城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

今江戸時代が面白い? 19.2.6

2019-02-06 19:30:32 | 面白い本はないか
 大学は経済学部だった。そこは、大きく近代経済学とマルクス経済学に分かれていた。近代経済学はケインズの経済学であったと言って良い。私はこちらの方を選んだが、既に数学を使うことが多くなっていた。4年の時に落第させることで有名な経済原論があり、私の仲の良かったI君がこれに落ちてしまった。このため留年を余儀なくされ、内定していた超有名企業に入社することができなかった。さて、一方のマルクス経済学である。こちらには数学こそないものの、「資本論」という私にとって超難関の課題本があった。2,3度読もうとチャレンジするものの、投げ出してしまった。

 最近、そのマルクスについて書かれた本が多く出ている。そのうちの簡単な本を読んでみたが、こちらは投げ出すことはなかった。現在私たちを取り巻く状況がマルクスが生きた19世紀の状況に似てきているのだろうか。確かに経済にしても、社会、安全保障にしても、先の見通せない状況が続いている。絶対的貧困(食うにも困る状態)はないが、相対的貧困(平均年収の半分以下の世帯の占める割合)は先進国中最悪となっている。しかし、マルクスを読んだところで、今後のことがわかるとも思えない。

 なぜ、マルクスの話をしたかというと、私たちが昔学んだ歴史がマルクスの考え(唯物史観等)に随分影響されているからである。江戸時代に頻発した「百姓一揆」はどんなイメージだろうか。水呑百姓等悪政に苦しむ百姓がむしろ旗を押し立てて、領主と対峙するといったイメージではないか。白土三平のカムイ伝などは下層民衆が革命を起こす様を書いている。ところが、実態は若尾政希著「百姓一揆」に寄れば大部分は領主により良い政治を求める(著者は「仁政」と言っている)闘争であったとしている。私は、儒学・朱子学が武士階級を中心に受容されていたと思っていたが、これを同書で否定している。

 渡辺京二著「逝きし世の面影」は、幕末日本を訪れた外国人がどのように日本を見たのかをとりあげている。今、自信をなくした日本人がテレビで好んでみる「日本は一番」という番組とはもちろん違うが、このような先祖を持ったことについて少し自慢できる。明治の藩閥政治により不当に貶められた江戸時代、実際の姿を少しでも知りたい。

 とりとめもなく書いてしまった。間違い、誤解も多いことだろう。年寄りの戯言ということでご寛恕を!

 
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