独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

ローマ字から平仮名へ

2007-02-28 | きもの

繊研新聞社の季刊「KIーMONO]のタイトルが17年ぶりにローマ字から、平仮名に変わった。時代の流れが、平仮名に変えさせたんでしょうね。春号はタイトルだけでなく、誌面も意欲的に変わりつつあるようで、特集は「きものはどこに向かっているのか」。なかなかの力作で、示唆に富んだコメントが多く必読です。

『季刊Ki-mono』2007年春号(No.167)

それにしても出版界は、和ブーム。2003年に出版された「日本人のしきたり」が版を重ね45万部の大ベストセラーに。旧暦、月、二十四節気、歳時記、しきたり、歌舞伎、落語、そして、きものと日本文化への憧れは、幾筋もの流れが合わさって、大河になりつつあるように思います。ためしに本屋さんの書棚や平台をご覧になってみるといいと思います。その中でもきもの本は確実に売れるミニドル箱で「きものブーム」。わずか2ヶ月ですが、分かっている範囲でも以下の冊数。一度手にとって見てはいかがでしょうか。

●新しい四季の着こなしとコーディネート「カジュアルきものライフ」土屋眞弓・日本文芸社(著者は土屋アンナのお母さん)●いつもの着物+コモノ「着物コモノ」竹蔵龍・メディアファクトリー(著者は、ネットショップ「キモノコモノ竹蔵龍」のオーナー)●もっと品よく着こなすために…「安心の着物あわせ」・主婦と生活社(12人が私流のコーデイネートを紹介)●映画に学ぶ、きものの手本帖「着物女のソデヂカラ」・ブルー・インターアクションズ●洋服感覚でキモノを楽しむ!「CLAMPもこなのオキモノキモノ」CLAMPもこな・河出書房新社(著者は4人の人気漫画家集団)、●そのほか「きもの噺」「池田重子の美の世界」「THEきいちのぬりえ・着物編」「服飾文化研究会きもの目録2」「古布、きもので作るおしゃれ服」など


呉服店の怠慢!?②

2007-02-27 | きもの

2月は「逃げる」とよく言われますが、いつもより2~3日少ないのは、月末までに目途をが沢山溜まっている私には痛い。1ヶ月以内に集計する予定だった「アレコレ表参道のイベントアンケート」、ようやく本日まとめ、関係者に発送し、少しはホッです。

■呉服店のお馴染みになりたい!

アンケートのことで、幾つか気付いたことがあります。アンケートは、53名参加のうち46名の方に提出いただきました。中には帰宅途中で気付いて提出いただいた方や、後日郵送くださった方などもいらっしゃって、ありがたいことです。数は少ないのですが、貴重な意見やデータが多くありました。参加者は30代が70%、きもの歴1年未満~2年が52%。リサイクルショップや古着市、ネットなど呉服店以外できものを買い、月に4~5回きものを着て、楽しんでいるメイメイいうところの「きもの新人類」。彼女たちは同時に「木綿大好き」で、1人あたり2枚所有している。木綿は、比較的古着が出ないので、81%が呉服店、デパート、ネットで新品を購入している。しかもこの1~2年以内に最初の1枚を買い、次の1枚へと連続買いし、最多は8枚も。いまのところ彼女らは、正絹ものはリサイクルで、「木綿は新品を購入」という流れのようです。更に木綿は最初の1枚はじめ、94.1%が「単衣」。今まで「秋冬は袷で」というきもののしきたり、常識を超え、「木綿は単衣でOK!」が広く普及していて驚かされます。

