独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

ときめきを

2007-10-30 | 広告

最近、若い人が自動車に興味を失くしてきた、という。数年前までは、初任給をもらって欲しいもの、買いたいものは、クルマがナンバー1だったそうですが、いまは違うという。ライフスタイルの変化や都会では車庫など維持するのが大変とか、様々な「買わない理由」が上げられており、どれもなるほどと納得するような理由ばかり。その中でウ~ンとうなってしまったのが「自動車会社が若者に魅力的なクルマを提案できていない」という自らの商品政策やコマーシャル政策の間違い、というのがあった。どこも軽自動車だ、ファミリーカーだと、自動車をファミリーのもの、下駄代わりのものとイメージ創ってきてしまったため、若い人たちにとってクルマは魅力的な存在ではなくなってしまった、というワケです。世の中の流れ、というか売れるものを追いかけたため、みんな自動車メーカーが同じような方向に雪崩を打ち、クルマは若者の商品ではなくなってきてしまった。

昔「ケンとメリーー愛のスカイライン」というキャッチフレーズで日産がスカイラインの宣伝をしていた時期がちょうど私の学生時代にあった。当時は、クルマは恋に不可欠で、クルマがないことには愛が生まれないかのようなイメージもあった。恋人を車に乗せ、コマーシャルのようなシーンへと思ったもの。コマーシャルが大きな影響を及ぼし、時代の空気を作った。もちろん消費者ニーズという下地はあったにしろ、コマーシャルが確実に背中を押した。その反省からか、いま日産は、「日本に、クーペのときめきを」というキャンペーンを展開し始めた。

雪崩を打つように1つの方向に、世の中にそういう部分がクローズアップされているとはいえ、例えば振袖。レンタルだ、写真だ、という人が増えているという世の中の流れがあるのは事実。しかし皆がレンタル、写真だけではない。それが賢い選択でもない。プレゼンする方が、そこを読み違え、表層的にブームに雪崩を打ってしまっては、振袖を購入しようとする人は、どうすればいいのか。日産流にいえば「振袖を買う、ときめきを」どう共鳴、協調してもらえるようなプレゼンできるか、そこが問題。そのことをアピールしなければ、確実に世の中、振袖は買うものではなくなってしまう。目先を追わないで、しっかり王道を歩まねば。それこそ、時代なんて、あっというまに変わってしまいますから。


3年先

2007-10-25 | きもの
三田佳子さんの舞台衣裳をご縁があってここ20年の間に何回かお手伝いさせていただく機会を得ている。舞台は大概ホリヒロシさんが衣装を担当するのですが、監督や演出家によってかなり衣装への関わりあいが違う。特にTVの若い監督や演出家は、ホリさんや衣装さんにお任せ。どうも気配としては、余りきもののことを知らないのでお任せ、という風情。しかし、御大ともいうべき石井ふく子さん、滅茶苦茶きものや時代考証にに詳しい。某小道具会社のベテラン、50歳を超えようという人や衣装さんが゛、「勉強になります」と緊張している。と言って高圧的ではなく、ものすごく腰が低いし、優しい。細かいところまで、スタッフに気を遣っている。でも、きちんと指示をする。そんな石井さんと打ち合わせをするのは、正直楽しい。うれしい時間です。今回も衣装の打ち合わせは、みんな一言ももらさず聞こうと真剣そのもの。緊張しながらも、心は伸びやか。だから仕事が楽しい。打ち合わせを終え、ほっとした時に石井さんが、再来年の2月公演の話をし始めたので内心ビックリ。ナゼって石井先生は、今年81歳。もう演目も、主演も決まっているとのこと。先生がお帰りになった後、みんなで「石井先生は、きっと100歳まで生きるよ。もしかしたら不死身かも」なんて話をしたのですが、「先の先までスケジュールがあるから、先生は元気で活躍できるんですよ。もし仕事がなくなったら、わかりませんよ」とのマネジャーのMさんは言葉はホントウかも。人と真剣に関わり合うことが、生きるエネルギーだと思います。だから仕事は稼ぎぶちではなく、その人の生き方そのものなのだと思う。

