試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クモハ102-1204[ミツK6F] 青帯未更新車 側面窓セル窓サッシ印刷補修施工 ※尾灯用プリズム折損車

2018-09-27 21:59:40 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
今更。

マイクロエース製JR103系1200番代クモハ102-1204青帯未更新車(ミツK6F:Tc1204)を入場させた。
モハ103-1211以下8両の改修を終え未入場車はクモハ102-1204,クハ103-1204を残すだけである。
ただ何れも尾灯用プリズムに問題を抱える要注意指定車だった。


JR103系1200番代クモハ102-1204 青帯未更新車(ミツK6F)。
※非ユニット窓。

ミツK6Fは旧ミツK9F(7両編成)を経ず当初から10両編成で出場させた。
当時は行先表示類が無掲示で統一されていたため製品仕様原形を保ったままだった。
その後行先表示印刷済編成の増加が影響し本格的なステッカー貼付が開始される。
ミツK6Fに入場順が廻り行先表示類はLED式運行番号表示器仕様の[03K 中野]が採用された。
製品付属ステッカーは旧行先方向幕の雰囲気に近くJR103系1000番代ミツK8F(Tc1009)付属ステッカーを起用している。
更に自作行先方向幕ステッカーへの交換が行われ[中野]幕は国鉄書体表記に改められた。
改番入場時:クモハ102-1201→クモハ102-1204,クハ103-1201→クハ103-1204には幕式運行番号表示器化([03K]→[01K])されている。


入工中のクモハ102-1204。

正確な記録は残されていないがこの何処かでライトユニットの取扱いを誤ったらしい。
クモハ102-1204の尾灯用プリズムは完全に破断し運転台側は導光部本体とレンズ部に分割された。
尾灯プリズムはライトユニットを支持する役割がある。
片側の嵌合を失った結果ライトユニットが不安定になり前尾灯はちらつきが多発するようになる。
ライトユニット本体やライト基板集電脚の位置を調整しどうにか症状の改善に繋げた。
これ以降ミツK6Fで入場した車両は動力ユニット整備を行ったモハ102-1210に限られる。


早速失敗したライトユニット撤去。

入場を回避していたクモハ102-1204も寄る年波には勝てない。
両側の側面窓セル窓サッシ印刷は劣化の進行により痛々しい姿へと変わっていた。
補修しなければならない状態に陥っており何時かは入場させる必要があった。
遂に分解の日が訪れてしまったクモハ102-1204だが改修工程は難航が予想される。
十分な時間を確保し余裕のある環境で整備を開始した。
先ずライトユニットを取り外さないと分解は行えない。
折損した尾灯用プリズムはライトユニットの支持を強化するため一部をゴム系接着剤で車体に固定していた。
慎重にプラスチックドライバーを差し込んだつもりだったが接着剤の反力で導光部本体が弾かれてしまった。
その衝撃で2pcs式のライトユニットは上下に分かれた上にライト基板まで飛び出させている。


1エンド側の天井欠き取り部から押し出した屋根板。

本来双方のライトケースは後端に貼付された遮光テープで固定されている。
しかし度重なる分解で粘着力が低下し衝撃に耐えられない粘度まで下がっていたらしい。
上側ライトケースが車体に残るいきなりの試練を迎えた。
前照灯用プリズムと表示器用プリズムは別成形品でありこのまま無理に取り出すとばらばらになる。
そこで天井側から両プリズムを同時に押し出すため屋根板の撤去に取り掛かった。
車体1エンド側の天井には2箇所の四角い切り欠き部がある。
偶然にもピンセットの差し込みに適しておりここから屋根板を持ち上げた。
車体と屋根板の嵌合は然程強くない。
中間車での屋根板撤去と同様に少しずつ角度を増やし車体から分離している。


斜め下方向に脱落した上側ライトケース。

車体に残された上側ライトケースは前照灯用プリズムを表示器用プリズムに密着させながら撤去する。
先に下側ライトケースが外れてしまったため必然的に作用方向は斜め下となる。
運行番号表示器,行先表示器にはマイクロエース製ステッカー透過防止対策の白色化を施した。
油性ペイントマーカーの被膜は全方向への廻り込みがあり製品原形よりも固い嵌合具合を示す。
またマイクロエース製運行番号表示ステッカーは極薄のフィルムタイプだった。
幕式運行番号表示の[01K]ステッカーは103系1200番代ミツK9F(Tc1203)で使用した。
更にマイクロエース製JR301系ミツK5F(Tc2),ミツK10F(Tc6)にも採用された関係で予備品が殆ど残っていない。
様々な事情が積み重なった結果上側ライトケースは慎重な取り外しを求められている。


全て撤去された窓セル。

ミツK6Fはマイクロエース製103系の窓セル撤去初施工編成だと思っていた。
実際には車両更新工事施工車化を施したミツK9Fが先発している。
この当時の記憶や記録は残っていなかった。
運転台付車の分解は初回になると考えておりモハ102-1210での工程に準拠した。
妻面窓セルは嵌合が固く垂直方向へ押し出せない。
若干車内側へ寄せた後に捻りを加え取り外した。
側面行先表示器が設けられてないクモハ102-1204でも先に1エンド側側面窓セルの嵌合を解く。
無難に窓セルは撤去され運転台付車,中間車とも同様の手順で問題ないと思われる。
ミツK9Fでどの様に撤去を進めたか不明なままだが今後はミツK6Fの方式を基準としたい。