また「リサイクルきもの」や「木綿」は、「安いから売れる」という説がありますが、データからはむしろ「簡単、気軽に着られる」という「きものを着る心理的な負担」が少ないので、着物始めに選ばれているように感じます。私は密かに木綿を登竜門のきものと称しています。しかし、寸足らずでも惜しげもなく着てきたからこそ、リサイクルきものの限界を知り、自分の好みや問題点も実感し、いよいよこれから本格的なきものライフの入り口をいま模索しています。実際「きもの新人類」の67%が「お馴染みの呉服屋さんを持っていない」が、そのうち、83.7%が「持ちたい」と思っています。どうしたら、いい呉服屋さんと出会えるかが、いま彼女らの切実な問題。昔から呉服店は「敷居が高い」といわれてきましたが、いまだに敷居が高いと思われています。もっと呉服屋さんも、敷居を低くすることを真剣に考えて欲しいもの。きものが一番面白くなり始めたきもの歴「1年未満~2年」の人ほど、知りたいこと、教えてもらいたいことが沢山あり、ネットや友人では解決できないプロの知恵を持つ、親切で、信頼できる呉服屋さんとの出会いを真剣に探しています。「これから着たい」「もっと着たい」というきもの新人類が呉服店を渇望しているこの千載一遇のチャンスを是非、呉服店には活かして欲しいものです。表現は悪いのですが、見える魚ほど釣るのは難しいそうですから、しっかり腰をすえて、取り組んでください。きもの新人類こそが、これからのきもの市場の中核を担う客層になることは間違いありません。


呉服店の怠慢?!

2007-02-26 | きもの

【革命児・吉田重久が「きもの業界の常識」を超える!―日本和装の挑戦】という本がIN通信社から出版された。いわゆる企業PR本で、日本和装の宣伝本。旧態依然とした問題点の多いきもの業界、跳梁跋扈する悪徳商法の餌食にならないようホワイトナイトとして日本和装を位置づけ、「理由なき繁栄はない!」と122,000人の修了生、昨年秋には全国387会場、1869クラスの無料着付教室を開校し、これらの修了生たちが新しいきもの市場を創造したと、褒めまくっている。

日本和装のビジネスは、民放TVと同じく、メーカー、問屋から宣伝費、販促費をもらい、無料着付教室という場を設け、人を集め、宣伝費、販促費を出したメーカー、問屋のきものを宣伝、販売する機会を提供することで、一切きものの販売には関与していない(適正なビジネスとなるように指導はしている)と、ビジネスを定義している。無料着付教室を主催する「日本和装」に加え、きものの検品から納品までを担う「糸の匠センター」、仕立ては「日本和裁技術院」、メンテナンスは「きものリフレッシュセンター」の4社が「日本和装ホールディングス」を構成している。そしていまや呉服業界の老舗、名門メーカー、問屋がこのビジネスを応援、積極的に参加していること。天下の野村證券が幹事会社になりジャスダックに上場、これらが日本和装のビジネスの正しさを証明しているとし、さらに無料着付教室に加え、「キモノおしゃれ塾」「和裁教室」「ランクアップ教室」「着付ワンモア教室」「1日セミナー」など多岐に渡ってビジネス展開し、日本和装は“きものライフ”の道先案内人で、きものの流通を促すけれど、「新手の販売業」ではないので、販売のクレームはお門違いとしている。

いまさら日本和装を云々はしませんが、この本の中で「消費者がきものを買わない理由は、4つある」と指摘している。この4つの問題解決をきもの業界が怠ってきた、特に消費者と接する「呉服屋さんの怠慢」と指弾し、その解決を図り、多くの消費者の支持を得たのが日本和装だと、話を展開している。その買わない4つの理由とは以下の通りです。

