.html