私は入社して間もないころから、北陸電力殿富山火力発電所の設計を担当するようになりました。設計担当者は、お客様との技術打合せ、説明の他に、運転、取り扱い方法の説明や現地の建設状況の確認に出張することも多くなりました。
当時は草島温泉と呼ばれていた隣の旅館に宿泊し、草島の富山火力発電所に行き帰していました。その旅館で出されるお味噌汁とご飯がとても美味しかったのを覚えています。
草島の富山火力発電所のお客様にとても熱心なエンジニアの方がいらっしゃいました。お客様の事務所内だけでの技術説明だけではなく、発電所のボイラープラントの何階かのグレーチング床に座り込み、近くの海を見ながら、2時間ほどの説明を求められることもありました。
私が帰社すると、そのとても熱心なエンジニアの方は、毎朝8時45分頃に電話を入れてくださり、装置の説明を求めて来らました。装置の目的、据え付け方法、構造、動力配線や制御配線はどうなっているのか、自動運転のシーケンスの説明、保守点検要領、シーケンスの回路の読み方、等々多岐にわたりました。私は、どのような説明内容にすれば、お客様に満足して頂き、喜んで戴けるのかをいつも考えながら、最善を尽くしました。
当時のシーケンスの電気回路は、今の電子回路ではなく、リレー回路で、そのそれぞれのリレー回路の読み方、動作、それと同時に装置がどのように動き、動作のフードバックがどのような仕組みで行われ、中央操作室から自動運転ができるかの説明を行いました。お客様の熱心なエンジニアの方は、毎朝定期便の電話で、徹底的に学ばれたのを思い起こします。
今は、草島の富山火力発電所は設計寿命が40年のため、廃止されていると思いますが、当時のお客様の熱心なエンジニアの方のことを思い起こします。今もお元気でお過ごしであれば嬉しく存じます。
聖書には「りっぱな業に熱心な民」のことが記されていますが、自分の業、業務に熱心に取り組むなら、祝福を受けることを学びました(テトス2:14)。
WWW.JW.ORG
地味なるも 柿の花咲く 善良さ 今日の一句
卓上のバラ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます