独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

それは、商売です!

2007-07-02 | きもの

このブログの中で、一番コメントが多いのが2005年11月に日本和装について書いた「それは嘘かもしれない①」で、なんと1年半以上経過している6月27日にもコメントいただき、そのコメント数、27通。関心の高い話題なんですね。書いた本人は余り関係なく、そこにコメントする人同士で新たな場が広がっている。で、私としてはコメントを読んで、日本和装も問題ありですが、非難覚悟で言えば受講する人にも大いに問題がある、と思っています。「無料、ただ」の魔力は大きいのですが、もういい加減にしたら…との思いがあり、余りネガティブなことをこのブログでは書きたくないと思っていたのですが、書いてみました。

 

1つは、日本和装の問題。日本和装が「無料着付け教室」を開催しているのは、社会還元でも、慈善事業でもなく、これはまったくの「商売」です。「無料着付け教室」は、いわば集客のための販売促進手段。きものや帯を買いそうな見込み客を集めるための手段です。「今買えば、なんと○○○がプレゼント」とか言うのと同じ、「商売」のための方便です。日本和装はこれを、日本を代表する有力メーカーや問屋が日本和装の主旨に賛同して、協力費を出していただいているので「無料着付け教室」がl開催できるのです、といっているが、まあ、全くの嘘ではないでしょうが、本当は「ビジネスが成り立つ可能性がある」から、厳しい呉服業界の中にあってそれ相応の、売上予測に見合うお金を出すのであって、けっして善意でお金を出す、そこまでの余裕はハッキリ言って、どこもないと思う。

普通に考えれば無料着付け教室で利益が上がるはずもなく、上場して、高収益を出している会社が、何で成り立っているかは、わかるはず。生徒への販売手数料?で成り立っているのは一目瞭然なのですから。これはあくまでも「商売」の関係です。有力メーカーや問屋も広告宣伝費、或は販売促進費として払い、売れるから手数料を払うのであって、まったくのビジネス、商売。しかし日本和装は、「商売」であることを、さも善意の人達が「きものの普及を目的に」と装い、カモフラージュして「商売」をやっている。本音をかくして、善意を装っているのは、ズルイ。「商売」といえばいいのに。 

 

もう1つは、参加する方も、ここまで毀誉褒貶というか、「だまされた」「高いものを買わされた」「強制された」など多くのクレームがあるを知りながら、なぜわざわざ習いに行くの?日本和装や協賛会社が「まったくの善意で無料着付け教室を開催している」と素直に思っているとは思えない。「少しは、或は大いに怪しいな!ただより高いものはない」と思いつつ、何故行くのか。そう思わせるような宣伝をしている日本和装にも問題がありますが、怪しさに大いに気付きながらも「私だけはー」という怖いもの見たさみたいな参加者にも問題があると思います。いまどきの賢い消費者は、「なぜ、ただ?」との疑問を持ち、少しは考えてみたり、調べてみたりすると思うのですが、日本和装に行く方は、そんな純真無垢、人を疑うことを知らない人ばかりなのでしょうか。「商売」だから、ビール1本、酒屋で300円が、居酒屋で500円、料理屋で700円、銀座で5000円、怪しげな店で1万円であっても、文句のいいようがない。高いも安いも、買う買わないも、消費者の判断。これだけネットでも情報が氾濫しているのに、もういい加減に目覚めたらどうでしょう。半年に2万人の方が受講しているそうですが、どうして?と思ってしまいます。

江戸しぐさの中に「ロクを養い、ロクを利かす」という言葉があります。ロクは、第六感。自分の直感こそ、もっと大事にしていいのではないでしょうか。世間の評判も、火のないところに煙は立たない、ともいいますから、怪しげなと感じたら、近づかないのが一番ではないのではないしょうか。真っ当な呉服屋、着付け教室たくさんあります。もちろん相応の代価は支払わなければなりませんが、その代価にふさわしい納得は得られるはずです。


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