温故創新

2007-10-24 | 広告

最近話題になっている本に「社長が変われば会社が変わる!」(阪急コミュニケーションズ刊・1,500円+税)というホッピーの三代目女性社長の会社改革の奮闘記が面白い。しかしこのホッピー、私は結構飲みに行くのが好きなのですが、一度もホッピーを飲んだことがない。ほぼ同じ団塊世代がホッピーを焼酎で割って飲んだ安酒を「青春の酒」といっているのですが、金がなかったのに当時同じ安酒でしたが、飲んでいたのはジンやレッド、日本酒の2級。焼酎をホッピーで割って飲んだ記憶がない。同じ時代にピイピイしながら飲んでいたのに、周りにホッピー体験者がいないのが不思議。当事、主に飲みにいったのが渋谷だったので、この辺りにホッピーは普及していなかったのだろうか、不思議。

不思議と言えば、当事大学1年生の時の私のお小遣いがナント3,000円。ジンがコンパでボトルキープ1本500円の時代でしたが、毎晩飲んでいた。当事はいつも10人前後、時には30人と、いつも団体?で飲んでいたので、数十回に1回おごるとか、割り勘、或はお金がなくても先輩や同級生の女の子におごられて、けっこう飲んでいられた。だから今でも、当事おごっていただいた先輩には一宿一飯の恩義ではありませんが、頭が上がらないし、今でも決して払わしてくれずに、いつもおごって頂く始末。下級生の頃先輩におごってもらうのは当たり前だったので、自分が上級生になったとき、一生懸命アルバイトしておごったものです。

話がそれてしまいましたが、この本の中で幾つか気になった言葉。

 

・会社というもののは、経営トップの判断で変わるものです。言い換えると、経営トッ プの判断でしか、変わらないのです。

・真似は最高の創造

・学ぶことは真似ぶこと

・1つの縁が次の縁を呼び力、縁波力(えんぱりょく)

・温故創新

・問題意識を持てば、絶対答えは見つかる!

とっても、むちゃくちゃ元気になり、参考になる本です。是非ご一読を。

 


言葉のチカラ

2007-10-08 | 日々雑感

今日は体育の日ですが、10日の会議の資料をまとめるため出社。3連休とはいえ、なんだかんだといって仕事が入ってしまい、3日間休めるわけではないが、貯まっている細々とした仕事や普段行けない呉服店さんにお伺いしたり結局は仕事をしているのだが、なぜか気分はゆったりしている。机の前には1998年だから、もう10年も使い込んでいる「志村ゆうの美仕事のことばめくり」というカレンダーが貼ってある。毎月31日、31の当意即妙な言葉が書かれている。例えば今日、8日は「はたの人にめいわくをかけるとはためいわく、楽にさせるとはた楽になるよ」。明日は「やる気、ほん気、こん気、奇跡を起こす」。言葉の料理人と自らを称し、「nonno」や「義理チョコ」などのネーイミングはじめ、数々の流行語を作り出す言葉の料理人、志村さんのカレンダー、かなりがたがきているが捨てられない。言葉と言えば、中野裕弓さんの「パワーカード」。ふらふら迷う心を言葉のチカラで励まされることが多い。中野先生は、疑問や悩みをもったら、すでにその答えは自分の中にある、と言う。言葉に共鳴するのは、そのせいかもしれない。

 

カレンダーと言えば、当社として20年ぶり。会社を作った頃有名イラストレーターと3年間作り続けたが、こちらのチカラ不足で4年目で断念。そんな経験があったので、今回は慎重?に考えて昨年から制作を開始。きくちいまさんとアレコレのコラボした「きものイラストカレンダー」。イラストとエッセイという独特のいままでにないスタイルのカレンダーで、大好評。今年は昨年以上の力作です。多くの方に買って、使用して頂ければ、こんなにうれしいことはないのですが、まだまだ宣伝力が足りないのか、昨年の部数を越えたものの、目標には未だ7掛け。昨日きくちさんから下書きが届いたが、なかなか面白いし、きくちさんらしいアイデアに富んでいる。残り1週間の勝負ですが、何とか目標をクリアーしたいものです。


屋外広告追放!