①呉服店は敷居が高く、1人で入るには不安

②消費者の余りにもきものの知識がないので、1人ではきものの良し悪しがわからない。自分だけの目利きで買うのは不安

③あれこれ押し売りされそうで不安

④仕立ての良し悪し、アフターケアはどうすればいいか、わからない不安

この4つの不安が、消費者をきものから遠ざけ、呉服店から遠ざけていると酷評している。フォーマルきものは格式も、知識も必要。フォーマル中心の今までのきもの業界は、いつの間にか自分たちに権威があると錯覚し、消費者を見下して、例えば安いきものをあつかわない、小物客をいい顔しない、下着などの小物を扱わない、…などなど本当に着物を着たい、着る消費者が欲しいものを提供してきていないのではないか、と厳しい。日本和装が伸びてきた大きな要因は「消費者の利便」を優先したこと、一方呉服店が敬遠されたのは、自分たちの事情ーきものをモノとし、売上至上主義を標榜して活動してきたから、と指摘。耳が痛い部分はあるが、大方の真っ当な呉服店なら、「とんでもない!うちはこんな店じゃない!」と怒り出してしまうだろう。しかし、反省すべき点はないだろうか。上記の4つの問題点?に対し、明快にお客様に理解していただき、日々新たな情報、サービス、商品を提供しているだろうか。これから呉服店が今まで以上に「消費者の良ききものライフの案内人、コンシェルジュ」となり、消費者の信頼と安心を得るために、どうしたらいいのかを考える反面教師として日本和装を考えれば、「今、消費者が望むものは何か」を真剣に《聞く、聴く、訊く》努力をすれば、「消費者がきものに心を向け、着たい」と思っているいま、自ずと活路が見え、洋々たる市場の可能性が見えてくる、そう確信しています。


優良顧客は、損?

2007-02-23 | 日々雑感

今月で朝日新聞を取るのを止めようと思っている。結婚以来だから20数年、引っ越してからも4年購読していて、何かがあった、という訳ではなく、余りにも何もないので止めようと思った。サービスのなさに少しづつ腹が立ち、沸騰点まで来たというところか。友人のOさんは読売新聞で、毎月美術館や映画などの割引券や優待券、時には洗剤はじめもろもろ、欠かさずに持ってくるとのこと。Aさんは我が家と同じ朝日新聞ですが、年に3回永年ご購読者サービスというのがあって、何がしかの挨拶があるとのこと。しかもこれは朝日新聞社の販売店援助の一環で、販売店が申請すれば補助をしてくれるとのこと。実家はさらに逞しく、半年契約で読売と毎日を切り替えている。「だってその方がサービスがいい。」つまり、洗剤とか、入浴剤などもって来るのでお徳、という。新聞なんて大差ない!と記者が聞いたら真っ青になりそうなことを平然といい、要はサービス次第で、新聞勧誘員とのやり取りを楽しんでいる風。

以前住んでいた時にも同じようなフラストレーションで1回解約したことがあり、電話したら、アラレによればすぐに店主が「何か粗相がありましたか?」とすっ飛んできたとか。何もなければ、ウンでもスンでもないのは、購読している方としてはどこか無視されたようで、年に1回くらいは「購読ありがとうございます、くらいの挨拶しろよ!」という感じです。以前はマンションのドアポストにまで新聞を持ってきたが、いまは玄関がロックされているので1階の郵便受け。しかも300世帯近くが入居しているのだから、配達は随分楽だし、新聞店にとっては効率のいいところのはず。新聞の顧客サービスは、販売店によって随分違うようですが、物言わぬ永年購読者にかまわず、新規の拡販や短期契約の継続に、というのは何かおかしくない、という感じ。

アメリカ映画などで、ことあるごとに「愛しているよ」と夫婦や恋人同士が言葉に出して愛情表現をしているのを見て、日本人は以心伝心だから…という話をどこかで聞いたことがありますが、こと顧客サービスに関しては、「ありがとうございます」をカタチでハッキリわかるように伝えてゆく必要があると思います。私の中に徐々に蓄えられてきたフラストレーションも、お客様として評価してもらえていない、という不満のなせる業と思っているのですが…、今回はどんな反応になるやら。


四半世紀ぶり…

2007-02-22 | 日々雑感

いつも元気で、人を明るい気持にする当社のアイドル?Sさん。親父が、Sさんが電話に出るとホッとすると言っていたが、明るく元気なSさんですが、苦手が幾つかあり、その1つにお祝いに頂いた蘭などの鉢物が盛りを過ぎると枯れてしまう、というのがある。しかし今回は違う。確か3年前に頂いた蘭の鉢植え、この2年間は根っこばかり伸びて、どうなっているのと思っていたが、2人の女性が毎朝水注ぎ、励ましてきた甲斐があってか、2月はじめから蕾らしきものが見えてきた。もしかしたら、と期待していたらこの1週間で一気に蕾が膨らみ、今朝花が咲いた。それがこの写真なのですが、ナント四半世紀ぶり、初めての快挙。このままだと一気に花が咲くんだろうな、とワクワク。この2年間の下半身? 根っこの成長があってのことなんだろうと、やはり見えないところで成長、努力しなけりゃ花も咲かないよ、なんてこじつけてやたら感激しているのだが、たかが花なのにと思うが嬉しい。当社に、春がいち早く訪れたようです。


