押上駅の出口を地上に出ると、見えるはずのスカイツリーが見えない。えっ!と周りを見回すと、空街というショッピングモールの脇に、にょこっと見えたスカイツリーがこの写真。周囲とは全く異質の空間ですが、街のテーマは”和。”ひょうんなことからこの中の店舗の6m×約1mの壁画を友禅で描くことになりました。全くこれまた異質な設計事務所と、すったもんだしながら、仕事を進めています。開業は5月22日だそうですが、仕事のスタートは4月10日。めちゃくちゃです。でも引き受けた以上、時間がない,とは言いたくない。着物が注目されるきっかけになれば、そんな想いもあり、無茶を承知で引き受けました。
初仕事
明けましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
写真は今年の初仕事、蕨ケーブルテレビでの録音収録風景です。暮れに収録したのですが、やはりあわただしさの中で録音したので、原稿の推敲が不十分でした。プロとしては、恥ずかしい。ちょうどスポンサーからも、金額の変更などがあったので、気になるところを再収録、というのが初仕事になりました。読み合わせのとき「約をおおよそ」と読むなど「おやっ!原稿と違う」という個所が数か所ありました。で、今回お願いしているフリー・アナウンサーの隆舞衣子さんにおたずねしたところ、「放送のきまりで約は、百と聞こえる間違いが多いので、おおよそ」と読む決まりなのだそうです。知らなかった。それにしても「たかし」さんという苗字は珍しいのですが、仕事で昔よく通った鹿児島市の大島紬関係者に隆さんが多かったので、「鹿児島のご出身ですか」とこ聞きしたら、そうで大島紬関係者が親せきにもいるそうです。もしかしたら当時お世話になった方の娘さん、という感じもしたのですが、そこまではお話しできませんでした。お名前の麻衣子さんも、きものに関係のある素敵なお名前で、きものにもご縁のある方との素敵な辰年の初仕事でのスタートした。
経済誌「フォーチュン」で「過去十年間で最高の経営者」に選ばれたAppleのスティーブ・ジョブスが10月16日に逝去した。昨日銀座に行ったが、Appleの前にはいまだに多くの花束が置かれている。その場からは多くの人が彼の死を悼み、売る人と買う人という次元を超え、「Appleとユーザーが共に快適で幸せな暮らしを創る=共創」の時代をジョブスとともに生きてきた、いわばジョブスを同士のように感じていた人が多いことが実感できる。帰りに教文館に立ち寄ったら、彼にちなんだ本が何冊か置いてあったので、文庫本を1冊買い求めた。その本の中にジョブスのこんな言葉がった。
「どの車も移動という意味ではやることは同じだ。でも多くの人がBMWに高いお金を払う」。
価格でしか差がつかない同じようなものを売るのではなく、他社が真似できない志とオリジナリティのある商品を作って、高いけれど、欲しい!というビジネスを展開したのがジョブス。彼が多くの人に愛されたのは、常に志とオリジナリティある商品、サービスを提供してきたからにほかなりません。何のビジネスにも当てはまる言葉で、ビジネスの原点として、ここに立ち返らないと、そう思います。
新しいモノを覚えるのが、いつの間にか苦手になってしまったが”背中を押す人”がいてブログを始め、お陰様で今日で2,146日。もう5年以上も続いています。多いか少ないかは判然としませんが昨日の閲覧数は220,訪問者数は118。これまた”背中を押す人”がいて5月28日からツィツターを始め、ブログのアクセス数がコンスタンスに100を超えてきた。相乗効果なんでしょうね。自分のことを棚に上げて言わせてもらえば、多くのビジネスパーソンが、100人に言えば100人が「そうだよね。いまどきやらないのは、怠慢だよね。やろうと思っている」と言いつつ、手が出ない状態が続く。ささやかな自分の実感からも、ブログやツィツターをやっていたからこそ、知り合えた人や情報は実に多い。なかには非常に稀少なものもありました。
このgooブログに参加している人は1,618,497人。日本の総ブログ数1690万。1日5億通の情報が更新されているそうです。(IICP調査)今やこれだけの人が、ブログやSNSなどネット上で情報発信をしていることにいまさらながらですが、「注目」すべきです。なぜなら今までは大手企業が莫大な経費をかけ、収集していた個人のマーケティング情報が、”その気”にさえなればブログやSNSから収集出来るからです。DMやチラシのように一方通行の「to C]ではなく、「With C]、双方向できものを着ている人に「語ってもらう」ことが出来、さらに「語り合う」ことが出来ます。その際には自分をオープンにし、相手に対するリスペクトを忘れずに、きちんと受け止め、フェアに情報発信してゆくことがマナーとして必要です。いま自分の頭を悩ましている問題やリアルタイムの着る人を知るには最適です。それにしても操作に少しため息をつくようなこともありますが…、何とも素敵な時代になったものですね。夏休みにのんびり、時間をかけ、トライしては如何でしょうか。
