シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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カラヤンLPジャケも映画人気にあやかり?

2020年06月05日 | カリスマは死せず
上左から カラヤン BPO の「ヴィヴァルディの6つの協奏曲」(70年)「ヴィヴァルディの四季」(72)、右端上下2つは BPO による「ヴィヴァルディの調和の霊感」3枚組 LP。 下左からアンダによる「モーツァルトのP協17・21番」(65 DG)「モーツァルトのP協20・21番」(77 オイロディスク) ジャケ。
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カラヤンが70年に録音したヴィヴァルディの6つの協奏曲 LP が、『カラヤン大全集』の中で CD ジャケ裏表とも ”6つの協奏曲” となっていますが、実際の CD には「調和の霊感」のうち2曲 (RV549・550) が追加収録されています。

また 72年録音の「四季」にも、「調和の霊感」のうち2曲 (RV567・580) が追加されています。 

大全集付属の解説書には 追加された「調和の霊感」4曲録音は72年9月スイスのサン・モリッツとなっていますが、はて カラヤンは72年に「調和の霊感」を録音したのだろうか?と疑問に思ってしまいます。 私の記憶にはないからです。

一方で 78・79年に BPO のコンマスたち (ブランディス・シュピーラー・マース・ヴェストファル) が中心となって、弾き振りで「調和の霊感」12曲を録音しています (右端)。 このメンバーによる録音と『カラヤン大全集』の追加4曲分が重なって見えます。

DG が “オマケ” として78・79年録音の「調和の霊感」の中から『カラヤン大全集』CD に追加したのか ()、それとも 実際に同じメンバーでカラヤン指揮で録音したのが、LP 盤では収録せず、『カラヤン大全集』CD に初めて収めたのか () という2つの推測ができます。 収録時間を見ると微妙に違いますが、独奏者・チェンバロも全く同じですから、益々 … 私はと想像しています。 強い統率が掛かってない演奏に感じます。

カラヤン ヴィヴァルディ作品の単発 CD にも「調和の霊感」の幾つかの曲が加えられていますが、指揮者名がカラヤンしか記載されていませんから、一般ユーザーには分かり難いですよね (一種の “抱き合わせ販売”?)。

演奏は想像通りでコメントを付ける箇所はありません。 ただ カラヤンがこうした室内曲を指揮すると、どうしても低音が大きくなりますね。 アイネ・クライネなんかも可愛らしい曲をゆったり聴くというよりは、巨大なモーツァルト像が迫るのを見ているような気分でした。
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さて もう1つのトピックが、1967年のスウェーデンのドラマ映画『みじかくも美しく燃え Elvira Madigan 』です。「劇中ではハンガリーの名ピアニストであるゲザ・アンダによるモーツァルトの『ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467』と、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲『四季』が使用されていた」(ウィキペディア) そうです。

私は見ていませんが、モーツァルトの『ピアノ協奏曲第21番』の第2楽章が映画で効果的に使われたらしく、冒頭下左のジャケは映画公開後の再発ものでしょう。 映画人気にあやかって あつらえたのが明確です。

また 上左の「6つの協奏曲」の最初がヴァイオリン協奏曲 ホ長調『恋人』ですから、ジャケに映画の写真を使用したのは、実際に映画に使われた (?) 曲『恋人』を、これも製作者が映画人気にあやかったのですね。

そして あんまり アンダの DG 盤ピアノ協奏曲第21番 LP の人気が出たので、十年ほど経ってオイロディスク社もアンダとウィーン響とで20・21番を再録音したのだろうと想像できます。 録音した年か翌年 アンダは逝去しました。

今日はここまでです。

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