イギリスでは…

2007-02-21 | きもの

学生時代の旧友と昼食。ご主人はこの3月に定年退職。そんな近況を話しながら、消費者センターに関連するお仕事をしているので、昨今のクレームについてお聞きすると、T社の残党のクレームが最近寄せられているとか。大体消費者センターに相談に来る方は、計画性や折衝能力がない方、気の弱い方、あるいは営業マンを前にすると何も言えなくなってしまう方が多いそうです。どうも営業マンに隷属するような関係で、いわれるままに買ったり、判を押したりしてしまうのだそうです。何か怖い経験やトラウマがその営業マンとの間にあったのかもしれない、とのこと。嘘でしょ!というような不思議が沢山あるそうで、そういう不思議な方が消費者センターに多く来るそうです。消費者センターの1つの仕事に、悪徳商法により破産状態になっている人を救済してゆかねばならないのですが、もちろん消費者に問題があるものは取り上げないので、消費者センターが取り上げる問題は、余りにも販売側が「それはあこぎじゃない!」という問題ばかりだそうです。

そんな中で悪徳リフォームやT社の倒産以来、関わっている信販会社の責任問題が様々に議論されているそうです。イギリスの信販会社は、小売店の問題は信販会社も共同責任と考えて対処しているそうです。ですからイギリスでは商品に問題があっても信販会社が責任を持って対応してくれるので、現金やクレジットより、信販会社を使うケースが多く、EC国内でも信販会社のシェアーの40%をイギリスの会社が占めるそうです。問題は、日本の信販会社は一番大切な「契約者の与信枠審査」のノウハウがないそうで、驚きです。今後イギリスのようになるかどうかは分かりませんが、信販会社の社会的な存在価値、責任が問われてくることは間違いないでしょうね。

最近目立つのが甥などが、お金を持っている親戚に高額品の販売店を紹介して、コミッションを小遣い稼ぎするケースが結構増えているとのこと。ボケた叔母さんをお店に連れて行って買わせるそうで、数%なんて可愛いものではなく、販売店とグルになって半年で3,000万円も買わせ、息子たちが知ったときには破産状態だった、なんてことも多々あるそうです。お年寄りの1人暮らしが増えている世相を反映してのことですが、「盗人のタネは尽きねい…」ではありませんが、本当になんとも不人情な殺伐とした事件が増えてきたものです。


そういう時代

2007-02-20 | きもの

美しいキモノの春号が今日発売になった。いつも数冊は見本誌で頂くので、自分で買うことはないのですが、今日は出先で「少し、変ったよ!」とお聞きし、急遽本屋さんに。それにしても1冊1,850円。結構な値段なんですね。特集は「美しいキモノBASIC」と題し、「もっと楽しく、きもの事始めー25歳からのきもの宣言」と約100ページの特集。昨今のきものブームの主役、25-35才を意識したもので、人生の節目のきものからという特集は、いかにも美しいキモノらしい。しかし普段きものが流行を見せる反面、いやだからこそ「節目のきもの」をというニーズも確かに広がってきているのを感じるので、案外先を行っているのかも。10数年前には、読者の若返りを計り「40歳からのきもの」にフォーカスして、若返りに成功した美しいキモノ。今回は25歳。

美しいキモノの素晴らしさの1つは、編集は100%といっていいくらい自社の編集スタッフが作っていること。何を当たり前のことと思うかもしれませんが、テレビが外部のプロダクションに番組制作を丸投げしているのと同じで、編集部で企画、取材、撮影、記事作成まで社内で一貫しているのが珍しい方で、大部分は外部のプロダクションやフリーのライターに任せているケースの方が多い。そんな美しいキモノでも外資との合併で、アシェット婦人画報社になってからは、かなり編集部も合理化され、大変とのこと。しかし合併してから、付録を付けるなど、積極的に読者開拓に通ずる投資はしているように思う。またスポンサー開拓の企画も積極的で、誌面もかなり変ってきた。特に昨年の呉服業界の一連の倒産騒ぎで、永年のスポンサーも倒産し、スポンサーの新規交代が急速に起きているのが見える。

