備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム110.古代山陽道を探す(その14・地蔵岩)

2008-12-22 20:24:07 | Weblog
「牟佐の渡し」で旭川を渡らずに、岡山市中区国府市場付近にあったとされる備前国府に行くためには、岡山市北区牟佐から南下し、東区矢津で峠を越え、中区土田に出る。このルートの現在道は、県道81号線(東岡山御津線)の一部となっている。頭高山(今は長岡にある「天鴨神社」の旧社地ともされる。)の手前を西に曲がり、「大神神社」前を経て、備前国府に向かうことになる。東には「居都廃寺」、「往来神社」があり、直進するとJR山陽線「東岡山」駅である。
さて、県道81号線を、県道27号線(岡山吉井線)との交差点から約1.3km南下すると、県道から少し西に入ったところに「地蔵岩」という巨岩がある。高さは約20mで、地蔵川に接して絶壁のようになっている(写真上)。岩自体の形が地蔵菩薩像に似ているため、その名があり、岩の上の小堂の中に石の地蔵が安置されている。また、「南無八大龍王」の石碑もあり、雨乞いの祭祀も行われたのだろう。地蔵岩の北側(岡山市北区玉柏の大原地区)は旭川の中洲のような土地で、かつては地蔵川の水量も多かったという。往古には地蔵岩が旭川に面していたことも考えられ、古代道路や水運の目印だっただろうし、あるいは磐座であった可能性もある。


写真上:地蔵岩全景


写真中:地蔵岩頂上


写真下:地蔵岩頂上から北側を眺める。ちょうど本宮高倉山がある。    

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