補修対象に挙がった乗務員室扉窓サッシ (2-4位側)。

窓サッシ印刷の劣化は乗務員室扉までに及ぶ。
全体的に老朽化が進んでおり油性メタリックマーカーでの補修は全箇所が対象となった。
クモハ102-1204もあらゆる症状が出揃っていたが修繕により大半を隠蔽出来たと思う。
1-3位側,2-4位側は大凡同じ様な仕上がりを迎えモハ103-1211以下7両に馴染むだろう。
妻面窓セル,前面窓セルの再現には劣化が見られなかったため拭き上げだけで措置を終えた。
窓セルの組み付けでは妻面窓セルを木工用ボンド固定に変更した。
理由は単純で天井側からの落とし込みが行えなかったためである。
結果的にミツK6Fの妻面窓セル固定方式は2種混在となった。
統一を図った方が有利でありゴム系接着剤固定は中止する。


大差無く見える補修済の窓サッシ (1-3位側,2-4位側)。

主工程は滞りなく終えられた。
残された課題は前尾灯の安定点灯を取り戻しである。
取り敢えず上下に分かれたケースとライト基板を組み合わせライトユニットへ復した。
折損した尾灯用プリズムは流用するしかない。
如何にライトユニットを動き難くするか考えた。
入場前は車体前面と尾灯用プリズムをゴム系接着剤で固定する安直な方法が採られていた。
しかしライトユニットの自動分解を呼び込む原因になったため採用は気が進まない。
そこで下側ライトケース底面に尾灯用プリズムを直接固定する新方式が試行される。
接着はゴム系接着剤を用い将来の改修に備えた。
このままでは車体との支点が助士側尾灯プリズムに限られるため運転台側尾灯レンズにもゴム系接着剤を塗布する。
これらにより2点支持と導光強化の両立を狙った。


ライトケース底面に固定された尾灯用プリズム。

事前に塗布されていたゴム系接着剤は敢えて存置した。
剥離で粘着力は下がったものの密着度向上に期待を寄せた。
前照灯用プリズムも表示器用プリズムへ固定し分離を防ぐ。
全てが一体化されたライトユニットを車体に滑り込ませた。
車体との嵌合は1箇所を失い5点へと変わっており各々の角度を微調整しながら押し込む。
最後に運転台側尾灯レンズ部と尾灯用プリズムに圧を与え少しでも導光損失を防止した。
この時マイクロエース製クモハ102形1200番代,クハ103形1000番台のライトユニットは分解不要だと初めて気付いた。
すっかり[ライトユニット=分解]の図式で凝り固まっていたがそうではなかったらしい。


装着を終えたライトユニット。

もっと早く気付いていれば尾灯用プリズムの屈曲や折損は防げていたはずで非常に悔やまれる。
無理な尾灯用プリズムの撤去に突き進んだ代償と言える。
同時にクハ103形1000番代から尾灯用プリズム部にストッパーが設けられた意味も理解できた。
今更判っても手遅れだが部品交換の確率は僅かに残されている。
同一構造だと思われるクハ103形1000番代松戸区仕様(旧製品)の導入が叶えば原形復帰は可能だろう。
なお尾灯用プリズム固定化時に遮光用テープの貼付位置を誤った。
ライトケース底面との間に挟むべきものをプリズム底面に合わせてしまった。
後のライトユニット位置調整中に気付き修正を行っている。


安定点灯化に苦戦したライトユニット。

この時点ではまだ屋根板を装着していない。
ばらばらになったライトユニットは台枠導電板との位置関係がずれたため点灯しない。
ライト基板集電脚の角度補正に加え天井側からライトユニットを少しずつ動かし再点灯を実現させる。
そのため屋根板取付は最後に廻された。
何度も修正を繰り返しようやく前尾灯の点灯に目途が立った。
但し屋根板の嵌合で再び不具合が生じかねずまだ安心は出来ない。


クモハ102-1204 [01K □ 中野]:快速表示器角度修正施工。

ライトユニットの一体化を図った際に傾斜していた快速表示器を修正している。
快速表示器は上側ライトケースの庇部にゴム系接着剤で固定しただけだった。
ステッカー台座はt0.5mmのプラ板であり接触面積が限られる。
クモハ102-1204は入場を避けていたため内側に傾いた快速表示器のまま長らく放置されてきた。
今入場は垂直に戻す絶好の機会だった。
固定方法は変更せず角度だけを改め見附を改善させた。


クモハ102-1204 点灯試験[01K □ 中野]:前照灯(ライトユニット位置調整施工)。


クモハ102-1204 点灯試験[01K □ 中野]:尾灯(ライトユニット位置調整施工)。

前途の通り屋根板の取り付けがライトユニットに与える影響が心配された。
不安を抱えたまま点灯試験に移る。
取り敢えず現時点では前尾灯双方とも点灯が確認出来た。
移動時の軽い衝撃等に耐えられるかまでは判らない。
再発の確率は高いと予想しており今後の経過に注意を払いたい。
前照灯点灯時に尾灯が僅かに点灯するのは仕様である。
運転台側の非点灯化は尾灯用プリズム折損が絡んだだけで偶然の結果でしかない。




クモハ102-1204(側面窓セル窓サッシ印刷補修施工)。

一応の安定点灯を取り戻しクモハ102-1204が竣工した。
側面見附はモハ103-1211以下7両に近く十分な領域にあると思う。
但し要注意指定車に変わりなく今後も慎重な取扱いが求められる。
これまで根本からライトユニットの撤去方法を間違っていた。
極度に入場を嫌っていたが1つだけ支えが取れた。
再びミツK6Fの老朽化が極端に進む事態は防げると思う。

またクハ103-1204(ミツK6F)の入場にも弾みがつけられた。
クハ103-1204は尾灯用プリズム屈曲修正車でありクモハ102-1204ほどの状態ではない。
位置調整は欠かせないもののライトユニットの取扱い方法が変わるため多少は楽に作業を進められると思う。
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