独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

参考書

2008-04-22 | 日々雑感

尾篭な話ですが、活字禁断症とも言うべき私は、トイレタイムにも何か読むものがないと落ち着かない。電話帳でも辞書でも活字ならいいのですが、この2,3日は置いてあるのは野球小僧の参考書の「くもん中学英文法」。なければなんでも活字があればいいので、手にとって読み始めたが、これがすこぶる面白く、先へ先へとページを追い、学びたくなるように工夫がしてある。中学の頃にこんな参考書があれば、英語嫌いにならなかったのに、と思うほどわかりやすくポイントを捉え書いてある。

前書きに「文法事項をただならべてゆくのではなく、英語の表現がゆかたかになってゆく流れにそって文法のステップが構成されています。ですから1歩1歩、確実に進んでいけるだけでなく、とても興味深く文法が学習できると思います」とあり、最後に「英語ということばは、それを使う人間といっしょに“生きて”います。そのことを忘れないで、英文法の学習をしましょう」と結んでいる。英文法を着物と置き換えると、まだまだ好きになってもらう努力、知ってもらう努力に工夫が必要と痛感させられるし、方法があるんだなぁと実感。もう一度英語をやってもいいな、そんな気にさせる参考書のような着物ブックあればいいな。なければ考えて、作る!?


穀雨

2008-04-20 | 日々雑感

野球小僧が朝早いので、日曜にもかかわらず朝早くから遅れ気味の仕事を段取りし、ようやくひと段落したとこで、ポチポチとブログを書いています。

今日は二十四節気の穀雨。穀雨は、百穀を潤す春雨という意味ですが、今週は雨や風で荒れた天気でしたが、今日も曇り空で危なげな天気です。しかしもう10日もするとGWで、新緑が鮮やかな季節となります。確実に季節は移りますが、仕事は遅れ気味で、やってもやっても?減らない本当にあっという間の1週間でした。先週末に面接し、3人に絞りこんで迷いに迷ったのですが、「入社してくれるといいな」とハラハラドキドキしながら、2人に採用通知を出しました。幸い2人ともに快諾いただき、再度面接し、詳細を決めました。5月1日と6月2日の入社で、入れ替わりに5月中旬にはコピーライターのQBが退社します。2人の入社で思うような布陣になったのですが、実際に2人活躍してもらうにはパソコンの手配からさまざまな細かい準備が必要で、思いがけない雑事の多さに、ひと山越えて、また山かと、思うように進んでいるのに贅沢な溜息。少し疲れ気味か。しかし私の転職の頃は、身体ひとつで何も持ってゆくものも、会社も特段用意するものは無かったのですが、いまや1人に1台パソコンが必要で、メールアドレスの登録などしなくては名刺も出来ず、時代が変わりました。

今度入社する2人は、いずれも女性です。着物が好きで、当社の仕事に抱負を抱いての入社です。彼女らの期待に応え、才能を活かせるように、楽しく豊かな気持ちで仕事が出来るようにするのは私の責任です。これから私も気持ちを引き締め、仕事に邁進です。仕事関係の皆さん、期待してくださいね。


新プロジェクト

2008-04-18 | きもの

2年前の呉服業大手2社の倒産以来、きもの業界は今まで抱えていた問題や矛盾が一気に噴出した感じで低迷を続け、今年はさらに深刻な状態となっています。しかし夜明け前が一番闇が濃い、といいますから、いま各社が懸命にもがきながら打開策を考えて動き始めていますので、今がまさに一番底という感じだと思います。当社もきもの関係の仕事をしていますので、この3年で実に3本柱の2本との仕事が激減し、新たなビジネスを構築しなければならない事態で、四苦八苦していますが、ようやく1つの明かりが見えてきて、今そこに向け邁進しています。その1つが「振袖」「七五三」の市場を共通のビジネスの場として、全国を飛び回り活躍している名古屋、福岡、そして東京の4社協同での新しいプロジェクトの立ち上げです。5月末には準備会を立ち上げようと会合を重ねています。今晩が3回目ですが、回を重ねるに従って、お互いのビジネス観や仕事への思いが微妙に違い、問題というか、課題が明確になってきました。この違いを乗り越え、今までの価値観、ビジネスをなぞるのではなく、4社で新しいビジネス観に基づく新しいベネフィット、サービスを構築できるか、いよいよ正念場です。


掃除って、思ったより面白い!

