独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

逆効果では…

2011-11-28 | 日々雑感

日曜日のイベントの3度目の打ち合わせに会場に行った帰り、コレド室町にあるレストランに。ランチフェア、ということで各店競ってメニューを出している。先週の夕方のワイドニュースで、某デパートではワンコインランチを売り出しているが、お店の名にかけて、質は落とさない、と報じていた。実際お客さんも「これで500円は、嬉しい!」と素直に笑顔。レストラン街もこの時期、テナント全店で「目玉企画やりましょう!」となると限られた予算の中でのメニューは大変。大丈夫だろうかと、他人事ながら心配。で、本日入店したのは、銘鳥やきとり店。ランチのどんぶりは、ウナギのひつまぶしを真似た「鳥まぶし」をオーダー。お得なことに13時過ぎの入店には、食後の飲み物のおまけがつくとのことで、6種類の中からコーヒーをチョイス。初めて鳥ひつまぶしを食べたが、ボリュームもあるし、味もまあまあ。茶漬けにして食べるということにう~ん、と言うのはあるが2種類の違う味わいは、お得かな。ここまでの満足度、80点。で、食後のコーヒーが出てきた。陶器のカップにきちんと入っているが、インスタントコーヒー。八百屋で魚を買うような物で、鳥料理屋でコーヒーもないか、とも思うのですが、お得が一気に、ふ~んに。料理や店構えなどトータルにこちらが勝手にイメージした中で、この店でインスタントコーヒーはないでしょ。お客としての期待値は、無料のドリンクで大外れ。これって逆効果、ではないのかしら。インスタントコーヒーが出てくる、そのイージーさ(本当は店として、結構悩んだかも…)が、お店の姿勢や、料理のこだわりや味に?がついてしまった。そう思うのは私だけだろうか。


賢者の贈り物

2011-11-27 | 日々雑感

銀座ミキモトのディスプレーも例年のツリーが飾られ、イルミネーションで街はすっかりクリスマス気分。でも、今年はどこかまだ冷めた感じがします。私は、この時期になるといつも思い出して早送りして、好きなシーンを観るがCDが幾つかありますが、1つにビング・クロスビーの「ホワイトクリスマス」があります。たわいもない映画ですが、古き良き時代のほのぼのとした感じが、とても好きです。そして本では「クリスマス・キャロル」や「賢者の贈り物」。特に「賢者の贈り物」は高校の頃、サブテキストで原文を読まされたのでよく覚えています。寝られない時など、時々パラパラと読むのですが、やはりこの時期に読むとひと味違うように感じます。物語は、貧しい若い夫婦が、クリスマスの贈り物のために互いが一番大事な、夫は祖父譲りの時計を質に入れ、妻のために鼈甲の髪飾りを買う。妻は自慢の髪の毛を売り、懐中時計の飾り紐を買う。若い夫婦の行き違いを描いたショートストーリーです。この一見愚かな行き違いを作者、オー・ヘンリーは「贈り物をするすべての人の中で、この二人が最も賢明だったのです。贈り物をやりとりするすべての人の中で、この二人のような人たちこそ、最も賢い人たちなのです。世界中のどこであっても、このような人たちが最高の賢者なのです。彼らこそ、本当の、東方の賢者なのです。」結んでいる。東方の賢者とはイエス・キリストの誕生に、贈り物を持って行ったと聖書にある博士のことで、クリスマスに大事な人に、贈り物をする習慣の由来がここにあります。互いが思いやり、相手を喜ばせようと想いを込め、真摯に努めて行動しながらも、すれ違ってしまう。日常には、よくある微笑ましいことですが、時にそのすれ違いが、トゲのように互いを傷つけてしまうことがある。人の心の不思議です。


「着る人委員会」イベント、一般募集開始しました。

2011-11-26 | 月刊アレコレ

 

着る人委員会 特別イベント開催

2012年にきもの元気を発信

 お友達とご一緒に参加下さい!