それらの倒産が増えたことと関係あるのか、最近読者から掲載のきものや帯を「それをどこで見られますか」「買えますか」「お勧めの呉服店は…」「信頼できるお店を紹介して…」という問い合わせが増えてきて、編集部としても「お客様ときもの」を結ぶことを考えざるを得ない、らしい。ここからはなんとも難しいことなのですが、最近誌面にお店紹介が増えている。春号でも「入りやすさも魅力の憧れ呉服店」とあるが、数あるお店の中からなぜこの店なのか?編集部の主観なのだから、仕方がないのだろうが、いま1つ判然としない。数年前には「信頼できる呉服店」と題し、全国の呉服店40数店舗を紹介掲載していた。「なぜ、うちではなくあの店なんだ!」と特に地方の呉服屋さんからは、怒りを聞かされた。東京や大阪のような大都市ならともかく、地方都市となるとそんなに呉服店も多いわけでもないだろうからから、「納得できない!」の怒りの声はわかる。やはり紹介されたお店の反響は、大きいものがあるらしい。

お店紹介でよく知られているのは、三ッ星で有名なフランスの旅行ガイドブック「ミシュラン」。三ッ星から降格したために自殺したシェフもいたし、無名の店が三ッ星評価で一気に人気レストランになるなど、1冊のガイドブックが悲喜こもごものドラマを生んでいる。安心して買える呉服店をどんどん紹介してゆくことは、大いに結構なことではある。しかし、良き呉服店、編集部お勧めの呉服店の基準、お客様だけでなく、呉服店も納得するような基準というのはあるのだろうか。またその基準が、良い意味でサービスや商品揃えを切磋琢磨するような方向に動くようなものであると、いいと思うのだが、いまはお手軽で、中途半端な気がする。美しいキモノがメジャーな雑誌だけに、「お店を推薦するなら」もっともっと意識して、日本全国を網羅するくらい、真剣に、本気になって欲しいところです。


花の名前

2007-02-18 | 日々雑感

家庭画報をパラパラ読んでいたら、「花の名前」という巻頭ページが面白かったし、驚いた。3月号では「菫」を紹介していたが、ナント菫の呼び名は地方によって様々で、その方言は100種類近くあるそうです。「相撲草」「関取草」「次郎坊太郎坊」「源氏草」「駒引草」「鉤引草」「喧嘩花」などの呼び名は、昔から菫の花首を引き合って遊んだり、「神知り花」は、豊作を占う神事に菫を使ったことからの由来だそうです。さらに「蝶々花」「などその花のカタチをイメージしたものなどもあり、その数100種類。日本人の感性は改めてすごいものですね。

自分の子供の頃は、そこら中に畑や野っ原、里山があり、春になると白つめ草や蓮華、タンポポで、花首を切る遊びを学校帰り道に友達としていた。中にタンポポの茎に針金や細い枝を通してズルする奴もいたりして。松葉やペンペン草?を互いにクロスさせて、掛け声と共に引っ張りあったり、クローバーなどの花で「好き、嫌い、好き…」と花占いをしたり、四ッ葉を探したり、結構思い出してみたら草花で遊んだものです。さらにいまのように通学路を決められていなかったので、時には里山の道を選び、菜の花畑の上を舞うモンシロチョウを細い竹で叩き落すことを悪餓鬼同士で競い、なにに使ったのか覚えてないのですが、羽根を集めるのに熱中していたことがありました。無意味にトンボの羽をむしったり、尻尾を切ってマッチ棒を突っ込んで飛ばしたり、セミをパチンコで撃ったり、今考えたらとんでもなく残酷な遊びをしていたものです。小さい頃は高学年と一緒にくっつき虫で、ある時からは弟や低学年の子供たちを引き連れ、子供の頃はいつも群れて遊んでいたものです。時には他のグループと喧嘩して、石投げなんて、随分危険な喧嘩もしたものです。その石投げの名残がおでこにあるのですが、相手の子が親と一緒にあやまりに来た記憶はあるのですが、それだけで親同士揉め事にもならなかったので、当時は喧嘩して怪我させても、そんなもんだったんでしょうね。ただ母親が「男の子が額に傷作って、出世しないよ」と心配していましたが、ハハ…その通りになったかな。

 


ズルズル見!