2008-04-16 | 日々雑感

事務所を移転したときに1つ決めたことがあります。事務所をきれいに整理整頓し、清潔で、機能的にしよう、ということです。帰るときは机の上も、すべてきちんと、きれいにしてです。「机の上の様子は、その人の頭の中と同じ」という説があります。机が乱雑であれば、その人の頭の中も乱雑で、計画性もなく、思いつきで、論理性もない、ということだそうです。事務所がきれいであれば、社内の雰囲気も明るく、スッキリして、いい仕事が出来るだろうと思うからです。同時に掃除をしながら、イエローハットの鍵山社長がいうように「謙虚な気持ちを学び、自分も磨き上げて欲しい」からです。たかが掃除、されど掃除で鍵山社長は、「トイレ掃除のお陰で人生も会社もよくなりました」とおっしゃっているので、それに是非あやかりたい、という思いもあります。前の事務所は掃除会社と契約していましたので、毎日の会社のゴミ出しやトイレ掃除、窓や室内も定期的に掃除をしてくれ、とてもラクでした。しかし今度の事務所は家賃が半分だけに、そんな清掃をしてくれる人はいないので、鉄は熱いうちに打て、ではないですが毎日のふき掃除からトイレ掃除、ゴミ出しなど、全員で分担してやり始めました。といってもまだ数日ですが、各人の掃除を見ていると、不思議のその人の人柄や性格、心配りや気配りがすごくよく見える。本当によく見える。「掃除ごときで…」と半信半疑だった思いが、たった数日ですが、大袈裟に言えばその人の仕事ぶりまで見えてすごく面白い。キャリアがあろうがなかろうが、老若男女だろうが、誰でも出来るのが掃除。でも、その掃除から多くのことが見えてくるから、考えたら掃除は恐ろしい。

とにかく、どんどん汚れが取れて行き、目に見えてきれいになってゆくから、面白くてしょうがない。毎日きれいに変わってゆくから、さらに面白く、1日目のやり方を、そうか!こうすればもっといいかと工夫して2日目、さらにこういう方法もあるな、とか結構考え始めると、それなりに掃除のアイデアというか、工夫が思い浮かぶ。しかもたった10分から15分ですが、しっかりやっていると額から汗が出てきます。掃除すれば、みんなきれいになる、結構楽しいですね。予想以上でした。しかし楽しんでいるのは、私ぐらいかと思うと…複雑で、またまた考えさせられます。

 

  


TVに和ブーム!

2008-04-14 | きもの
4月の番組改編で、テレビに和ブームがきている。今日から始まった「和風総本家」(テレビ東京)は、日本の伝統文化やしきたりなど、身近な日本の素晴らしさを再発見する検定形式の番組。また「楽しく学べる新教養バラエティ、全国一斉!日本人テスト」(フジテレビ系列木曜7時~)も知らなきゃ恥をかく日本の教養をクイズ形式で送る内容で、先人からの教えや普段気にもしなかった当たり前のしきたりや習慣の意味や理由を解説。日本が持つ素晴らしさ、日本人として忘れてはいけない伝統をテーマにして番組を作るそうです。この数年クイズ番組流行で、しかも検定もブーム。その波がいよいよ和に、日本の伝統文化やしきたりにまで及んできた、というのは素晴らしいことです。

贅沢な週末

2008-04-13 | 日々雑感

土曜日。好天に誘われ約1ヶ月ぶりに着物を着ることに。山青樹さんのつるばみの草木染に、袖なし羽織を着て出かけたのですが、うっすらと汗ばむくらいで、もう単衣でも大丈夫な感じ。それにしても週末、着物姿の人が本当に増えましたね。午前中1件打ち合わせを終え、六本木の国立新美術館に。この5,6年、岡山の呉服屋さん、Nさんの作品を見に行くのが春のお決まり。創元会の会員のNさん忙しい仕事の合間を縫って毎年大作を出品している、そのバイタリティには驚かされます。写真がその出品作ですが、今年はタッチを変わったみたい。

