備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム83.石根依立神社・イモリ岩・外国山

2008-11-15 21:26:36 | Weblog
「石根依立神社」という名前からして、その基となった「石」があるのだろうと思う。その最有力候補は「イモリ岩」で、「石根依立神社」(写真上)の背後の山の山上にある。「イモリ岩」はその名前(=飯盛岩)・形状(巨岩で、上が平らになっている。)からして、いかにも磐座のようだ(写真中)。ただ、「イモリ岩」は山の東端にあり、神社は南麓にあることから、関連は疑わしいとする意見もある(「石根依立神社」の項(2008年6月1日記事))。
しかし、現地に行ってみると、「イモリ岩」の真下(東側)は急な崖で、今は平地もあって工場などもあるが、かつては近くまで吉井川が流れていたのではないか。そうしたことを考えると、古くは「磐座」そのものが祭祀対象であったが、時代が下って社殿が「神社」であるということになると、相応の敷地があり、安全で、型どおり南面する地に社殿を建てたのではなかろうか。
なお、「石根依立神社」の前を通る県道96号線(岡山赤穂線)が旧山陽道と考えられており、吉井川を渡った先(東)に「藤野」駅家があったらしい。しかし、和気町原のところで、吉井川は大きく流れの方向を変える。このようなところに渡河場所があったとは思えないとして、もう少し上流で渡河していたのではないか、という説もある。そうすると、あるいは「外国山」の東を旧山陽道が通っていた可能性もある。「岩生山元恩寺」の項(2008年8月20日記事)で書いたように、同寺はもとはもう少し西(あるいは北西)にあったとされており、旧山陽道の移転とともに神社・寺とも移転してきたのかもしれない。


写真上:石根依立神社遠景(正面に鳥居が見える。)


写真中:イモリ岩


写真下:外国山

最新の画像もっと見る

コメントを投稿