2007-10-07 | 広告

東京新聞の土曜の夕刊に木村太郎が「国際通信」を連載している。テレビでは、少しボケたような雰囲気を漂わせているが、連載はなかなか多岐にわたり政治情勢から芸能、スポーツまで世界のニュースを幅広く取り上げていて、面白いコラムで、私は毎週心待ちにしている。昨日は「南米に広がる新たな”革命”」と題し、サンパウロ市で「街の浄化」条例が可決され、今年初めから一切の屋外広告が禁止された、ことを話題にしていた。広告に携わっているので、各国各地で規制が多少はあるのは知っていたが、全面規制と言うのは始めて今回のコラムで知った。

コラムによると、サンパウロ市の規制は、いわゆる屋外広告のビルボード始め、ネオンサイン、電子広告ほか、店舗や企業の広告も、通りに面した建物の間口の広さに従う基準によって激しく規制され、バスやタクシーなどのボディーに広告を掲げることも禁止され、飛行機や飛行船による宣伝活動もできない。加えて、道路上での広告宣伝物の配布も禁止された。しかし、実際市内の13,000ヶ所に設置されたビルボードが廃止できるか疑問視されていたが、今年1月、法律が施行されるとさしたる混乱もなく姿を消し、人口1千百万人の都市がスッキリした。その後リオデジャネイロ、ブラジリア、さらにはアルゼンチンなど南米諸国から、パリやモスクワ、サンフランシスコなどでもいまや同様の規制が検討されていると言う。サンパウロ市の条例に対して「表現の自由に反する」「街の活力をそぐ」などの意見もあったらしいが、何よりも屋外広告がなくなった街がスッキリ、新鮮に見えたことで、反対論は下火になったという。

さて日本。いまや大都市といわず、そこら中に屋外広告が無秩序にあふれ出し、都市の美観を損なうだけでなく、精神的にも苦痛と、問題が続出している。さらに渋谷や銀座では電子広告が小刻みに映像や聞きたくもない音楽、コマーシャルをのべつまくなしに流し、バスにはボディ広告が施され、宣伝のためにラッピングされた大型宣伝トラックが、聴きたくもない音楽をかけて、2台3台と連ねて、騒音を撒き散らして走り回っている。さらにティシュやフリーペーパー配りから、勧誘まで街に広告や宣伝があふれかえり、エネルギッシュな都市の景観を作り出している。しかし、もしこれらの広告や広告活動が一切なくなった景観を想像してみると、何かにあおられるような生き方から、解き放たれ、普通の生活が取り戻せるような気がするが、どうだろうか。


きもの自由区

2007-10-06 | きもの

3日間で数十万人が集まる、自由が丘最大のおまつり、女神まつりが今日から始まった。このおまつりの初日に合わせ、思い思いのきものを着て街を散策しようと言う企画「きもの自由区」がM店で始まった。お客様40名にスタッフ30名ほどが、着物を着て参加。スタッフのほとんどが男性。そのきもの姿たるや、年配数人がアンサンブルで、あとはおしゃれなコーディネイトで、女性よりもバラエティに富んでいて面白い。私などオーソドックスなきものスタイルが好きなので、新鮮で、今後のきもの揃えに大いに参考になった。街を歩いていても壮観で、やはり女性の着物姿以上に注目を浴びていた。洋服姿ではこんな注目を浴びることもないと思うし、若い男性のきもの姿は洋服より数倍カッコいい。男性が触発されれば面白いのですが、自由が丘は若者に人気のデートスポットだし、今後が期待できそうです。きもの自由区は、隔月で開催するそうですが、街の風物詩として、定着するといいですね。おとこの着物大全の早坂さんによれば、男性の着物市場は、女性と同規模はある、とのこと。伸び悩んでいる着物市場の救世主は、男かも。

 

帰りに本屋に寄ったら、2年ぶりに「KIMONO姫⑦」が出ていた。テーマは「晴レの日編」。2002年アンティーク着物ブームの引き金にもなったKIMONO姫が、アンティークながら「晴レ着」を特集しているのは面白い。晴れ着もこれから、新たなトレンドになるかも。

 

 


着物で行かなきゃ?!

2007-10-03 | きもの

今日は午後から、主だった社員に加え、取引先や関係者を招待して、新たな1年の指針を説明し、関係者の理解、協力を求める中堅呉服店M店の経営計画発表会。朝から気にしているのは、今にも雨が降りそうな空模様。この春からM社長も業界人が積極的に着物を着なければと公言し、実行しているのを知っているし、今日のような晴れの場であれば当然業界に関わる人間として、M社長に敬意を表する意味でも、着物で出席!とは思うのですがー。朝から遠方での打ち合わせ、空模様を考えると悩んでしまう。とはいえ、やせ我慢?してでも、やはり着物で行かなきゃ、いけないでしょうね。

 

