独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

傘傾げ

2006-11-19 | Weblog

最近では珍しく、雨が昨日から2日間も降り続いている。夕暮れも早いし、どうしても足早になりがちなのですが、昨日から実によく傘をぶつけられる。一度なんか、顔に当たり思わずヒャッとしたが、当てた当人は謝るでもなく、そっちが悪いのよ、って風情で通り過ぎてゆく。傘を当てられた3人が3人とも女性で、しかも20~30代というのが気になる。

江戸時代には「江戸しぐさ」というのがあって、混み合う場所ですれ違うときは、お互いに思いやり、人にぶつからないように、「肩引き」をしたり、雨の日は、傘でお互いが濡れないように、傘を人のいない外側にすっと傾けてすれ違う「傘傾げ」というのが雨の日の心得。共に気持ちよく、心地よく暮らしてゆくための暗黙のルールがあったそうで、それを総称して「江戸しぐさ」といいます。本当に子供でも分かる社会常識、人への思いやりなのですが、最近は「人を慮るやさしさ」にかけ、公共の場でも我ひとりという風情。しぐさは、仕草、思草で、思案、思慮、思想の「思」で、草は、行為、行動、実行の「行い」を意味するんだそうで、その人の心がそのまま形となって表に出ることなのだそうです。「人に傘をぶつけて、あなたが悪い!」という人の心のありようは、どんなものなのでしょうか。よく知識と教養といいますが、江戸しぐさは、それ以上に八っさん、熊さんも、人として身に着けていないといけない当たり前のことで、それを忘れかけている日本人、どこか不安…


ようやく夏か?

2006-07-26 | Weblog
久し振りに青空が見えた東京ですが、暑いのは暑いのですが、どこかサラッとしていて、肌に汗かくような強さがない。何か、秋のような空気感。今年夏は来るのだろうかと、気になります。西瓜を豪快に丸かじりしたいのですが、何か気分がいまひとつ。週末には梅雨が明けそうですが、今年は短い夏になりそうですね。

名店が1軒消え、残念!

2006-06-05 | Weblog
20年以上通ってるうどんすきの名店と思っていたM店。うどんすきはもちろん、五月からの季節メニュー賑わいそばや冷麦など絶品で、夏が来るのを待ち遠しく思い、食した後、ようやく夏が来た、と楽しんだものでした。酒のあてに鯛の兜煮なんていうのもここで覚えた。しかしいつの頃からか、少しづつ質が落ちてきた。まず冷麦の出汁が風味がなくなってきた。価格を維持するためか、賑わい蕎麦の料理内容が入れ替わり、小さくなり、質も落ちてきた。そして先週、ラストオーダーとの事で、きつね蕎麦を頼んだら、これが歴然とすでにゆでてあったものを温めて出したもので、蕎麦がダマになって、フニャフニャにとけ、ボソボソ。まずい。以前は、給仕する女性も気持ちよいくらいテキパキして、張りがあった。この春制服を一新し、以前よりかっこよくなったが、何か普通になってきた。クレームをいうと「上司によく言っておきます」だけ。何なんだろうこの変化は。僕個人としては、少し値が上がっても、一流をキープして欲しい。その影に合理化や効率化なのか、はたまた成果主義なのかは知らないが、お手軽に目先の見せかけに走っているように思う。味に心がない!どんどん支店もでき、新しいジャンルにも進出しているようだが、コアの料理がこのざまでは、押して知るべしだろう。いいお店が消えてしまい、本当に残念。

新聞は、どこで?