着る人、作る人、売る人が一堂に会し、それぞれが抱える着物の問題を共有し、解決に向けて動きだそう!、と言うそれぞれの垣根を越えたイベントを開催します。参加者の着物姿を見るだけでも、価値がありますよ。今参加者は、50名を超えましたが、未だ余裕がありますので、お着物が好きな方、どうぞ参加下さい。

■開催日時/124日(日)12時から17

■開催場所/コレド室町・12階日本橋倶楽部

 東京都中央区日本橋室町2-2-1室町東三井ビルディング12

■会費  /1500振込手数料はご負担下さい。

 参加費の払い込みの完了をもち、正式参加とします。

■募集締切/1130

■募集方法/Eメールinfo@arecole.com

①お名前②〒③ご住所④電話番号⑤Bをご記入の上、お申込み下さい。

お申込み者に詳細ご案内をお送りします。

■イベント内容/概要(内容が変わることもありますので、ご了承下さい。)

①第1回着る人委員会のアンケート集計発表

②作る人交流/絞りの世界

サントリー金麦のCM雪花絞りの浴衣で話題のメーカー、藤井絞()が絞りの世界を紹介します

③売る人交流/疑問に即答

世代も立地も違うが、生き字引のような呉服店主が様々な疑問、お困りのことなど、即答します。

④着る人交流/着る人同士、きものを楽しもう!

⑤新プロジェクト発表&参加

着る人、作る人、売る人の共創で新しい商品作りを目指します。

 


参加者、募集中!

2011-11-23 | 月刊アレコレ

着る人委員会 特別イベント開催

2012年にきもの元気を発信

 

着る人、作る人、売る人が一堂に会し、それぞれが抱える着物の問題を共有し、解決に向けて動きだそう!、と言うそれぞれの垣根を越えたイベントを開催します。参加者の着物姿を見るだけでも、価値がありますよ。月刊アレコレが主宰するチーム∞アレコレがディレクションした特別イベントです。

■開催日時/124日(日)12時から17

■開催場所/コレド室町・12階日本橋倶楽部

 東京都中央区日本橋室町2-2-1室町東三井ビルディング12

■会費  /1500振込手数料はご負担下さい。

お友達とご一緒に参加下さい!

 参加費の払い込みの完了をもち、正式参加とします。

 *会全体では75人の参加を予定しています。

■募集締切/1130

■募集方法/Eメールinfo@arecole.com

①お名前②〒③ご住所④電話番号⑤Bをご記入の上、お申込み下さい。

お申込み者に詳細ご案内をお送りします。

■イベント内容/概要(内容が変わることもありますので、ご了承下さい。)

①第1回着る人委員会のアンケート集計発表

②作る人交流/絞りの世界

サントリー金麦のCM雪花絞りの浴衣で話題のメーカー、藤井絞()が絞りの世界を紹介します

③売る人交流/疑問に即答

世代も立地も違うが、生き字引のような呉服店主が様々な疑問、お困りのことなど、即答します。

④着る人交流/着る人同士、きものを楽しもう!

⑤新プロジェクト発表&参加

着る人、作る人、売る人の共創で新しい商品作りを目指します。

 

 


秋岡芳夫展(1)

2011-11-20 | 日々雑感

顔

会場を入るとはっと目を見張るのが、鑿、鋸、玄能など、その見事な美しい道具たち。そして作るモノに応じて作られた多種多様な形の道具たち。鑿だけでも優に二百種類は超えている。これだけの道具を使い、作り出されるモノはと想像するだけでも楽しくなってくる。

大量生産の時代、工業デザイナーとして活躍した秋岡芳夫はあるとき、「消費者にならないで、愛用者になろう」「手仕事の復権」と人間を主体にした道具、デザインを考え、モノ作りに取り組んできた。その秋岡芳夫の生涯と氏がデザインし、作り出してきた商品や作品、そしてコレクションした日本の道具などが一堂に展示されている。このような機会は、二度と望めないのではないだろうか。使い捨てや消費を前提にしたモノがあふれる時代、心豊かに暮らすために、もう一度モノと暮らしの関係を見直し、考え直さなければならない時期に、なんとタイムリーな展示会なのか。氏が目黒区に住んでいた縁で、区が積極的に企画した素敵な展示会です。東京目黒の目黒区美術館1225日まで開催されています。(*月曜休館。10時~6時)