そして今日のもう1つのお楽しみが「モディリアーニ展」。会場は程よい混み具合で、独特の簡潔で、素朴でありながら、描かれた人の人柄や息遣いまで感じられる肖像画の数々。今回はアフリカや東南アジアの原始美術の影響を受け、モディリアーニの作風が確立されてゆく様子が多くのスケッチや作品からよくわかり、興味深い展覧会となっています。それにしても若者から中年、壮年のカップルや仲間連れなど、一昔前には1人で鑑賞する人が多かったように思いますが、随分と変わってきたように思います。同じものを見て、感動や印象を分かち合える人と一緒というのは、本当に素敵な時代になってきたなあと実感します。

夕方は銀座に移動し、さて何をしようか、ということで今年初めての映画鑑賞に。映画は今年のアカデミー賞を受賞したコーエン兄弟の話題作「ノーカントリー」。開演まで間があるので、前から行きたかったペニンシラホテルのバーへ。ホンコンと同じコースターは布地で、ナフキンも真白で、プレスされていて気持ちがいい。そういえば以前、それこそバブルの時代に香港に社員旅行に行ったことがあります。その時皆でペニンシラホテルのバーで一杯やっているうちに、それぞれ三々五々部屋に戻って行き、最後まで飲んでいたのが私とMさん。で、いざ会計と思ったとき、それぞれがお土産に持って帰ったらしく、テーブルの上のロゴ入りの布製のコースター、ナフキンが見事に1枚も無く、とてもバツの悪い思いをしたのを懐かしく思い出しました。久し振りにいい土曜日でした。


着物は、すごい!

2008-04-12 | 広告

先週の日、月と2日連続で当社のスタッフ募集広告を朝日新聞に掲載した。3,4年ぶりでしたが、前回は40人以上の応募があり、あまりの多さに驚いたのですが、応募者が増えた理由は「着物が大好きな人を募集します」と言葉を入れたことです。販売や接客でなく、着物の関係の仕事につきたいという方は、すごく多いのに驚かされましたが、今回はタイミングが悪かったのか、10名弱でした。それでも木、金と2日間久し振りに面接をして結構緊張して疲れてしまった。面接ですから当然お見合いのように相手のプロフィールやキヤリアをお聞きすると共に自社のプロフィールや担当してもらいたい仕事の内容、会社のこれからをお話するのですが、これが結構自分の頭の中を整理するのに思いがけない効果があり、面接しながら自分ってこんなこと考えていたんだ、と驚くことしばしでした。

今は呉服業界が非常に厳しい時期ですし、当社のような零細の場合は、コピーライターなど、それぞれの職種を越え、実際にクライアントに会い、現場にも行き、聞き込み、問題点の抽出、解決方法の提案、企画折衝、実行の段取り、さらに結果の分析と、1人で何役もこなして欲しいと欲張った希望をお伝えするのですが、ここで面白いのが、今どきなので職種にこだわらずになんでも積極的にやります、というがどうもニュアンスとしては思考や行動のフィールドを拡げることに相当の努力をしなければ、ややもすれば無理がありそうな感触なのは、男性。反対に「面白そうですね」「やりがいのある仕事ですね」と前向きに、元気だったのが20代、30代の女性達。2人欲しいのですが、3人候補がいてこの週末絞り込むのに悩んでいます。いいご縁が結べるといいのですが…


それにしても

2008-04-11 | きもの

先週末、事務所を引越ししました。引越すたびにウン十万円もして購入した事務機器や事務用品を捨てるのもったいないと思いつつ、スペースを有効に活かすため、わざわざ処分費を払ってまで廃棄し、自分の思い出や苦労も一緒に捨てたようでなにやら複雑な気持ちです。廃棄費用、高いですね。それにしても体力がなくなった。体の節々が1週間たってもまだ痛く、特に指先はまだ腫れたまま。そろそろ身体を鍛えなければと痛切に思っています。来週当りジムを探すかな…

