試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クモハ100-150[ツヌ125F] (旧クモハ100-144[元ツヌ113F] 車体改修,改番,動力ユニット搭載施工) ※'旧製品

2019-09-04 23:50:54 | 国鉄/JR101系
後編。

クモハ100形用動力ユニットを搭載させるKATO製国鉄101系旧クモハ100-144(元ツヌ113F:Tc74)の整備は2日目に突入した。
初日は動力ユニットの性能復元に時間を要し車体関連項目へ手を伸ばす時間が失われてしまった。
まだクモハ100形動力ユニット搭載車の完成形には達しておらず車体改修と並行して残された作業を進める。


国鉄101系旧クモハ100-144(元ツヌ113F)。
※旧製品。

2016年6月に竣工した旧クモハ100-108(旧ツヌ122F:Mc155)が第一次クモハ100形動力ユニット搭載試作車となった。
KATO製国鉄101系はモハ100形が動力ユニット搭載車に指定されており組成次第では動力車位置偏位が著しくなる。
特に7+3編成ではこの傾向が強く現れるため抜本的解決策として試行に踏み切り概ね満足出来る答を得た。
2018年4月に入るとクモハ100-144(旧ツヌ113F)も試行対象に加わりクモハ100形動力ユニット搭載試作車は2両へ増加する。
その後両車は各々クモハ100-166(ツヌ109F:Mc202),クモハ100-170(ツヌ105F:Mc154)へ改番され編成を離れた。
この異動もツヌ109F(7+3編成),ツヌ105F(3+4+3編成)の組成形態が大きく関係している。


入工中の旧クモハ100-144。

ツヌ125F(Tc48)も7+3編成であり製品仕様のままでは動力車位置偏位を防げない形式構成だった。
そのためクモハ100-150(ツヌ125F←旧クモハ100-144)への動力ユニット搭載は当初からの確定事項となる。
クモハ100-170の改番異動は作業簡略化を狙った結果だが結局3両目となるクモハ100形動力ユニット搭載車が所要になった。
整備を終えたモハ100形用動力ユニットはクモハ100-166,クモハ100-170と同一方式でクモハ100形用動力ユニットに改装した。
動力ユニット搭載が搭載される代わりにプリズムケースが取付不能となるため加工した発生品で乗務員室仕切を復活させた。
モハ100形用動力ユニットでは物足りなく映る床下機器はクモハ100形用床板を参考に可能な限り類似の配置へ近付けている。


ゴム系接着剤で仮固定された尾灯用プリズム。

クモハ100形動力ユニット搭載車ではその構造都合により尾灯用プリズムも挿入が行えなくなる。
尾灯用プリズムは尾灯レンズを兼ねる関係から乗務員室仕切と同様に別途復旧が必要だった。
動力ユニット搭載に絡む車体関連項目は尾灯レンズの再現だけに限られる。
但し尾灯用プリズムの尾灯レンズ化は現物合わせを要する上に固定方式も規格化されていなかった。
何れにせよ一旦仮固定しなければならず尾灯用プリズム前端の小径部根本付近へゴム系接着剤を塗布し車体に取り付けた。
車体取付口と尾灯レンズ部は嵌合猶予があり安定するまでの時間を活用して車体改修へ移行した。


ラプロス式消去車同等の仕上がりに達した車両番号標記印刷消去痕(1-3位側)。

ツヌ113F,ツヌ115F(Mc144)から捻出した旧製品車両では旧クモハ100-144だけ出自が異なる。
クモハ100-144(第二次動力ユニット搭載試作車)は旧クモハ100-175(元ツヌ107F:Tc83)との車両振替により捻出が図られた。
四代目ツヌ118F(Mc155:旧製品)を種車とする旧ツヌ107Fは2014年6月が初出場でツヌ115F(Mc155:旧製品)と改番時期が近い。
そのため旧クモハ100-144(←旧クモハ100-175)もペイントリムーバー式改番車であり車両番号標記印刷痕の状態が心配された。
側板には艶が伺えたものの[クモハ100-144]標記インレタを剥離しても黄色5号塗装は十分守られていた。
しかも種車の[クモハ100-108]標記跡が判読可能な程でラプロス式印刷消去に準拠した塗装被膜修正方法で収まっている。


溶着固定に決定した尾灯レンズ。

製品原形のまま挿入していた尾灯用プリズムは車体内側に沿い不要箇所を切り落とす。
あくまでゴム系接着剤は仮固定用であり尾灯レンズ前端を抑えながら切断した。
尾灯レンズ固定方式はクモハ100-166:溶着,クモハ100-170:接着と両車で異なっていた。
第二次試作車のクモハ100-170では原形復帰が考慮されゴム系接着剤を使用した。
しかし今やクモハ100形動力ユニット搭載車は必要不可欠な存在と言え流し込み接着剤での溶着が正式採用となった。
固着後には動力ユニット嵌合や接触による脱落防止策として尾灯レンズ切断面と車体内側を面一化している。


