備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム189.旧県社(その2・玉井宮東照宮)

2009-06-26 23:03:54 | Weblog
玉井宮東照宮(たまいぐう とうしょうぐう)。
場所:岡山市中区東山1-3-81。岡山電気軌道(路面電車)「東山」電停のすぐ東に「東山公園」入口があり、その山上に鎮座。駐車場あり(入口は「東山」電停から県道28号線を約400m東に進んだところ)。
社伝によれば、元は児島の米崎(岡山市南区小串。児島の東端で、地名というよりも岬の名前のようだ。)に鎮座していたが、応徳2年(1085年)に現在地に移転遷座した。元宮地から「御幣が舞い上がり、降り立った地に遷座せよ」との神託があったという伝説がある(このため、鎮座地の山を「幣立山」という。)。以来、「玉井宮」または「玉の宮」と称したが、正保2年(1645年)に岡山藩主池田光政公が「東照宮」を勧請するにあたり、「玉井宮」を現在の駐車場の場所に移した。したがって、このときは2つの神社があったのだが、明治14年(1881年)に「玉井宮」と「東照宮」が合祀され、社名を「玉井宮東照宮」としたため、ダブルネームになった訳である。県社に列せられたのは、以上のような経緯で岡山藩の庇護が篤く、近世以降の隆盛があったからだろうと思われる。
面白いのは、「玉井宮」の祭神が豊玉比売命・玉依比売命で(元宮地が児島の岬にあったのなら、海に縁がある神なのは当然だろうが。)、境内末社に白龍神社があり、その説明板に小豆島の「玉比神社」との関連が示唆されていることである。それは「米崎の元地より台風の時流れついたといわれる小豆島福田に鎮座の玉姫神社・・・」というもので(その後の文脈がうまく掴めないところがあるのだが)、これを普通に読めば、「玉井宮」の元宮は、小豆島の古社「玉比神社」の元宮でもあるということになると思うのだが・・・。


岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=01055


写真上:「玉井宮東照宮」正面


写真下:坂中荒神社。「玉井宮」が遷座してくる前に、この地に鎮座していた神社であるという。

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