独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

18歳が成人!

2009-07-29 | きもの
産経新聞によると、民法で「20歳」と定める成人年齢の引き下げを検討していた法制審議会の「民法成年年齢部会」が29日、「成年年齢を18歳に引き下げるのが適当」とする最終報告書をまとめ、世界標準にも並ぶ「18歳成人」への第一歩を踏み出した、と報じられていましたが、民主党政権が誕生しそうないま、紆余曲折はあるとは思うものの、18歳成人になったら、成人式需要でなんとか維持できているきもの産地、きもの産業にに壊滅的な打撃を与えるような、ショッキングな出来事になりそうです。さて、どうする。

夏休み

2009-07-27 | 日々雑感
戦艦ビスマルク(アシェット・コレクションズ・ジャパン)店頭在庫を調べたら、丸の内の丸善にしかなくて久し振りに東京駅に。ここはフロアごとの清算でないので、4階からゆっくり見ながら降りてゆく。そんな中でアレッと思ったのが「戦艦ビスマルク」と書かれた精巧模型。子供の頃は、戦艦よりは飛行機ファンでしたが、随分プラモデルを作りました。不器用なのに好きだったんですね。この本、しかも1冊190円という安さに魅かれ、なぜか子供の頃の夏休みの宿題?感覚が戻ったのか、模型でも作ってみようかと思って買ってきたのですが、家に戻ってよく見たら、これが大勘違い。なんと70巻すべて買い続けての完成で、しかも創刊号だけ190円、次回から1,190円。すべて買うと82,300円。てっきり1号で完結で、戦艦シリーズが次々と出来ると思っていた自分のおっちょこちょいに苦笑い。さて、次号をどうするか?

怖い話

2009-07-24 | きもの
なぜか本日は、メイメイさんが話題になった日。そんなこともあってひつじのメイ言が毎回楽しめるブログ「メイメイの「め~!」な話」を見たら、怖い話が載っていた。もう何年も前からわかってはいたけれど「見たくない、知りたくない」「うち1軒くらいなら」或は「みんな同じ条件だから」と腹を据えたのか、なるようになるさと諦観したのかどうかはわかりませんが、きものの生産現場はすごいことになっている。30年前に人形町に事務所を移したとき、呉服問屋街の堀留は朝晩入出荷でトラックが2重駐車、三重駐車もありで、真っ直ぐ歩くことができない程の混雑振りでしたが、いまや京都の支店は閉鎖され、ビルは壊され、呉服問屋街からマンション街に変貌。かっての賑わいが嘘のような静けさ。そして生産、流通が一極集中化した京都でさえ、というのが本日のメイメイのブログにある。その京都の中でも唯一生産が安定していた振袖も昨年は13.3%と2桁の減産。そして来年の振袖商戦のために京都の各メーカーを回った担当者の話によると、いつもの4~5分の1の商品量しかなく、しかも新柄がない。どうやってもカタログ1冊を作るだけの新柄が揃わないと頭を抱えていた。もう振袖を諦めるか、腹を据えていよいよ自分たちで振袖を作るか、どちらかしかないと断言。しかし、まだ楽な条件を出してくれる奇特な問屋さんもあり、「みんなで作ろう」がみんながバラバラでまとまらない。担当者の話では、生産現場の疲弊ぶりがピークで、半年先がどうなるか、怖い!

[場」がある!

