独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

ちくわパン

2008-02-29 | 日々雑感

昼食を食べ損なって、3時過ぎにコンビニに。いつものコンビニではなく、斜め前にあるファミリーマートに。さすがに昼時を過ぎているので、おにぎりがパラパラあるだけで、仕方なくパンコーナーを物色していたら、こんなパンを発見。余りの驚きに手にとってしまった。製造元を見ると名古屋が本社のパン屋さんで、名古屋かと、なぜか納得してしまった。堂々とコーナーにたくさんある、チカラを入れているんだと思ったが、いや待てよ、案外売れないから残っているのかも、なんてしばし逡巡。、レジで「こんなパン買って変な人!」と思われないか、思うはずないのですが、どこかビニ本を買ったときのようなそわそわドキドキを感じながら「ちくわパン」を購入。105円。ブログにアップしたいので、家に持ち帰り、結局ビールのつまみに食べてみましたが、案外と食感も味も合格。こんなパンフ考え、作った会社に妙に感心してしまった。


2008-02-28 | 日々雑感

頂いて以来3年ぶりに、昨年初めて花咲いた胡蝶蘭。今年はダメかな、と思っていたら1月に枝にポツンとふくらみができ、もしかしたらと期待していたら、今年もまたまた花が咲きました。2年連続の快挙。それがこの写真なのですが、ナントナントまだまだつぼみを持っていて、これから1ヶ月くらいは楽しませてくれそうです。毎日の出社が楽しみで、花があるということが、こんなにも楽しみを与えてくれるなんて、思いませんでした。もうすぐ、春ですね。


ブックディレクター

2008-02-15 | きもの

企画立ち上げから本の品揃え、開店後の商品管理、販売促進まで、クライアントの想いを丁寧に聞きだし、本棚を構成してゆくブックディレクターという職種があるのを初めて知りました。旅の本屋・青山のBOOK246、六本木にできた国立新美術館のミュージアムショップの本棚の品揃え、とても以前から気になっていたのですが、これらの本棚を作ったのがブックディレクターの名付け親であり、本のセレクトショップとも言うべき空間作りを職業にしている、幅充孝(はばとしたか)さん。最近はアパレルやインテリアなど異業種の店内に本のスペースを作りたいという要望が相次いでいるそうですが、「ネットで本が買える時代に本屋さんが果たせる役割は、これまでも見たことがない作家やジャンルに図らずも出会ってしまう場を作ること。本屋さんに人が来なくなってきているんだったら、こっちから出てゆくしかない」と本の面白さを伝えてゆくショップ作りに邁進している。

考えてみたら大型書店に押され、町の本屋さんはどんどん姿を消していますが、個性的な専門書店はむしろ増えている。例えば時代小説や歴史モノ、さらには関連の雑貨に特化した時代屋。演劇関係の本やプログラム、或は落語だけに特化した本屋さんなど、思いがけない、今までにない本屋さんがゾクゾク誕生している。

きものでも様々なコンセプトの新ショップが誕生しているが、「着物を楽しく見せてくれる呉服屋さん」というコンセプト、そんなお店があってもいいかも。もし自分ならどんな呉服屋さんを作ろうか、どんな品ぞろえでと、考えていたら思わぬ時を過ごしてしまったが、ブックディレクターならぬ、呉服ディレクターがいても良い時代かも。

婦人画報の3月号は、「これからが、きもの適齢期」ときもの美を愛でることで、更なる品格が磨かれると、美しいきもの姿を演出する長襦袢や小物、そしてコーデイネイトを特集。着る人だけでなく、周りの目を和ませ、楽しませてくれるきもののチカラに気付きはじめた人が、なにやら増えてきたいま、タイムリーな旬の特集です。