キモノの郷・京都、丹後の職人展

2011-11-19 | 自学実践塾

写真は新作、男の着物「のざらし」

今週の水曜日、5~6年ぶりに丹後に自学自習塾の塾生と一緒に行ってきました。高速道路も部分開通し、以前より楽になったとはいえ、それでも京都市内から片道2時間半。「東京に行く方が近いかも…」なんておっしゃっていましたが、確かに。今回は丹後でも先進的に取り組んでいる(株)ワタマサさんの若専務のご案内で最新鋭の織物工場始め、数ヶ所を見学。夜は京都に戻り、ちょうど丹後の求評会の準備で出てきていた青年部の方と、藤井絞(株)の藤井社長と意見交換会。あっという間の2時間で、最終に乗らなければならず、心残りでした。慌ただしい1日、いや2日でしたが、大変心熱くなる2日でした。追々丹後のことなどはこのブログで紹介してゆきますが、京都、丹後と問わず共通しているのは「モノ作りへの熱い情熱」と「職人達の後継問題」。きもの市場が縮小が続く今、俗に食える人数が決まってゆくから、当然離職や廃業もある。経営者自らを削り、経費を詰め、そして泣き泣き職人を、という量産体制のツケを父親世代と共に若手が苦労している。しかし、現状に悲観していない。むしろ量産体制の中で、効率化や生産性を優先し、分業してきたために、1つ1つについてはプロだが、全体を見通して、プロデュースしてキモノを作る人が”不在”だった、というのは京都も丹後も一致した意見。だからいま、草稿デザインはじめ、1つ1つの工程を自社の中に取り戻して、一貫生産できるように徐々に態勢を作り替えているそうです。そんな丹後の若手が、意欲的に今回取り組んだのが「男のきもの」。残念ながら京都の求評会では見ることができませんでしたが、何と来週23日から28日まで、日本橋高島屋・8階ホールで「キモノの郷―京都、丹後の職人展」でもお披露目するそうです。自ら着る丹後の若手が、男のキモノはつまらないものしかない!の風評を吹き飛ばすような、意欲作を揃えたそうです。ぜひ、見に行き、感想を言って下さい。キモノ談義大歓迎だそうです。(株)ワタマサノ渡邊専務、青年部会の会長・養父(やぶ)さんをつかまえてください。

 

 


COOL京都

2011-11-18 | きもの

もう先月の話。10月21日から23日まで、赤坂サカスで新しいMade In kyotoをというテーマで60数社が集まり、意欲的な作品を発表していた。さすがTBSメディアの効果もあり、会場は大賑わいだした。月刊アレコレでも創刊から応援頂いているお世話になっている(株)シカタさんも出品。目玉は、絹100%のシースルー生地に京友禅で染め上げた秀逸なスカーフ。型紙を30枚以上も使った最高級品。きものが厳しい中で、職人を育てるには、手を休めさせないためには、きものじゃなくても…。インディーズでモノ作りをする人は、毎日作らなくても飯野でしょうが、「職人は毎日仕事をしていないと、腕が鈍る」とは四方社長のはなし。210×90の大判ショールが、手の中に収まってしまうほどの軽さと収納性。未だ未だ試作段階で、見て貰うことによって工夫を加えたいとのこと。「素敵ね!ため息が出るほどのお値段なんでしょうね」とは、足を止め、しばし見ていた女性の言葉。友禅やきものの世界を守るために、メーカーは、みんな様々に活路を探し求めている。みんな、みんな、がんばれ!


主人公の職業

2011-11-18 | 日々雑感

出張の折や少し長い時間移動するときなど、最近は時代小説を、と言ってももう10年くらいになりますが、よく読みます。私の読み方は、1冊いい本に当たるとその作者を掘り下げます。時代小説で最近はまっているのが、中だるみはしているのですが佐伯泰英と宇江佐真理。佐伯泰英が、最後の長編かと取り組んでいるのが古着屋総兵衛シリーズ。旧作シリーズを11巻を大巾に書き直し、新シリーズを開始(現2巻発売中)。「サラリーマンの一服の清涼剤になれば」と著者が言うように、そんな深い内容ではないので、気軽に読めるのだが、さすがに最近はどのシリーズも惰性で読んでいるようで、余り正直面白くはない。しかし、「著者最後の…」というキャッチコピーに、ツイ読んでしまった。しかし面白いのは、主人公の表の商売が古着屋なので、今の堀留町や新富町などの呉服の町の様子や江戸時代のきもの事情が随所に出てくる。そして新シリーズの2巻の巻頭では7ページにわたって我が国の木綿事情を説明している。結構調べてのことなので、下手なキモの本より要領を得ている。