[[クモハ100-1][5][0]]:1-3位側。

ツヌ125Fの改番工程はモハ100-158(←旧モハ100-230:元ツヌ113F)以降から印刷消去失敗痕の隠蔽が伴った。
当然ペイントリムーバー式改番車だった旧クモハ100-144もこれを回避できないと思われた。
しかし僅かな改番時差が旧ツヌ115F出自車との違いを生みモハ101-178(←旧モハ101-163:元ツヌ113F)以前の方式に戻せた。
恐らくツヌ115F(Mc155)の結果が思わしくなく旧ツヌ107Fではペイントリムーバー塗布量を削減したと思われる。
塗装被膜状態が大幅に改善されたためか[クモハ100-1]+[5]+[0]を組み合わせたインレタは一発で転写出来た。
引き続き[クモハ100-150]には転写力が落ちた低経年台紙を起用し早期削減に努めている。




クモハ100-150 [ 65 成田]:クモハ100形用動力ユニット搭載施工。
※旧製品。


クモハ100-170 [ 千葉]:ツヌ105F(第二次動力ユニット搭載試作車)。
※旧製品。

クモハ100形用動力ユニットはモハ100形動力ユニット搭載車と同様に車体へ組み込める。
嵌合爪の加工は不要でプリズムケースも廃止された事からクモハ100形用床板よりも着脱し易い。
追設した乗務員室仕切は初期製造車仕様の大形窓であるものの十分な存在感を放っていると思う。
また乳白色成形のユニットカバー室内灯台座は車内に埋没させるためマッキーで塗り潰した。
大半は旧クモハ100-108,クモハ101-144に倣った仕様とし施工時差発生を防いでいる。
約1年5箇月振りとなったクモハ100形への動力ユニット搭載は想定通りの仕上がりを迎えられた。




クモハ100-150(ツヌ125F:旧クモハ100-144 改番,塗装被膜修正,クモハ100形用動力ユニット搭載施工)。
※旧製品:車体改修。


モハ100-234(ツヌ115F:動力ユニット搭載車)。
※再生産品:車両更新車。

約2日掛かりの工程を経て動力ユニット搭載車に改められたクモハ100-150(ツヌ125F)が竣工した。
これで西行設定のツヌ125Fは動力車位置偏位を気にせず編成が組めるようになった。
ただ床下見附はモーターカバーの専有面積が大きくクモハ100形非動力車には敵わない。
追設した床下機器も大半が埋もれてしまいモハ100形動力ユニット搭載車との外観差は僅かである。
2-4位側へ造作しただけでありモールド再現の床下機器には手を着けなかった。
この仕様はクモハ100-166,クモハ100-170も同様で代用品としては十分だと考えている。




クモハ100-144+クモハ101-155 (ツヌ125F:動力ユニット搭載車+非動力車)。
※旧製品。

クモハ100-150の運転台側KATOカプラーはモハ100形動力ユニット搭載車用KATOカプラーを一部加工した上で取り付けた。
前面車体裾連結器欠き取り部が埋まらないようマウント天面に成形されていたリブを切除している。
その代わり動力ユニット単体ではKATOカプラーの前後動が生じるためゴム系接着剤にて抑止を図った。
前後動は車体へ組み込むと自然に解消されるがKATOカプラーの位置修正を要する場合があった。
固定化はこの手間を省く名目だけで塗布箇所もマウント天面両端に限っており連結性能には一切影響しない。
基本構造はモハ100形用動力ユニットから全く変えておらず連結面間隔も従前を保てた。


クモハ100-160,クモハ100-150 (ツヌ102F,ツヌ125F)。
※旧製品:非動力車,動力ユニット搭載車。

やはり乗務員室仕切追設は効果的でクモハ100形非動力車の前面見附に劣らなく見える。
旧クモハ100-108,クモハ100-144の竣工から大きく時間が開いた影響は殆ど感じられなかった。
何故か抵抗を抱き続けてきたクモハ100形への動力ユニット搭載だが今回の施工で拭い去れると思う。
KATO製101系津田沼区仕様には4本の動力車偏位編成が残っており行先配分と突き合わせながら施工対象を絞り込む予定である。
なお改番終了まで使用し続けた旧クモハ100-144用床板は再生産品LOT品であった。
たまたま比較に持ち出したクモハ100-160(ツヌ102F:Tc75)が旧製品LOT床板装着車だったため更新を行い作業を終えている。
この記事についてブログを書く
« 旧クモハ100-144[元ツヌ113F]... | TOP | 国鉄101系津田沼電車区125F [... »