一時より低調になったとはいえ、やはり4月、幾冊か着物のムック本が発行され、本屋さんを賑やかせています。仕事柄どれも購うのですが、最近思うのは定価に値しない本が多いように思います。どの本も同じような構成、同じようなお店や執筆者、着付け、スタイリストと編集者に冒険心がなく、どこか横並びの安易な編集が目立ち、面白くない。しかも編集者が本当に着物を知っているのだろうか、着ている人なのだろうかと疑問に思うような部分が多い。いまやきものを日々、あるいは週末に着る人が増え、机上のことではとても彼女らの好奇心や知識欲を満たすことはできないと思います。一度は棚に戻した本ですが、もっとしっかりした本を作ってもらいたい、買わずに物言うのはよくないと思い、家でよくよく読んでみましたが、きらりと光る部分もあるのですが、やはり安直な編集という思いは変わりませんでした。読者を甘くみず、もっと情熱を持って、これは!という本を作ってもらいたいものです。

新聞を見ていたらアラレが、このコマーシャルはよくないよね。ご飯文化を大事にする企業が「朝茶漬けはないだろう」と鼻息荒くのたまう。 食べないより、茶漬けでも食べた方がまし、ということも一理あるし、そこに隙間ニーズを見出し、市場を拡大しようとする企業の発想もわかる。だからモノゴトをわかっている独身者や大人はともかく、小学生の兄弟がさらさら朝茶漬けを食しているシーンが映し出されて、「カンタンに食べられます」と訴求しているのは言語道断、と思う。朝食は単に空腹を満たせばいいのか、それで本当にいいのと、真剣に思ってしまう。TVの影響は大きく、子供たちに朝茶漬けが普通になってしまったら、と考えただけで恐ろしくなってしまう。人間だけが、飢えを満たす食を「文化」にまで高めてきた。特に日本人は芸術的といってもいいくらい食文化を磨き上げ、空腹を満たすだけでなく、心を充足するもの、食を介して人と人が心を通い合わせる「空間」「時間」としても大切にしてきた文化がある。それを「カンタン」「お手軽」ということでコマーシャルなど流して欲しくない。以前テレビである小学校の学童100人くらいの1ヶ月の朝食を写真で撮って集計分析していたが、中におやつのような朝食が沢山あった。子供が食べないので、工夫したということでしたが、日本の食生活が多様化、といえばかっこうがいいが滅茶苦茶になっているのがよくわかり、愕然としましたが、食物の「味」がわからない、甘ければいい、おいしい、と思い込み、苦味や辛味など微妙な味がわからない子が増えているそうです。私見ですが、食べ物の好き嫌いをいう人や食のレパートリーの狭い人は、考え方や行動の幅も小さく、消極的、利己的な人が多いように思う。日本の食文化を継承し、新たな創意工夫を加えながらも未来に伝承してゆくことは、私たち大人の責任です。そういった観点からいえば、大いに疑問があるコマーシャルだと思います。皆さんは、どう思います。

 


席替え

2008-04-01 | 広告
今日から4月。朝起きたとき、昨夜の寒さが嘘のように窓から差し込む日がすっかりやわらかな春の日差し。布団の中で、気持ちがほんわりと緩んでゆく。今週末、事務所を移転するので、先週から悩んでいたレイアウトを昨夜も推敲し、朝起きたら決めようと思っていたが、明るい日差しの中で、昨夜決めた通り、自分が一番使いやすく、機能しやすいように決定。そういえば小中学生の頃、新学期といえば席替えで、発表前日はわくわくどきどき。好きな友たちと隣同士ならいいな、嫌な奴とは離れたいな、なんて思いながら大概は期待はずれ。大体背があったので、席は後ろの方で、席も予想がつかないわけではないはずなのに、毎回奇跡を信じるように懲りずに期待していたから、なんとももはや能天気。そういえば一度、好きな女の子がいて、目が悪いので前の方の席をと申し込んだことがあったが、そんな想いを見抜かれたように先生からあえなく却下。そんなほろ苦い思いを懐かしく思い出した。春ですね。正月があって、四月があって、線を引けるのは、いい習慣ですね。春は、新しいスタートの季節です。