試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

JR103系習志野電車区313F [Tc131] (クハ103-123,124[元ツヌ305F] 改番異動) ※TOMIX製High-Grade製品

2019-02-06 21:40:05 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
稼働率。

TOMIX製JR103系High-Grade製品クハ103-131,クハ103-130の竣工によりラシ313F(Tc131)が出場した。
ラシ313Fとしては2両のみの存在でありモハ103-665以下8両をツヌ313F(Tc143)と共用し都度10両編成化する。
これによりツヌ313Fグループは津田沼区仕様と習志野区仕様を兼ねると共に機動性の向上へと結び付けられた。




JR103系ラシ313F (1987/4)。
ラシ313F:Tc131(-M665-M'821-T448-M666-M'822-T449-M667-M'823-)Tc130
※TOMIX製High-Grade製品。

ツヌ313F(Tc143)は1981年10月に豊田区から津田沼区へ転入した前期転属編成である。
豊田区を出自とするツヌ311F(Tc821),ツヌ312F(Tc817),ツヌ313F,ツヌ314F(Tc213)は前期転属編成として扱っている。
特徴は前面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーにも側面用と同寸法のものが貼付された事だった。
視認性の問題からか1981年12月以降に転属するツヌ315F(Tc69)からは大形誤乗防止ステッカーへ変更される。
前期転属編成も順次大形誤乗防止ステッカーへの交換が行われ中期転属編成との外観差異は無くなった。
ツヌ313Fは朱色1号のまま営業を開始したが早くも1981年11月から黄色5号への塗装変更が開始された。
一時的に朱色1号車両のクハ103-143,クハ103-142が黄色5号に改められたモハ103-665以下8両を挟む形態となる。
この時期は様々な組み合わせの朱色1号混色編成が出現し始める前であり異色の存在だった。
約1箇月弱の朱色1号混色編成時代を経た後に全車黄色5号へ揃えられている。
しばらく転入当時の編成を維持していたツヌ313Fだったが1986年4月までにクハ103形がクハ103-107,クハ103-112へ差し替えられる。
◆ラシ313F:Tc107-M665-M'821-T448-M666-M'822-T449-M667-M'823-Tc112(1986/9)。
JR移行を目の前にして更なる車両異動が実施されクハ103-131,クハ103-130が先頭車両に改められた。
この当時はクハ103形以外の異動も多く編成番号が目まぐるしく変わった時期でもあった。
習志野区103系は1988年12月までラシ331F,ラシ332F,ラシ333F,ラシ334F,ラシ335F,ラシ336Fの配属が主な変化だった。
この間の異動は殆ど無くサハ103-498,サハ103-499(ラシ322F:Tc69)の号車振替が行われた程度である。
直後に東中野追突事故の影響で離脱したラシ336F(Tc277)の代替としてラシ337F(Mc69)が緊急投入された。
しかし既存編成への余波は見られず一応の安定期と言えた。
1990年度からはそれまでの平静さを突き崩す大規模な車両転配が展開される。
ラシ313F(Tc131)も対象となりモハ103-665以下8両を残したままクハ103-403,クハ103-758へ置き換えられた。
◆ラシ313F:Tc403-M665-M'821-T448-M666-M'822-T449-M667-M'823-Tc758(1990/10)。
捻出されたクハ103-131,クハ103-130は仙石線向車両更新工事が施工され陸前原ノ町区に去っている。
モハ103-665以下8両は1973年度落成車であり車両更新工事施工対象車には挙がらなかった。
1998年4月に行われたサハ103-291,サハ103-292の組み込みが最後の組成変更となる。
習志野区103系編成番号再編後もラシ309Fとして残留したが2000年1月に編成が解除された。
サハ103-291はラシ315F(Tc463)へ異動したもののクハ103-403以下9両は2000年1月から2月に掛けて廃車になった。
◆ラシ309F:Tc403-M665-M'821-[T291]-M666-M'822-[T292]-M667-M'823-Tc758(1999/5)。


ツヌ313F。

ツヌ313F(Tc143)は1981年11月をプロトタイプに据えた朱色1号混色編成である。
前期転属編成はツヌ313F以外に朱色1号編成のツヌ312F-1(Tc817),ツヌ314F(Tc213)が在籍する。
僅か1箇月弱しかプロトタイプが該当しないツヌ313Fの離合相手は限られる。
その結果走行機会は決して多くなく稼働率向上がかねてからの課題になっていた。
ツヌ305F(Tc123)を正規編成化する直前にはクハ103-123,クハ103-124(旧ツヌ306F-2)を充てる計画が持ち上がった。
一旦ラシ313F(Tc131)組成に決まりかけたが津田沼区仕様のクハ103形低運転台初期形冷房改造車編成が少なく取り止めとなる。
第二候補のツヌ313F-2(Tc143)化もクハ103-763,クハ103-780(ツヌ306F-3:Tc763→ツヌ306F-2)が竣工し幻となった。
一方クハ103-123,クハ103-124(元ツヌ305F)も導入の経緯から異動が激しい車両である。
初竣工時はクハ103-105,クハ103-106(旧ツヌ325F-2)を名乗らせた。
10両編成での出場を飾っているがモハ103-358以下8両は先行投入名目でツヌ301Fからの異動だった。
当初より将来の異動が念頭に置かれ短期間のうちにB形防護無線アンテナ搭載編成化(ラシ325F-1)される。
しかしモハ103-358以下8両は導入が早過ぎクハ103-71,クハ103-48(ツヌ306F-1:Tc71)の竣工を機にモハ103-707以下8両へ改番した。