今帰ってきたところですが、どうにか雨も降らずに助かりました。経営方針発表会は社員60人、取引先40人という大人数で、大盛況でした。社員の方は流石で、女性はほぼ100%着物、男性社員は60%が着物。背広姿の方も、いかにも「着物でなくて、すみません」と恐縮のてい。それに比べ取引関係者は、私を含めわずか4人しか着物を着ていなかった。来賓は背広姿で挨拶。京都から来るということがあるにしても、問屋さんやメーカーさんが相変らず、消費者が言うところの七不思議の1つ、ナゼ関係者が着物を着ないのの通り。着物は売るもので、着るものじゃないとでも思っているのでしょうか。昨年来、業界には猛烈な逆風が吹きまくり、変わらなきゃ、もっと消費者に近づかなければ、と言いながら、自らが変わろうとしない。これでいいのだろうか。それに比べれば、日々お客様と接している呉服店は、着物は着るもの、を猛スピードで実践、体験している。頭で考え、口先で言うより、着物を着る方がはるかに消費者、着物を着る人の思いやニーズがわかると思うのですが、どうでしょう。

 

この会で男の着物大全の主宰者・早坂伊織さんと第1回目の集いを東京で開いて以来、久し振りに、お会いした。いまは会社をやめ、男の着物普及のためにコンサルティング活動や講演に忙しい毎日を送っているとjか。業界のため、強力なサポーター役を買って出ている早坂さんですら、ナゼ業界人は着物を着ない、と業界人の自覚を強く求めている。早坂さんの話によると、いま1回目の男の着物大全に集まった、着物に濃い男達が同窓会を開こうかと言う話があるそうです。もう7年位前になるのですが、当時は早坂さんも広島に住んでいたので、休みを工面しながら、熱い思いを持ち、私も含め、みんなが手弁当で会を開催したことを懐かしく思い出しました。


大食いの美学

2007-10-02 | 広告

久し振りにテレビ東京の「元祖大食い王決定戦」を見てしまった。ジャイアント白田、ギャル曽根を知っていたので、まして今回で引退!なんて話もあったので、だらだらと見てしまった。しかし、大食いといいながら太った人が1人もいないのにはビックリ。ギャル曽根にしてもあの小柄な、スリムな身体で、ビックリするほどよく食べる。途中、いまや伝説の赤坂さんも出てきたし、懐かしい。司会の中村有志は、かなり年をとった。テレビチャンピオンが始まった頃は、それこそ東京ローカル、B級番組をてらいもなく放送しているテレビ東京を贔屓にして、毎週見ていた。中でも秀逸が、この大食い選手権。随分長く続いた番組なのだと改めて関心。

それにしても赤坂さんもかなり食べ方が汚かったが、どこか愛嬌があった。しかし今回の出たひみつの実桜ちゃん、子連れの菅原さんなる2人の女性の食べ方は、もう汚かった。口からはみ出そうが、あごや頬にこびりつこうがお構いなし。食べているところを人に見られる、かなり恥ずかしいし、なかなか勇気がいること、だと思う。親しい仲じゃないと、食事は緊張しますよね。昔デートで、焼肉食べに行けるような仲なら、もう親しい一線を越えた間柄だよね、ナンテ話していたことがあるが、結構好きな女性の前で大口で食べるのは、お里が知れるようで、気取った関係ではなかなか出来ない。それを堂々とやっているからこの番組が人気があるのだろうが、それにしてもただ大食いならいいというのではなく、大食いの品位、美学というのがあるように思う。

いまギャル曽根が人気があり、タレント活動をしているが、彼女の食べ方を見ていると、大食いながら、食べ方がきれい。大食い番組は、まねして事故死した人がいたり、もったいない、など様々な批判がある番組だけに、そういう正論を主張させないで、違う次元に引き込み、驚かせ、フアンにさせないまでも、好ましく思わせるには、それなりの頭のよさや時代の空気を感じるセンス、美学がなければならない、人気者になれない、そんな風に思います。そういう意味では、濃いキャラがいなくなるのは、ちょっとさびしい限りです。

 


だまってー

2007-10-01 | 日々雑感

だまって今日の草鞋穿く

 

待ち合わせ時間に30分も早く、時間つぶしに久し振りに買った夕刊フジ。パラパラ読んでいて目に飛込んできたのが、この山頭火の句。一度OKし、動き始めたのに、「とても出来ません」とは、いまさら責任ある人の言葉とは思えない。思うような代案も思い浮かばず、出たとこ勝負で話し合う前の割り切れない気分にピッタリか。波乱の10月のスタート、さてさて、どうなるやらー。