2009-07-20 | きもの

今年度の芥川賞に磯崎憲一郎、直木賞に北村薫の二人が受賞したが、二人のコメントで印象的だったのが、「次の作品の発表の場が確保できたのが嬉しい」と語っていたこと。文芸誌も休刊が続き、小説を書いても、特に新人には発表の場が少なくなってきている現状だから、受賞の言葉も今までとは違ってきていた。話は変わりますが、先日政治家の世襲制が問題になっていましたが、2世、3世は、継ぐべき基盤があるというのは、全くの新人が立候補するのに比べて遥かに有利。親の築きあげた地盤があれば、プラスもマイナスもあるが、全く独自で地盤を作るのと比べると遥かにスタートダッシュが効く。政治家の継承は微妙な問題があるが、先日お会いした備前焼の森一洋さんは、子供の頃から仕事場で遊んでいたので、轆轤の扱い方はじめ、一切習った記憶がなく、自然に覚えたという。父親の備前焼の巨匠・森陶岳さんも著作の中で、やはり同じように生まれた時から実家が工房だったので、いつのまにか自然に覚えてきて、という。[場」があるという意味ですごいなあと思うのは、重要無形文化財に指定されている歌舞伎。数歳で初舞台を踏み、それこそ生活は常に歌舞伎と職住同居で、発表する「舞台」が確保されている。向き不向きもあるのかもしれないし、職業の選択に自由がないことに反発もあるようですが、有形無形の財産を受け継いで行くことは、本人にとっても、親や家にとっても大きい。考えてみたらきものも歌舞伎と同じように、大変な知識と教養が必要な仕事。マクドナルドのように研修を受け、マニュアルを読み、本部から支給された食材を調理すればいいという商売ではない。子供には自由に生きて欲しい、親と同じような苦労をさせたくないと家業を継がせない親の気持ちもわからなくはないが、いまやきものを専門に取り扱うのは、重要無形文化財と同じで、本人の努力だけではできない、看板もお客も仕入先も「受け継がなければできない仕事」になってきたように思います。きものを身近に扱う人がいなくなれば、歌舞伎もお茶も、踊りも、また冠婚葬祭やお祝い事も、先達が伝えてきた文化や日本人そのものの「価値観」が消滅してしまいます。これからは呉服屋の子息には、日本の文化の一端をになっている、すごい仕事なのだ!という自覚を大いに持ってもらいたいものだし、子供をそのように育ててゆく時代になってきたと思う。


備前焼

2009-07-17 | きもの

写真は備前焼の陶芸家・森一洋氏。今回初めて知ったのですが、森氏は年に1回か、2回しか窯詰めをしないので、出来上がった作品は、ほとんどが決まった画廊やデパート、愛好家に行ってしまい、ご本人も1回個展が出来るかどうかの作品数しか確保できないとのこと。しかし、しかし今回Nさんの熱意が稔り、初めて森氏の窯出し作品を選んで、購入するチャンスを頂きました。森氏の備前焼の個展を開くのはNさんの永年の夢。こんなチャンス10年以上のお付き合いで初めてとのことで、これはやるっきゃないかと、緊急に有志でファンドを組んで、予算がもっと欲しかったのですが、なんとかギリギリに実現。Nさんの夢、森一洋氏の初の備前焼作陶展が、今月末にいよいよスタート。ドンナ結果になるか、ワクワク、ドキドキです。


グループ面接(2)

2009-07-15 | きもの
10日に続いて本日も2回目のグループ面接。写真は研修室から見下ろした樹海のように広がる代々木の森。反対側は新宿の高層ビル群と全く対照的な風景。代々木の青少年センターも夏休みには入ったこともあり、研修が多く、各国の青少年やシスター、クラブ仲間など、様々なグループであふれかえっている。私たちのグループ面接は、4人1組、3グループに分けての面接で、ロープレや「成果を達成するためのグループの条件」など幾つかの課題を各テーブルごとに討議し、発表を繰り返してゆくのですが、発表のタイミングや口調など、一人ひとりの取り組み姿勢が見え、興味深い。自分の学生の頃に比べ、遥かにしっかりしているなあと、私など感嘆しきりです。あらかじめ応募者を絞りこんでいることもあるのですが、Nさんや私の話すきものの話をとても興味深く、真剣に聞いているのを見ていると、きちんときものの歴史や文化を語っていない、伝えていない呉服業界側の怠慢があったのでは、と思えて仕方がない。グループ面接を終え、採用申込書の諸項目を読みながら2人して、グループ面接のやり方を30年前にきちんとわかっていたら、人の採用の仕方も違ったし、自分たちの会社も随分と違ったものになったろうね、と溜息。しかし、面接に2時間半、その後個人面接、さらに2日間の研修をプログラムして1期生を選抜していますが、いまの段階では落とす人がいない粒よりの良さ。最初にいい人材を採らないと、後は苦労の連続になるし、1人変な人がいると、全員に悪い影響を与えるので、協調性の低い人やモチベーションの低い人、怠慢な人や性格の悪い人を取らないようにしなければ、とはコンサルタントの助言。さて、ようやく事務所も契約し、これから2週間で、細々とした快適な受け入れ態勢を整えなければ。雑用の山にいま悲鳴を上げています。