旧ツヌ306F-2。


ツヌ301F-1。

追ってクハ103-105,クハ103-106もツヌ306Fグループへ異動となりクハ103-61,クハ103-48(ツヌ306F-2)へ改番される。
屋根板はクハ103-71,クハ103-601(旧ツヌ323F-2)との相互交換にてB形防護無線アンテナ未搭載車化している。
2015年2月に出場したツヌ306F-2だったが離合編成増加を狙い小変更が行われる。
編成番号はそのままにクハ103-61,クハ103-48からクハ103-123,クハ103-124へ改番しプロトタイプを繰り上げた。
ところが14両体制に達してしまったツヌ306Fグループ再編によりツヌ305F(Tc123)への異動を余儀なくされた。
モハ103-701以下8両はラシ305F-1(Tc47)との共有で対処されラシ305Fグループの一員に変わる。
2017年5月から2017年11月の間に入場を繰り返したが何れの編成も定着を前提としていた。
しかしツヌ305Fも安住の地とはならずツヌ323F-2(Tc71)のB形防護無線アンテナ未搭載編成化により廃止となった。
クハ103-123,クハ103-124にはクハ103-71,クハ103-601(ツヌ323F-2)からB形防護無線アンテナ搭載済屋根板が戻ってきた。
B形防護無線アンテナ搭載編成は習志野区仕様に限定しており新たなプロトタイプはJR時代一択となる。
未改番での異動は不可能だったため前途のツヌ313F稼働率向上策へ辿り着いた。
結局2017年11月の異動時に第一候補となったラシ313F(Tc131)が遠回りの末出場を迎えている。
なおクハ103-131,クハ103-130はツヌ301F-1(Tc131)にグリーンマックス製LP402前照灯車仕様が在籍する。
二代目クハ103-131,クハ103-130とはプロトタイプ時差が大きく各々で独自の特徴を持つ車両となった。


クハ103-131 [47C 千葉]:習志野区仕様化施工車。

クハ103-123,クハ103-124の小変更はクハ103-131,クハ103-130への改番とJRマークインレタ転写だけに見える。
しかしクハ103-71,クハ103-601(ツヌ323F-2)と屋根板を振り替えた際に側面窓セル窓サッシ印刷の補修が必要と判明した。
油性メタリックマーカー式窓サッシ印刷補修は剥離部の透過がTOMIX製High-Grade製品での弱点だった。
インク被膜の複層化により対処しているが繊細な窓サッシモールドへの塗り潰しは踏み外しが避けられない。
窓セルの材質もインク乗りが芳しくない原因らしく踏み外したインクは即時拭き取りを要した。
側面窓には何度もインクを付着させてしまい窓サッシモールド断面の保全に追われる。
途中から先端を鋭角に切り落としたインク除去用爪楊枝を用意しサッシモールド断面の清掃用へ充てた。
これにより四層被膜化された窓サッシでもそれなりの見附へと回復させられている。
取り敢えず油性メタリックマーカー式窓サッシ補修は全メーカーでの採用が確定した。
この他前面窓セル固定化,TNカプラーSP白濁対策を行う改修と同等の工程だった。


[[クハ103-130]]:TOMIX製High-Grade製品ブロックインレタ。

改番は節約式とはせずTOMIX製High-Grade製品付属ブロックインレタを起用した。
苦労してTOMIX製High-Grade製品付属バラ標記インレタを転写した[クハ103-123],[クハ103-124]標記ではあった。
しかし[クハ103-61],[クハ103-48]時代から継続使用されている標記からの転写糊除去は困難だった。
埃による汚れが目立ち始めてきた矢先でもあり全剥離を行い側板の清掃を行った。
ブロックインレタの起用は作業簡略化以外に今後改番対象から外す意図が含まれる。
JRマークインレタも予備分が少なくなっておりクハ103-131,クハ103-130(ラシ313F)を最終形態とする方向である。
行先表示類はツヌ305F時代の[47C 千葉]を承継させた。
ツヌ313Fは前期転属編成内での行先配分を再検討した結果西行設定に決定した。
新たに組成されるラシ313Fを東行としモハ103-665以下8両の走行方向偏位を抑止する。


