試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ100-245[ツヌ108F] 動力ユニット整備 (加速度・駆動音改善:モーター軸受部注油,導電板研磨施工) ※'旧製品

2019-12-23 22:17:20 | 国鉄/JR101系
初見参。

これまでにKATO製101系モハ100形(クモハ100形)動力ユニット搭載車は5両の整備を終えた。
全て旧製品LOT動力ユニットを対象としたが構造の異なる2種類が存在すると確認されている。
両者ではモーター支持部品に違いが見られ灰色成形品と黒色成形品で即識別が可能だった。


国鉄101系モハ100-245(ツヌ108F:動力ユニット搭載車)。
※旧製品。

最も導入時期の早いモハ100-206(ラシ106F:Mc191)には灰色成形モーター支持部品が取り付けられていた。
また黒色成形モーター支持部品装着動力ユニットでは引掛式モーター端子が別途追加されている。
通電性能を考えると引掛式モーター端子が持つ役割は大きく事実上の改良品だと思われた。
よってモーター支持部品の差異を基準とし灰色成形品:前期LOT製造分,黒色成形品:後期LOT製造分に区分していた。
後期LOT動力ユニット搭載車の入場例はクモハ100-150(ツヌ125F:Tc48←旧クモハ100-144:元ツヌ113F)に限られる。
但しクモハ100-150用動力ユニットはモハ100-241(ツヌ131F:Mc70)からの転用品であり何時鉢合わせするか読めなかった。


入工中のモハ100-245。

前期LOT動力ユニットに比べ後期LOT動力ユニットはモーター支持部品と導電板が組み合わせし難くなった。
構造解析を兼ねたクモハ100-150用動力ユニットの整備では組み立てに大苦戦している。
モハ100-245(ツヌ108F:Mc133)は車体更新と同時に動力ユニット整備を施す計画だった。
だがDT21動力台車とフライホイールを繋ぐシャフトが黒色成形品であり後期LOT動力ユニット搭載車だと予想された。
クモハ100-150での経緯から動力ユニット整備には大幅な時間を要する可能性が高くなった。
止むを得ず動力ユニットの性能復元のみに絞りモハ100-158(ツヌ118F:再生産品)での車体更新は先送りしている。


乳白色成形モーター支持部品が際立つモハ100-245用動力ユニット。

2016年11月の竣工から約3年1箇月が経過したモハ100-245用動力ユニットは良好と言えない状態であった。
当初から大きい駆動音には殆ど気に掛けて来なかったがモハ100-163(ツヌ133F:Mc118)の異音解消を機に翻意している。
また中速域からの加速度も落ちておりスケールスピードへ達する前に頭打ちする傾向が出始めていた。
各方面で劣化が激しかった十七代目ツヌ118F(旧製品→ツヌ118F:Mc155)以降は老朽化対策に注力している。
モハ100形用動力ユニットの性能復元もその一環であり考え得る措置をモハ100-245(ツヌ108F:旧製品)にも施す。
何時も通りにモハ100-245用動力ユニットを分解したが現れたモーター支持部品は灰色成形品でも黒色成形品でもなかった。


黒色成形品に類似していた乳白色成形モーター支持部品。

まさかの乳白色成形モーター支持部品が初登場しこれには意表を突かれている。
整備入場6両目を迎えた時点で新たな旧製品LOTモハ100形用動力ユニットの存在が明らかになった。
モーターには引掛式端子があり基本構造は後期LOT動力ユニットに近いと言える。
その一方で極性を示すと思われるモーター磁石への塗り潰し面積は前期LOT動力ユニットと同一だった。
何れにせよ導電板は研磨が必要な状態だったためモーター一式の分解に迫られている。
台枠天面2箇所の取付口から押し込んだモーター支持部品嵌合爪は何とも頼りない手応えであった。


挿入方法を改めた導電板。

乳白色成形モーター支持部品は材質が異なる以外黒色成形品と殆ど変わらなかった。
単独駆動試験でも唸るような低音を発したモーターは真っ先に軸受部への注油を行った。
油脂がモーター内部へ浸透する時間稼ぎの間にラプロス#2400で導電板両面を研磨している。
注油後のモーター駆動音は様相が一変し軽やかになった一方で頭打ちする回転には改善が伺えなかった。
この様な症状はモハ100-245(ツヌ108F)が初ではなく無負荷に条件を限った高速度駆動試験にて解消を図ってきた。
高速度試験を繰り返しているうちに電流値と回転数が比例し始め約15分程で全開可能な状態に復帰した。


導電板を滑り込ませた動力台車支持部品。

苦戦して組み立てたクモハ100-150用動力ユニットだが進行方法にも問題があると思えた。
基本構造の近さを利用して黒色成形モーター支持部品にも対応しうる組立方式への変更を試みた。
先ず極性に注意しながらモーターと支持部品を組み合わせ次に引掛式モーター端子を嵌め込む。
導電板は脱落し易い引掛式モーター端子に対応するため当初から凹形成形部をモーター支持部品の掻き取り部と揃えた。
この際差し込み方向は2エンド側からとし引掛式モーター端子が持つ反発力自体を脱落防止に利用している。
そして1エンド側用,2エンド側用動力台車支持部品が撤去された台枠にモーター一式を取り付けた。




脱脂を主に施したDT21動力台車。

クモハ100-150用動力ユニットでは事前に動力台車支持部品と導電板を組み合わせていた。
この方法こそが組み立てに難航した原因だったが導電板を浮かせた状態でも動力台車支持部品が装着可能だと判った。
動力台車支持部品の車体中央寄導電板受部には小さな爪が設けられているため垂直方向の入力を受け付けなくしている。
だが水平方向は比較的嵩があり車端寄から導電板を滑り込ませられる上にスプリング機構にも支障しない。
一度通った導電板が外れる確率は低く動力台車支持部品を線路方向に移動させ台枠と嵌合させた。
共通部品だと思われる動力台車支持部品は後期LOT動力ユニットにも通用する装着方法になると思う。


最後まで位置調整を行ったモーター。

仮組み立て後の駆動試験では正転時のみ中高速域でモーター振動が増幅される現象が起きた。
硬度の低い乳白色成形モーター支持部品とモーター外殻は相性がいまいち合わなかったらしい。
幾度かモーター位置を変更して解消されたがまだDT21動力台車は整備を終えていなかった。
整備完了時には振動特性が変わる可能性がありまだ油断できない状況に置かれた。
DT21動力台車は両側用とも油脂が固着しており各ギア類が摺動抵抗と化していた。
ギア軸には黄色5号に変色した塊が見られ全てクリーナーと歯ブラシで取り払った。




モハ100-245(動力ユニット整備施工)。
※旧製品。

綺麗に見えた台車集電板もピボット軸受部は古油脂で覆われていたため極細綿棒にて除去している。
当然導電板と接する動軸車輪軸先端も油脂塗れでありクリーナーでの清掃を要した。
最後に台車集電板断面をラプロス#2400で研磨しDT21動力台車を組み立てた。
そして動力ユニット本体へDT21動力台車を取り付けモーターの振動状況を確認する。
やはり中高速域の振動増幅が再び顔を出し微妙にモーター位置をずらしながら静音化に漕ぎ着けた。
暫定竣工したモハ100-245(ツヌ108F)もモハ100-163に通ずる整備結果を残せたと思う。
後は車体更新を待つのみだが旧製品LOT窓セル化が必要でどの様に振替えを行うか検討する。
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