祇園祭の思い出

2009-07-14 | 月刊アレコレ

会合が終わった後、何かの拍子に話題が祇園祭になった。「祇園祭といえば、かみさんと恋人同士のとき、ゆかたを縫ってくれて、2人でゆかたを着て、祇園祭の宵宵々宮に手をつないで以来、祇園祭に行ったことがないな」とNさん。「浴衣を縫ってくれるなんてすごいですね」と若手がはやし立てると、「最後にかみさんと手をつないで歩いたのはいつだったかな」、と視線を遠くに飛ばしながらNさんがポツリといった。一瞬会話が止まってしまった。


祇園祭

2009-07-13 | 月刊アレコレ
朝一番で京都に出かけ、トンボ帰り。ちょうど来週の山鋒巡行に向けて、町内のあちこちで山鋒が組み立てられていました。京都に30年以上も仕事でいっていますが、この時期はすごい混みようなので、敬遠してきたため山鋒を実際に見るのは初めて。まだ組み始めたばかりのもや、もうほぼ出来上がりというものまで町内で準備のスピードが違うので、室町筋を見るだけで、山鋒の出来るまでを一通り見られるという貴重な経験をしてきました。しかし祇園祭のため約3週間、道路を封鎖したり、普段の生活や仕事にかなりの支障をきたすと思うのですが、祇園祭にかける京都の町衆の心意気は、半端じゃない。因みに山鋒に懸けられているタペストリーなど懸装品は古くは応仁の乱からのものもあるなど、その豪華さと貴重さゆえに山鋒は「動く美術館」とも言われているのだそうです。

グループ面接

2009-07-10 | きもの

昨夜は初めて代々木のオリンピック研修センターに行ったが、大きな大学キャンパスという感じ。緑が濃く、4階から見下ろすと樹海の中に浮かんでいるようなイメージでした。その会場で新プロジェクトのために学生とOBら10人と2班に分かれてグループ面接。応募者1人1人に電話してくださって、振るいにかけたということもあってさすが、という面々。活発に議論やロープレも行い、物怖じせずに、積極的に発言する様子に、「いま時の学生は、もう少しギャル的で幼いのではないか」とそれまで少し危惧していたが、そんなイメージはすっ飛んでしまった。約2時間の面接、人を採用するにはトコトン、自分の欲しい人材を探さなければいけない、こだわらなきゃ、ということを再認識。中野先生からも言われたことがありますが、最初に妥協して人を採ると「一生の不覚」という事態も。グループ面接修了後のアンケートで、1人辞退以外は、全員参加したい。どのアンケートにも仕事への思いがびっしり書き込まれていて、熱い思いが伝わってきました。14日にも2回目を開催するが、もしかしたら絞り込まないといけないかも、という嬉しい悩みが生ずるかもしれない。しかし、「何のためにこの仕事をやるのか」という根本理念を互いに考え方をオープンにして語り合うことスタッフとして絶対欲しい人間を探し出すのに必要ですね。益々新プロジェクトが楽しみになってきました。あと3週間弱でスタートです。

 


早くも秋物

2009-07-09 | きもの
木綿・ゆかたメーカーの三勝では、早くも秋ものの発表会。最近はコーディネイトを意識して、木綿やウールに合う手頃な価格の手描きやロウケツの帯に力を入れている。今回人気なのが、インドネシア更紗を使った兵児帯。某雑誌がこの秋に特集を組むそうですが、同じくインドネシア更紗の名古屋帯や半幅もあって、木綿やウールにもよく似合う。35歳を中心にしたキヤリアやミセスにおしゃれな普段着として勧めたいこの秋の一押しだそうです。