ラシ305F-1,ラシ313F。

習志野区仕様のクハ103形低運転台初期形冷房改造車編成は久し振りの増備となった。
ラシ303F(Tc103,ラシ302F:T209)とラシ305F-1(Tc47)はプロトタイプに開きがあり離合の齟齬が生じていた。
側扉窓黒Hゴム支持化を施したラシ303Fはサハ103-209,サハ103-287(ラシ302F)を含む12両体制でJR時代末期に相当する。
これに対しラシ305F-1は元ツヌ305Fとモハ103-701以下8両を共有出来るほど国鉄時代の仕様に近い。
クハ103-131,クハ103-130(ラシ313F)は実車の推移から側面窓セルに細工を行わなかった。
よってラシ305F-1とラシ313Fは離合に無理が無く理想的な展開になってくれた。
ただし共に東行設定で被ってしまったためラシ305F-1を西行へと改める予定である。
入場時には前面窓セル固定化に加え運行番号,行先方向幕部品の嵌合精度向上を行いたい。


ツヌ313Fへも施工した前面窓セル固定化 (クハ103-142)。

ラシ313Fの出場前には同一グループとなるツヌ313Fの現状確認と追加整備を行った。
クハ103-143,クハ103-142もクハ103-131,クハ103-130と同時期に施工した湿式TNカプラーSP白濁対策試行車だった。
湿式清掃の賞味期限は既に切れており各部で僅かな白濁現象が始まっていた。
運転台側は配管付ステップを一旦取り外し歯ブラシ式にて白濁対策を再施工した。
曇り除去を行った側面窓セルの窓サッシ印刷は現在のところ踏み留まっている様に見える。
ここは入場回数が物を言ったが今後の取り扱い次第で状況は一転するため気を付けなければならない。
前面窓セル固定化は極一部の車両で試験を行っていたがラシ323F-2から本施工に格上げされた。
当然クハ103-143,クハ103-142にも追加施工しツヌ313グループは前面窓セル脱落対策を終えている。


現行方式の動力ユニット脱落防止策に変更したモハ102-822 (ツヌ313F)。

モハ103-665以下8両の導入経緯は不明だがクハ103形低運転台初期形冷房改造車LOTのはずである。
経年はクハ103-131,クハ103-130(ラシ313F)と同等かそれ以上ながら側面窓セル窓サッシ印刷に劣化は無かった。
C4B形ブレーキ制御装置固定化時に施工したTNカプラーSPの乾式白濁対策は早くも馬脚を現している。
ただ白濁対策未施工品ほど白粉塗れにはなっておらずそれなりの効果を確認できた。
再度歯ブラシ式清掃を行い黒色成形に戻しツヌ313Fグループは全車二度目の白濁対策を終えた。
初期LOT製品のモハ102形動力ユニット搭載車は車体と台枠の嵌合が甘いように思える。
第一次脱落防止対策は車体内側にスペーサーを設けるTOMIX製103系旧製品に倣った方式だった。
行先の固定化が進んだ現在では走行偏位を防ぐ名目で動力ユニットの入れ替えを行っている。
旧方式は後期LOTの動力ユニット組み付けを行い難くしたため台枠にスペーサーを追設する第二次脱落防止対策に移行した。
モハ102-822(動力ユニット搭載車)は初期施工車で車体内側にスペーサーが取り付けられていた。
t0.3mmのプラ板を動力ユニット台枠側面に移設し現行方式へと改めている。


モハ102-823+クハ103-130 (ラシ313F:黄色5号編成)。


モハ102-823+クハ103-142 (ツヌ313F:朱色1号混色編成)。

プロトタイプ期間の短さが災いしたツヌ313Fはラシ313Fの出場により活躍の場が広がる。
ラシ313Fは1987年4月から1990年10月までに該当しツヌ313Fの1箇月を大幅に上回る。
編成の個性には欠けるもののモハ103-665以下8両を有効活用するには最良の手段だと思える。
ラシ305F-1の偶数向先頭車にはクハ103-615が配されておりラシ313Fとの差別化も図れた。
津田沼区仕様からクハ103形低運転台初期形冷房改造車編成が削減されたがツヌ323F-2の仕様変更で補えた。
またクハ103-105,クハ103-106(ツヌ316F-2:朱色1号混色編成)は将来ツヌ325Fを兼ねさせる計画が存在する。
B形防護無線アンテナ搭載済屋根板の遣り繰りに端を発したラシ313Fの登場は実質的な増備に値すると考えている。




ラシ313Fサイドビュー(クハ103-131:クハ103-123改番,習志野区仕様変更車)。


ツヌ313Fサイドビュー(クハ103-143:朱色1号車両)。

編成番号こそ[第313編成]を名乗るがラシ313Fとツヌ313Fは全く印象の異なる編成となった。
これも国鉄末期のクハ103形差し替えがあったからこそ再現出来たと言える。
モハ103-665以下8両を共有する形態は元ツヌ305F時代と変わっていないが自由度は確実に高まった。
TOMIX製High-Grade製品の習志野区仕様は癖を持たせた編成が多くバリエーション展開に限りがある。
流転が続いたクハ103-131,クハ103-130(ラシ313F)だが異動可能な編成は無く今度こそ落ち着くと思う。
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