最初は3個

2008-02-14 | 日々雑感

今日はバレンタイン。義理チョコや本命チョコ、ありがとうチョコ、ファミリーチョコ、義理チョコ、癒しチョコ、励ましチョコ、母心チョコ、仏前チョコ、海老鯛チョコ、仲直り・リセット型チョコ、二股三股チョコ、ひょうたんから駒型チョコ、衝動買いチョコ、男性の見栄っ張りチョコ、自分用ご褒美チョコ(マイセルフチョコ)…など様々に変化し、贈る目的や人は幅広くなっているのだそうです。このバレンタインにチョコを贈るイベントを企画したのがメリーチョコレートカムパニーの原社長。同社でアルバイトをしていた時に大学時代の先輩の商社マンから届いた一枚の絵葉書にヒントを得て、1958年に伊勢丹で3日間、バレンタインフェァを開催したのが始まりだそうです。この3日間で売れたのは3枚の板チョコ。しかし結果は散々でしたが翌年も伊勢丹は取り組み続け、やがて女性誌が巻頭特集などを組み、2月の風物詩になったそうです。アルバイト学生の提案を受け入れた社長も偉いと思いますが、わずか3枚の結果にめげずに続けた伊勢丹や関係者も偉いものです。いまや700億円、同社だけでも1、2月で年間売上の3割、62億円にもなる大きなマーケットですから、隔世の感がありますね。

しかしバレンタインが大化けしたのは、何よりも、恋人同士だけではなく、会社や友達、家庭など様々な人間関係の中で、普段の感謝や普通いえない「想いを伝える日」として、業界が仕掛けた以上に消費者が利用、便乗?した様々な遊び心、楽しみ心があったからこそ、わずか3枚からここまでの市場をつくり、一大イベントになったのだと、改めて気付かされます。我が家でも娘が友達とボーイフレンドにプレゼントする手作りのクッキーのお裾分けとして、私にも息子にも高くつきそうなプレゼント。3月14日のお返しのホワイトデー、この日を設けたのもすごいアイデアですね。ちなみにホワイトデーは「愛にこたえるホワイトデー」として、飴菓子協会が1980年にイベントとしたものだそうです。


銀座・曙

2008-02-13 | きもの

今日はお手伝いしている呉服店グループの月例会。昨年からシリーズで企画している「銀座の女性経営者」の特別講演、第1回の銀座テーラーの鰐淵美恵子社長に続き、今回のゲストは銀座・曙の細野佳代社長。3代目の女性社長になってから快進撃を続け、その経営手腕が注目されてる旬の人。小柄ながらパワフルで、しなやかな語り口からは、好きで好きで仕方がない和菓子の仕事をしている思いが伝わってきます。おなかを満たすだけでなく、心を満たすお菓子作りを目指す、という細野社長の強い思いは、売り場に行けば一目瞭然。そのための様々な水面下の努力は、一言でいえば全社員がお客様の声を真摯に聴き、応えてゆこうという積極的な姿勢。お酒も好きですが、実は大の甘党の私。時々無性にアンコ系が食べたくて、あけぼのの白玉豆大福や餅どらを密かに食してる私ですから、以前から月に1度程度は、お店をのぞいていたのですが、今回は講師をお願いしたこともあり、数箇所の売り場で買い物をしましたが、一期一会のお客様との出会いを大切にする曙の売り場は、どこもとても気持ちが良い。そのため多少、いや大分お腹が出てきたように思いますが、細野社長の講演からは本当に学ぶべきことがとても多く、参加された皆さんもたくさんの刺激を受け、大満足。今日までの準備にアレコレあった講演でしたが、皆さんの輝いた顔を拝見していると、本当に心地よい疲れと、充足感があります。疲れた足も心地よく運び、夜は心満ちた1日の余韻に浸りながら、美味しいお酒を飲むことができました。


それは嘘かもしれない③

2008-02-12 | きもの

このブログの中で一番コメントが多いのが日本和装について述べた「それは嘘かもしれない①」。2005年11月28日、もうすでに2年以上が経過しているのですが、時々コメントが入り、いま35のコメントが寄せられています。最新は昨日、2月11日。2回のセミナーで、しっこく販売を強要されて帰るに帰れず困っている人のことを、いくらなんでもやりすぎではないかとコメントしている。

1月末から「春は、日本和装から」と世界的なスター・渡辺謙がほほえみ、「キモノから、和の文化に触れてください」と美辞麗句を連ね、4ヶ月無料きもの着付教室の生徒募集を新聞、テレビ、チラシと大々的に広告しているている。新聞やチラシには小さな文字で「期間中2回のセミナーでは、協力企業から直接ご購入いただくことも可能です」とあるが、実際は多くの方がコメントに寄せているように、無料着付け教室の目的が、このきものと帯のセミナー=販売会にあるので、集まった生徒さんに「しっこく、買うことを強要」し、数年来社会問題化している。