2007-02-17 | 家族
野球小僧がテレビを壊してから、半年振りにテレビがやってきた。しかもいままでの倍以上はあろうかというの大画面。1週間たつが、不思議と見たい気が起きない。別にテレビが嫌いなわけでもないし、むしろ広告の仕事をしているので、話題のCMや旬の女優さんなど、テレビを見て知っているに越したことはないのだが、どうも見る気が起きない。この半年見なかった新聞のテレビ欄も見るのだが、どうしても見たいものがない。むしろテレビがない半年の間、本を読み(この30年余り読まなかった小説をかなり読んだ。)、自分のブログを書き、友達のブログを訪れたり、ネットも…と大袈裟に言えば、結構テレビがない心地よい暮らしのリズムが出来てしまった。テレビは麻薬ではないが、スイッチを入れ、くだらない!といいながらもズルズルと見てしまう自分を少し、恐れているのから、テレビを見ようとしないのかも。

すごくいい話!

2007-02-15 | きもの

昨年Yさんのお店にハンディを持つお嬢さんをお持ちのお母様が、「成人式に振袖を着せ、写真も撮りたいのですが…」と遠慮がちな口調で、頼まれたそうです。Yさんは何の躊躇もなく「いいですよ」と即答すると、「えっ!」と息を呑むような驚きの間があり、Yさんも驚いたそうです。多分何軒かのお店に相談して断られ、諦めつつの電話に思いがけない「いいですよ」に「まさか…」という驚きだったそうです。確かに成人式当日は、どこの呉服屋さんも、写真館も、貸衣装屋さんも、成人式に間に合うようにお客様の着付けをするのに戦場のような有様で、そんな大忙しの中、普通の方より着付けにも時間がかかるだろうお嬢様の着付けをするのは、ふつうなら遠慮したいというのもわかります。「成人式のお祝いのお手伝い、したいしね。ご両親やご家族は勿論、呉服屋、大人としてようこそ!ってね」とさらりとしたもので気負いも、衒いもない。子を持つ親になって変わったし、社長になり、振袖を扱うようになって呉服屋という仕事、売上がすべてじゃなくて、自信を持って品揃えしたきものを、心を込めてお客様にお分けし、一緒に祝い、歓び、楽しむ、そんな仕事をしたいとすごく意識し、考えるようになった、とYさん。

その家族写真を今日、見せて頂いたのですが、お嬢様おひとりだと表情が硬く、すごく緊張しているのがわかる。ところがお嬢さんとご両親、祖母の4人の写真は、とっても笑顔がいい。表情がみんな晴れ晴れしている。後日、施設の先生からお礼の電話を頂いたそうです。成人式以来とっても明るく、嬉しさを隠せない様子が施設の人にも分かり、「どうした?」ということからYさんのお店のことを知ったそうです。「普通のことをしたのにね。喜んでもらえて…」とはいつもと変らぬYさん。そして今年、車椅子の男の子が、羽織袴で成人式も祝い、写真も撮ったそうです。ハンディを持つ人もみんなと一緒にきもので成人式ができる、こんな道を開いたYさん。比較的よく会っているのに、実はこの話、Yさん本人ではなく思いがけない人からT市の呉服屋さんのはなしとして聞かされた。昨日、毎月の呉服屋さんのグループ勉強会があり、それってもしかしたらYさんって聞いて、ようやく本人が話してくれた。

このグループの毎月の勉強会、私はいつも待ち遠しく思っています。経営者の勉強会だから、どうやって売上を上げようかという話も多いのですが、それ以上に多く議論するのが「真っ当な呉服屋」として、お客様と地域と共存共栄してゆきたい。もっと積極的に良いきものを創り出し、良いサービスを生み出し、きものを通して、世のため、人のために尽くしたい。仕事を楽しみたい、と目を輝かせ、いつも前向きに考え、トライを恐れない人たちが多いからです。