いま1人の宇江佐真理。昔髪結い伊三次のシリーズを読んでいたことがありましたが、春先母の入院で、病院の待ち時間にロビーのミニ図書館にあった「切られ権佐」を読んで、またはまってしまった。最近は月刊アレコレでも宇江佐真理の「深川物語」の朗読と作品のロケーションを歩く街歩きイベントがありましたが、朗読がとても良かった。結構彼女の作品には、仕立て屋が登場する。切られ権佐の主人公は両親、そして権佐も仕立て屋で、職人の世界が上手く描かれているし、主人公の職業がエンディングでは、とても効果を発揮して、正直涙が浮かんできてしまいました。そして連載中のモノが1冊にまとまった「古手屋喜十 為事覚え」(新潮社刊)も、主人公の職業は古着屋。ミステリー仕立てなのですが、1話1話に黄八丈、蝦夷錦など布やきもの事情が絡み、どれもほろりとさせられる。同時に当時のきもの事情が分かる。宇江佐真理の親戚か親しい人に仕立てやさんが、いるとかいないとか、の噂もありますが、結構仕立屋さんが登場する作品が多いし、仕立てやという職業が作品の伏線として効果を発揮している。当代の人気作家2人の作品に、古着、仕立てなどが共通しているのは偶然かどうかは分かりませんが、こんな処から、着物に興味を持つ人が増えるといいな、と思いつつシリーズが続く事を切望してます。

そういえば、10月16日にアップした「つくろいものや はじめます」が高評で、シリーズになり、来年3月頃には第2巻が出るそうです。1人勝手に小学校や図書館に贈ろう!運動をしているのですが、賛同して下さる方もぽつぽつ増えています。子どもの頃、読んだ面白い本は結構人生を決めます。私の場合は父親に買って貰った「ユリシーズ」がきっかけでギリシア神話が好きになり、シュリーマン…と、歴史好きになったきっかけは、その本でした。


ぺたこさん

2011-11-11 | きもの

もっともっと早くアップする予定でしたが、バタバタしてしまい、すでに会が終わってしまいました。いまさら、と石が飛んできそうですが、ぺたこさん、すみません。根津に行くのは7~8年ぶり位になります。雨の日で、静かな空間の中で1時間ほど、新しいプロジェクトの話をさせて頂き、とっても充実した時間でした。根津も随分とギャラリーや小じゃれたお店が増えましたね。

内容は違いますが、ぺたこさんら3人の作品を発表する恒例になってきた「トリノホッカムリ展」は5回目。12月1日~6日まで、和ぎゃらりーいなむらで開かれます。テーマは「贈」です。アレコレの催事と4日の日曜日が重なってしまい、残念!

 

 

 

 


すごい!有難いことです!

2011-11-08 | きもの

今日京都でコンサルタントの・石氏が主催する勉強会[若手経営者の会」が開催された。呉服店、メーカー、仕立屋さんなど関係者50人を超える出席で盛会でした。私は出席できなかったのですが、出席された西尾市のあづまやさんがhttp://t.co/IwtWYGlsで、5時間にわたる会議の一部始終を中継放送してくれたお陰です。ありがとうございます。関心ある方、録画版もあるそうなので、後で見て下さい。

それにしても業界の会議が、公開されるというのは珍しいことです。若手経営者が熱心に聞かれていましたが、やはり女性の出席者に比べ、男性の着物姿が少ないのは残念。これをどれほどの方が見るか分かりませんが、関係者の熱意は、言葉ももちろんですが、さまざまな着物姿こそ、一番の迫真のメッセージ、と思うのですがー。途中で中座するつもりで見始めたのですが、最後まで見てしまいました。最後まで見たのは、内容に引かれたと言うより、靴の上から足を掻くようで、いらいらして、と言う方が正しいかも。テーマは、「日本人は着物を取り戻す日が来るのか?」でしたが、この日本人というのは業界人のこと?かろうじて早坂伊織氏が[男のきもの」で男性客の心理を開設していましたが、全体に[着る人目線」が見えません。初めてのことで、内容も盛りだくさんで、企画された方の準備、設営のご苦労は分かるのですが、もっとシャープにテーマに切り込んで欲しかった。せっかく業界人の若手が50人も顔を揃えたのに、これが呉服のプロの会議ーと言う、歯がゆさが残りました。でも50人以上集める、集まる、この両者のエネルギーが、石氏が言うように1つのきっかけとなって、新しい何かを生み出したら、最高ですね。皆様お疲れ様でした。石さん、あづまやさん、ありがとうございました。