 無料着付け教室の実体は、販売目的を隠して、無料を誘い文句に生徒募集という名目で集客しているが、きもの販売業となんら変わらない。実際に日本和装ホールディングス㈱は、文化PR事業=販売仲介業を含むと明記し、きもの、帯の円滑な流通を可能にする事業展開をする、とその事業目的を明記している。しかし世間には、あくまでもきもののPR、和の文化の紹介のために無料で着付け教室を開催しているとトリックにかけている。無料着付教室のカリキュラムの中にある2回のセミナーは、カリキュラムの一貫で、買う買わないはあなたの自由で、もし悪いとすればセミナーを担当した問屋やメーカーで、日本和装は関知していませんよ、というポーズをとっている。しかし日本和装の売上の中核は、、この2回のセミナーでの呉服販売仲介手数料が積み重なってのもので、19年度の売上はなんと約62億円、純利益約9.6億円。とてもとても、真っ当な商売とはいえないのではないでしょうか。せっかく着付教室を通して着物を着る楽しみを知った人たち、実際に日本和装で習ったことを感謝している人も多いのですが、同時に本来なら楽しいはずの授業や買い物が、売りつけられた、先生への義理に負けた、家計を圧迫するような分不相応な買い物、不適正な価格だったなど、苦い思いや後悔、嫌な思いをした人も多いのも事実。余りにも苦情や泣き寝入りが多くありませんか。これ以上せっかくきものに興味を持った多くの人たちに1人でも嫌な思いの人を出さないよう、日本和装には、ビジネスの透明性を高め、早く真っ当なビジネスに戻してほしいものです。


和のおケイコ道

2008-02-10 | きもの

巷では「着付けがブーム」。また気軽にカンタンに着付けを学べる着付け教室やきもの学院、呉服屋さんの教室や文化サークルなど多種多様の着付け教室がある。しかし「ただより怖いものはない」と昔から言いますが、無料といいながら着物や帯を売りつける悪評高い○本○装など危ない、怪しげな着付け教室もあるので、要注意です。

3月号の女性雑誌「クレア」の特集は、「女を鍛えるおケイコ道」。入ってしまえば敷居も高くない、得るものが大きい和の世界と、華道、茶道、着つけ、書道、邦楽器が知性と品格を極める、和の五大おケイコとして特集されている。いままでも和のお稽古特集はあったが、着付けがここまで注目されているとは、驚き。

特集で女優の田中麗奈のコメントが印象的でした。中国に行ったとき、中国の俳優さんたちが芸事や舞踏などの文化に精通しているのにカルチャーショックを受けたそうです。中国では俳優になるには演劇学校を卒業しなければならないので、学業としてしっかり勉強していて、色々な芸を極めている。それに対して日本の俳優は、感性や演技力を重視する。私も感覚や感性だけで演技してきたが、知識の深さや芸の素晴らしさを学ばねばと、「日本の文化でお芝居に活かせる何かを身につけたい日本舞踊、着つけ、茶道、華道を一通り体験した上で、先ずは茶道と着付けを習い始めました。和のお稽古を通じて、五感が研ぎ澄まされる」とコメント。

 

 

 

 

 


成人式を考える③

2008-02-03 | きもの

今朝は都心には珍しい一面の雪景色。各神社での節分の豆まき、大変だろうな。いや風情があっていいだろうか、など考えながら先週打ち合わせにお伺いした折に頂いた大杉神社の「開運蓄財招福圓満・福豆」「悪厄邪気病魔退散・遣豆」の2種類を年の数だけ、いっぺんに食べると口一杯になってしまうので、12個ずつ小分けにしながら、噛締めながら食べた。それにしても年の数だけ、というのは…。今年は良いことあるでしょう。

