備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム131.熊野神社(倉敷市林)

2009-02-23 21:23:42 | Weblog
熊野神社(くまのじんじゃ)。通称:日本第一熊野十二社権現宮(にほんだいいちくまのじゅうにしゃごんげんぐう)。
場所:倉敷市林684。五流尊瀧院に行く道の途中にある。駐車場あり。
今では五流尊瀧院と熊野神社は分かれているが、かつては一体不可分のものだった。歴史と権威がありながら、熊野神社は延喜式神名帳や備前国内神名帳には記載されていないが、これは多分、実質的に寺院の一部であったことによるものだろう。一方、五流修験との関連が考えられる古社として、例えば、「木華佐久耶比神社」(2008年6月26日記事ほか)は、「福南山明現宮」と呼ばれて妙見信仰があったと思われ、五流修験の修行場だったともされる。「天石門別保布羅神社」(2008年6月27日記事)にも妙見信仰があった。もともと修験道には道教や陰陽道の影響があり、妙見・星辰信仰があった。また、紀伊国熊野本宮大社の神使である八咫烏は太陽に住むとされ、熊野本宮大社の由緒でも太陽や月との関係が示されている。また、「早瀧比神社」(2008年6月26日記事)は、那智滝(熊野那智大社の飛瀧神社の神体)を意識して、熊野から勧請したものとの説もある(ただし、岡山県神社庁のHPでは「根拠がない」としている。)。現在も「瑜伽大権現」(蓮台寺・由加神社)への道路(県道62号線の旧道)があり、関連ありそうにも思われる。
「熊野神社」の北、倉敷市曽原に八幡神社(清田八幡宮)があり、あるいはこれが国内神名帳にいう児島郡の「八幡神社(八幡明神)」かもしれない古社である。八幡神も早くから神仏習合した神であり、何らかの関連があるかもしれない。


岡山県神社庁のHP(熊野神社(倉敷市林)):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=06015

同(福岡神社(倉敷市林)):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=06011


写真上:熊野神社(倉敷市林)の鳥居


写真中:熊野神社(同上)社殿。一部は国重文。


写真下:福岡神社(同上)。熊野神社の裏山(北)の頂上にある。ここに老翁が立って、熊野神社の鎮座地を示したという。

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