去年、10月末(だったけ?)、渋谷で行われた教授+alva notoのコンサートに行く直前に購入していた、この本。
買ってすぐ読み始めたのだが、いつものように読むのが遅いのと、途中、別の変な本を読むこととなり、中断していた。
全体を通して感じたのは、今までの藤原さんの著作の中で出てきていたインドでの話に、さらに深い理解を得ることができた。そして、何か自分にとって重いものを与えられたような気がした。
最重要部である、オウム真理教・麻原彰晃の兄に関する記述に関しては、「やはり、そういうことだったのか。」と印象深かった。
この本は、10年ほど前に「週刊プレイボーイ」に連載されていた「世紀末航海録」の単行本化されたものであるが、連載当初、一度、休載したことがあり、当時は、いきなりの休載に「FOCUS」の件を思い出し、僕も心配したが、藤原さんが「大したことではない」と仰っているのを読んで安心していた。
麻原彰晃の兄に関する記述については、その休載前の流れを汲んでいるものであるが、そのお兄さんについての記述がネックとなり、休載せざる得ない事実があとがきで明かされている。そこもやはり紆余曲折があったようだ。
この本は、例えば、何につけてもすぐ集団に属したがる若い人に読んでもらって、自分自身を自立させるきっかけを作ってもらえれば、と思った。
オウム真理教の件を手始めに、藤原さんのインドでの体験を中心として、「短絡的な信仰のメンタリティと自己喪失の危険性(あとがきより引用)」を訴えている。さらには、昨今、宗教じゃなくても似たようなことに陥る可能性がある集団があったりする。
僕自身も弱い人間なので、すぐ何かに頼ってしまうが、(変に高い)自分への理想像さえも捨ててしまって、今ある自分の有様そのものを受け取って生きてゆくことの重要性をさらに知らされた気がした。それは、時にはカッコ悪いこともあるかもしれないが、それこそを認識していかなければ、人間が成長しない。非常に耳の痛いことが何度もあった。
これから、遅いかもしれないが、精進したい。
最新刊。
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さて、
これで、やっとこさ、1000記事目となりました。
たぶん、3年半ほどで、この数ではペースとしては遅いんでしょうが、僕としてはこんなもんではないか、と思います。
普段より、ROMって下さっている皆様、コメントもくれる皆様、その他、いろいろな形で支えて下さっている皆様、本当にありがとうございます。
これも、レイによって通過点の一つで、これからも更新は続けます。ただ、一つの目標であった1000記事を超え、ペースは変わるかもしれませんが、今後ともよろしくお願い致します。
TB。--------
「junzirog:藤原新也さんの新刊。」
話はあまり関係ないですが、今私は中上健次を読んでいます。
ハードが自分の頭で、ソフトが本なので、自分の頭の出来次第で、再生できる本が決まる「読書」は、他のメディアとは違っているなと、常日頃感じている次第です。
ともあれ、読書の秋、いろいろな本を読みたいですね。
ありがとうございます。
今後ともよろしくです。
>「読書」
なるほど、そうですね。
あまり本を読まないほうの僕としては………。(^^;)
精進します。