備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム16.磐座主義者

2008-07-11 22:19:31 | Weblog
「磐座」とは、依代である岩石のことであり、祭祀された岩石と言っても良いと思う。依代には巨石、滝、洞窟、巨木など、人智を超えた不思議なものに神秘を感じ、そこに神が降りてくると考えられたのだろう。なかでも、不朽で、揺るがない巨石が代表的なものとなっているようだ。
ネットや書籍でみると、磐座コレクターというか、磐座ハンターというか、磐座の愛好者がことのほか多いようだ。内容をみると、単なる「巨石フェチ」のような人もいるようだが、ある意味「無色」で、素朴に楽しむことができる。
もちろん、一方で、「祭祀された」という部分を重視する人もいる。社殿を建てるようになったのは仏教の影響であり、本来は磐座そのものが神社であった、という考え方もある。そのこと自体は、かなり納得できる話だと思う。ただ、そこから進んで、岩以外の依代を軽視したり、磐座の無い神社を軽視したりするような傾向を感じることがある。小生は密かに、こういう人を「磐座主義者」と称している。自分自身にもそのような傾向があるので、気をつけたい。
なお、磐座が特徴的な神社もあるが、国内神名帳所載の神社には雨乞いや水源の神様が多いような気がする。国司が五穀豊穣を祈るためだから、当然かもしれない。このことは以前にも一度書いたと思うが、機会があれば、また書きたい。

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