昨日に続き、雑誌「マート」のことですが、例えばホームベーカリーは2万円程度と安くない。しかし一度入手すれば何種類もパンが作れる。焼きたてのパンは格別だし、ママ友お茶会の手土産にもなる。レシピ交換すれば話も弾む。費用対効果が抜群の商品なのである。そこでホームベーカリーの別冊を作ったところ、3冊のシリーズとなる大ヒット。「読者はどんなパンが焼きたいか聞いてみたところ、パンの名前ではなく、『ポールで売っているようなパン』とお店の固有名詞を使った言い方をしたんです。だから僕らは人気のパン屋さんに頼み込んでレシピを教えてもらい掲載することにしました。『○○みたいな』の○○は読者の気分で次々に替わりますが、この固有名詞のキーワードさえ旬であれば、すでにホームベーカリーを持っている人に対しても、常に新鮮さを保つことが出来る。
「マートが同じ商品やショップを、利用法や楽しみ方をいろんな角度で伝えながら、繰り返し取り上げる理由も同じです」。こうした仕掛けと“現場ありき”のポリシーが徹底しているマートは、文字通り消費者参加型雑誌。誌面に協力する読者会員約3000人、ウェブ会員16,000人の2つの組織を持ち、誰でも参加可能なのが特徴。「初期には登録するとおまけがもらえるキャンペーンをやったが、幽霊会員を増やすだけで失敗。コミュニティの質やロイヤリティを下げるので、書き込みに応じてポイントを出すこともせず、来る者拒まず、去る者追わずで、読者を囲い込まず、新鮮な水がどんどん流れる川のようにしたい。カリスマのようなご意見番を作らない」。マート成功の秘訣は「自分はおじさんで何もわからない、と言う役割を引き受けて、教えを請うスタンスで接すること。すると彼女たちは、全くもう、しょうがないと丁寧に教えてくれる」と大給編集長。
私の周りにもビーズにはまっている方が多くいらっしゃいます。定期的に浅草橋の問屋街まで材料を買いにきて、それは熱心です。光文社の発行する月刊誌「Mart」は、「創刊前に港北や浦安の30代の主婦達に話を聞いたら、当時ビーズが流行っていました。ところが、その中に『本当は好きじゃないけど、やっている』という人たちがいたんです」と編集長の大給氏。「ビーズ作りに興味はないが、ビーズ作りをすればコミュニティの一員になれるし、交流できるのが愉しいという。つまりビーズはホビーではなく、コミュニケーションツールだった。なるほどと思って詳しく話を聞くと、ル・クルーゼやダウニーを見せ合ったり、使い方を伝え合ったり、ビーズ以外にもコミュニケーションツールが幾つもあったんです」。女性誌でフォーカスされがちな麻布や成城で暮らす優雅なセレブはほんの少数派。かといって節約ばかりに勤しむ倹約主婦像も極端。大多数は色々な意味で「そこそこ」の普通の主婦で、2万数千円のル・クルーゼなら買えるし、その金額に見合う価値があると考えている。港北や浦安に住む30代、40代の主婦は当時すでにこうした価値観を共有しつつあった。そこで大給氏は、毎日の生活を彩るコミュニケーションツールを通し「そこそこの主婦たち」のコミュニティの場として「マート」を位置づけることにしたそうです。以来マートの取り上げる商品やショップ、イケア、コストコ、食べるラー油、クルーゼ、柔軟剤のダウニー、シリコン製調理器具のルクエハイアールの冷凍庫…は大ヒット。スーホルムカフェのトートバックは4,000個の販売目標が17万個以上。ハイアールの冷凍庫は雑誌掲載後1週間で6,000台も売れたという。こうしたヒットは偶然の産物ではなく「マートは人と人をつなぐコミュニケーションの最新情報と“場”を提供する雑誌です」と2004年の創刊以来、雑誌を「コミュニティ」「コミュニケーションツール」と位置づけているユニークな編集方針が当たり、商品開発担当者などにも注目されています。
都会に住んでいると不便を感じることは滅多にないのですが、私の住む街でも個人書店の閉店が続き、いまはそこそこの規模の本屋が2軒になった。全国でも10年前に比べ約28%も本屋さんは減少し、当然売上げも減少。本屋さんは建前としては規模に関係なく定価販売、委託販売が基本で、大手書店も個人書店も同じ商品を扱うのですが、売れるベストセラーは大手を優先した配本で、個人書店に配本されないことも。しかも稼ぎ頭の雑誌はコンビニに優先配本されるなど、個人書店は一層厳しい状況に。更にネット書店が登場し、電子書籍が登場するなど、路面店の苦戦は続いています。そんな状況の中、今月の始め国際ブックフェアが開かれ、書店が生き残る道を議論するシンポジウムがありました。そこで提案された幾つかの解決策は書店に限らず、小売店に共通する問題解決の示唆に富んでいるように思う。
・「取次店に依存した配本によらず、独自の偏ったセレクトの方が琴線ふれ、面白いものを見つけてもらえる」・「地域の需要に即しながら、店の個性を出すために出来るのが、企画展やフェア」・「取次店から配本されたモノを漫然と並べ、売れなければ返品ではなく、書店が仕入れのプロを育てなければ」・「顧客意識のあるお店にならければならない」・「書店は、文化発信基地でなければいけない」・「書店はいい本と読者を出会わせるお見合い産業」・「お客さまをよく知り、1冊1冊の本を点から線にして、魅力的な棚を作る。だから仕入れは生命線。」などです。いずれも今更、という感じがするのですが、それだけに問題の根は深いのだろが、これ以上街の本屋さん、減って欲しくないモノです。