2006-02-26 | Weblog
最近珍しく滅茶苦茶に忙しく、今朝もいつも通り出社。朝刊を買おうと思ったら、地下鉄の売店はみな、お休み。最近は売店も土日お休み。まあ電車もガラガラだから、開けても効率が悪いのだろう、とは想像するもののお客の立場としては不便。昨日も今日も、東京新聞はコンビニに置いてないので、とうとう朝刊を買いそびれてしまった。活字中毒なので、帰りの電車は仕方なく雑誌を読んでたら、「行事食」のデータが載っていた。これがなかなかのもの。新聞がなくて1つ発見したから、ま、いいか。七夕に、そうめんは知らなかった。
■毎年お宅で出している行事食。(象印マホービン調査)
①クリスマスケーキ(94%)
②年越し蕎麦(大晦日・88%)
③お雑煮(お正月・87%)
④おせち料理(お正月・78%)
⑤福豆(節分・73%)
⑥チキン・七面鳥(クリスマス・69%)
⑦ひなあられ(ひなまつり・64%)
⑧かしわ餅(端午の節句・57%)
⑨うなぎ(土用の丑の日・55%)
⑩おはぎ(秋のお彼岸・47%)
⑪ちらし寿司(ひなまつり・46%)、⑫お屠蘇(お正月・39%)、⑬ぼたもち(春のお彼岸・38%)、⑭かぼちゃ(冬至・36%)、⑮七草粥(34%)以下、月見団子(十五夜)、恵方巻(節分)、お汁粉(鏡開き)、菱餅(おひなさま)、ちまき(端午の節句)、白酒(おひなさま)、イワシ(節分)小豆粥(小正月)、そうめん(七夕)、菊料理(重陽の節供)

江戸しぐさを知らんのか!

2006-02-23 | Weblog
この2,3日タクシーに乗ることが多いのだが、続けて3回もマナー知らずの大人に会い、不愉快というより、暗澹たる気持ちになってしまった。1回は横断歩道を渡る人に迷惑にならないよう、2~3メートル離れてタクシー待ちをしていると、待っているのをハッキリ知りながら、横断歩道を渡りながら左折車を止めるやつ。と思えば、待っている私を追い越し、先へ先へ行きタクシーを止めるやつ。一体なんなんだ。まったく。互いが気持ちよく暮らしてゆくために先を譲るなど、ちょっとした他人への気遣いがなさ過ぎる。先ほどもそう。
江戸時代、全国の各地から生活習慣や、考え方の違った人が集まる江戸では、争いごとなども多く発生したが、その様な中で生まれたものが「江戸しぐさ」。江戸町民のマナー、つまりお互いが快適に社会生活をおくる上での知恵であり、ルールでもあったものが「江戸しぐさ」。「往来しぐさ」。例えば「傘かしげ」は、人とすれ違うときは傘を反対側に傾ける。「肩引き」は、人とすれ違うとき少し肩を引き、互いがやや半身になること。そのほか「初対面の人に年齢、職業、地位を聞くな」「人と会っているときに足組み、腕組みをするな」「紹介者を飛び越えて親密になるな」「打てば響く心意気を持て」「何をしてもうわの空の人とは付き合うな」などなど。相手を尊重し、思いやる心が「江戸しぐさ」。自分が、自分がと我先に、自分さえよければという風潮が、小さなトゲのように集まり、世の中を殺伐としたものにしているように思います。他人に対する思いやり、もっともっと大事にしなけりゃ。




茨木のり子

2006-02-21 | Weblog
昨日の訃報欄に茨木のり子さん死去とあった。享年79歳。大好きな詩人で、おそらく現代詩人では彼女だけかもしれない、詩集を発売と同時に買い、次作を楽しみにしていたのは。「見えない配達夫」「鎮魂歌」「自分の感性くらい」「コーヒーの匂い」そして「倚りかからず」。エッセー」「1本の茎の上に」。時に励まされ、時にズブズブにのめり込んだ。大好きな詩。「自分の感受性くらい」です。


     ぱさぱさに乾いてゆく心を
     ひとのせいにはするな
     みずから水やりを怠っておいて

     気難かしくなってきたのを
     友人のせいにはするな
     しなやかさを失ったのはどちらなのか

     苛立つのを
     近親のせいにはするな
     なにもかも下手だったのはわたくし

     初心消えかかるのを
     暮しのせいにはするな
     そもそもが ひよわな志にすぎなかった

     駄目なことの一切を
     時代のせいにはするな
     わずかに光る尊厳の放棄

     自分の感受性くらい
     自分で守れ
     ばかものよ



私は、そいう人になりたい!