さて新成人式研究会のメイン活動に「新成人を祝い、激賞し、社会の一員として迎え、地域社会に活力を与えるような企画、運営、進行した成人式」を表彰する制度がある。1回目は残念ながら「成人式大賞」に該当するものがありませんでしたが、このとき注目を浴び、「成人式アイデア賞」を受賞したのが水沢市(現・奥州市水沢区)の成人式。

成人式2

水沢市の成人式の模様はNHKが平成17年に「にんげんドキュメント・二十歳のあなたへ ~手紙で祝う成人式~ 」が放送され、一挙に有名になりましたが、成人式当日に運営委員会が700通以上の家族から新成人の誕生にまつわる思いや感動、共に歩んだ道のりなどに触れた手紙を預かり、会場で手渡すというもの。また代表で数名が壇上で思い出のスライドを会場に映し出しながら、手紙を朗読し、会場内の新成人と共に家族の絆を見つめなおし、そしてかけがいのないものは何かを考えるきっかけなっているそうです。

水沢市では平成9年に市職員を中心に前年度の成人、これから成人なる中高生、ボランティア研修を受講した青年、婦人会などを運営委員会として組織し、新成人に生涯の思い出に残る1日をプレゼントしたい、その思いから記念行事を企画したそうです。成人式では新成人の私語が多いことが話題になりましたが、新成人もさることながら親たち大人の私語が多いのも問題でした。あるとき上司の「家族から新成人へのメッセージ、手紙に取り組んだら」のひとことで手紙をと企画はスタートしましたが、当初は教育委員会では誰も書いてくれないよと取り合ってもらえず、何とか理解を求めて実行に踏み切ったそうで、1年目は800通の呼びかけで100通そこそこ。その後、200通,300通,400通と増え、今でな約7割の返事がいただけている。新成人にわからないように家族から手紙を預かるのは大変な作業で、やもれなく親に書いていただくようにどうしたらいいか、親御さんがすでに水沢市を離れているというケース親のいない子にはどうしたらいいか。中には夜遅くまで市役所で仕事をしていると税金の無駄遣いだとしっこく電話いただいたり、いろいろありました。しかし当日受け取った新成人は、本当に喜んでいただき、新成人も感動してくれるのでやりがいがあると思って続けてきましたと、担当者の熱意と粘り強い活動多くの人の協力があって、今では「水沢方式」といわれるほど有名になり、各自治体が水沢市の「手紙」の企画を様々にアレンジ、発展させて成人式に企画しています。

(続く)


成人式を考える②

2008-02-01 | きもの

「新成人式研究会」が発足した平成13年当時、3,249の市町村があり、新成人が4名、1名とわずかな2村を除き、3,247の市町村で成人式の式典が行われていました。また出席率は昭和40年に全国平均60%前後をピークとして下降し、平成5~7年に再び上昇。問題になった仙台市では昭和40年の65%が最高で、平成6年59%、7~9年55%となり、平成13年には33%まで急降下しましたが、今年は約13,400人のうち5,200人が出席し、場外に約1,800人(出席者に数えるのかな?)、計7,000人、約53%が出席したそうです。同じ宮城県でも13日開催した市町村では中学校区ごとに開催したので82%の出席率。

新成人研究会が発足し、成人式の情報を集め、公開してから、仙台市や横浜市のように1ヶ所でいっぺんに万単位の新成人を集める成人式がある一方、中学校の学区ごとに中学時代の恩師なども交えた比較的数百人から千人程度の小規模の成人式もあること。当然、マンモス会場での開催の方が荒れる可能性も高いし、出席率も55%前後と全国平均より低め。中学校の学区単位だと、名古屋地区など限りなく100%に近い出席率で驚かされます。開催日も成人の日以外にも正月休みや夏休みの帰省に合わせ、正月3日、4日、5日、さらに東北では雪が深いので3月、5月、或は第2日曜日を成人式として、翌日の祝日は家族、友人と成人式を祝ってと、第2日曜日開催が増えているなど、それぞれの地域の状況に応じて成人式が開かれていること。さらに式典の出席者やゲスト、開催時間、アトラクション、記念品など様々な成人式の情報が全国レベルで集計、公表されたことは、特に成人式を担当する各自治体の担当者には、大変参考になっただろうことは容易に想像できます。

(続く)