最近、若い人が自動車に興味を失くしてきた、という。数年前までは、初任給をもらって欲しいもの、買いたいものは、クルマがナンバー1だったそうですが、いまは違うという。ライフスタイルの変化や都会では車庫など維持するのが大変とか、様々な「買わない理由」が上げられており、どれもなるほどと納得するような理由ばかり。その中でウ~ンとうなってしまったのが「自動車会社が若者に魅力的なクルマを提案できていない」という自らの商品政策やコマーシャル政策の間違い、というのがあった。どこも軽自動車だ、ファミリーカーだと、自動車をファミリーのもの、下駄代わりのものとイメージ創ってきてしまったため、若い人たちにとってクルマは魅力的な存在ではなくなってしまった、というワケです。世の中の流れ、というか売れるものを追いかけたため、みんな自動車メーカーが同じような方向に雪崩を打ち、クルマは若者の商品ではなくなってきてしまった。
昔「ケンとメリーー愛のスカイライン」というキャッチフレーズで日産がスカイラインの宣伝をしていた時期がちょうど私の学生時代にあった。当時は、クルマは恋に不可欠で、クルマがないことには愛が生まれないかのようなイメージもあった。恋人を車に乗せ、コマーシャルのようなシーンへと思ったもの。コマーシャルが大きな影響を及ぼし、時代の空気を作った。もちろん消費者ニーズという下地はあったにしろ、コマーシャルが確実に背中を押した。その反省からか、いま日産は、「日本に、クーペのときめきを」というキャンペーンを展開し始めた。
雪崩を打つように1つの方向に、世の中にそういう部分がクローズアップされているとはいえ、例えば振袖。レンタルだ、写真だ、という人が増えているという世の中の流れがあるのは事実。しかし皆がレンタル、写真だけではない。それが賢い選択でもない。プレゼンする方が、そこを読み違え、表層的にブームに雪崩を打ってしまっては、振袖を購入しようとする人は、どうすればいいのか。日産流にいえば「振袖を買う、ときめきを」どう共鳴、協調してもらえるようなプレゼンできるか、そこが問題。そのことをアピールしなければ、確実に世の中、振袖は買うものではなくなってしまう。目先を追わないで、しっかり王道を歩まねば。それこそ、時代なんて、あっというまに変わってしまいますから。