2006-02-03 | Weblog
銀座でバッタリMさんに。「たまには銀座を見なきゃな」とタウンウオッチングに銀座に来られたとのこと。立ち話の際に「やあ失敗してね。前から奥さんに言われてたんだけど、つい忘れて今日チケット買いに来たが、売り切れ。困ったな」と困惑。もしかしたら演舞場ならコネクションで…と思い、1日お時間くださいと分かれた後、早速劇場関係者に電話したらやはり無理。これは安請け合いしたかな、と思いつつ、もう1人にお願いしておいたら、今日取れたとの嬉しい電話。Sさんは演舞場を定年退職してもう10年以上。現役のとき可愛がって頂き、感謝の意を込めて季節の挨拶を欠かさずマメに続けてきました。わずかなものですが、もういいかとも思ったこともありましたが、続けていてよかった、としみじみ。別にこんな時のためになんて考えたわけではありませんが、Mさんの誠実な人柄が「もし自分でお役立つなら」と動かし、Sさんにも「お役立てたら嬉しいな」という気持ちが伝わったのか、今回は首尾よくチケットが手に入った。それにしても持つべきものは…ですね。でもそれ以上にMさんのように「あなたに言われたら、何としても、どうにかしてあげたい」と人を突き動かす、そんな魅力ある人になりたい、ものです。

野村ノート

2006-02-01 | Weblog
2月1日、プロ野球もキャンプイン。個人的には好きじゃないけど、野村は多分今年の注目の的。陰と陽、プラスとマイナスがなけりゃ成り立ちません。で、話題の野村ノート、マニュアルに使えるかな、なんて思いながら読んでいますが、その一節に「一般の人達が、我々に接してくる時、野球のことならプロの人に聞けば何でも知っていると思っている。飛んでもない。実際には答えられない事が山ほどある。しかしプロフェッショナルなのだから、野球の専門家になるべきであり、野球選手は、野球博士であるべきでる。」と述べていますが、同じように私たちも自分の専門領域で、着物なら着物、広告なら広告のプロフェッショナルとして何でも応えられる存在になる不断の努力、勉強が不可欠だと思います。しかし現実には、どうでしょう。14がタイトルだけつけ、記事を書く破目になって改めて、目指すプロフェッショナルは何か、いま真剣に考えさせられています。

初日!

2006-01-27 | Weblog
木更津の高校の書道の先生だった幕田魁心さんの作品をみに展覧会に。案内状をろくに見ないでいったもので、主宰者とは存じず、赤面。書を通じて日本の文化を若者に伝えてゆこうと童謡をテーマに作品を作られたり、象形文字や古代文字を作品にしたりしているユニークな先生。何とかコラボレーションしたいと考えていますが、まだテーマが見つからずに悩んでいます。機が熟していないのかな。6348さん、14さん同じ千葉なので、何かありましたらご紹介します。パフォーマンスもなかなかなものです。何しろ日本の文化を伝える、ということに情熱を燃やしていらっしゃいますので、一度ホームページをご覧になってください。その後遅い昼食を銀座の竹葉亭で。うなぎで有名なお店ですが、カロリーがどうのこうのと言うウルサイのがいて、うな重はやめて幕の内に。でもうなぎ食べたくて池波正太郎先生ご推薦の白焼きを頼んだが、おいしくない。横浜の若菜や兜橋の方が数段うまい。この日もきものを着ていたのですが、帰りがけに店員さんが履物を揃えてくれたのですが、きちんと並べないで少し離して並べてくれたのは、「お主、できるなっ!」という感じで、味以上に気持ちがよかった。何気ないことなのですがネ。