試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

サハ103-430[ミツK6F] 青帯車 車体改修 (屋根板接着方式変更,窓セル窓サッシ印刷再補修試行) ※WIN製

2018-09-22 21:47:15 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
5度目。

2社混結のJR103系1200番代ミツK6F青帯未更新車を入場させた。
組成に当たってはマイクロエース製103系1200番代旧ミツK9F(7両編成)を2本投入し各々9両と5両に分割した。
うち9両側へWIN製サハ103形0番代地下鉄色を組み込み全車非ユニット窓のイメージ編成として出場している。


JR103系1200番代ミツK6F 青帯未更新車。
ミツK6F:Tc1204-M1211-M'1208-M1210-M'1207-T430-M1214-M'1210-M1212-M'c1204
※イメージ編成:全車非ユニット窓。

ミツK6Fの初出場は2005年4月頃で回着整備記録さえ残されていない古参編成でもある。
経年は13年5箇月を超え各所の老朽化が目立ってきた。
主たるものは側面窓セル窓サッシ印刷の劣化である。
10両全車で発生しており他編成に比べ見劣りは否めない。
油性メタリックマーカーによるサッシ補修は長期耐久試験中ながら順次拡大採用を進めていた。
ここまでマイクロエース製品へ施工は行われていない。
ただ一応の手応えは得られておりミツK6Fをマイクロエース製品の窓サッシ印刷補修試行編成に起用する。


入工中のサハ103-430青帯車(ミツK6F:サハ103形0番代)。

但し入場はマイクロエース製103系1200番代ではなくWIN製サハ103-430からとなった。
サハ103-430は全所有車両でも唯一のWIN製である。
マイクロエース製103系とは雰囲気が異なるものの物理的に代替が行えない貴重な車両と言える。
少しでも編成見附を整えるため入出場を繰り返してきた。
今回が第5次改修となるが過去とは一転し老朽化対策を主眼に置く大規模なものとなる。
WIN製屋根板は経年と共に大きな歪みが生じる個体が多いらしい。
幸いサハ103-430用屋根板は再現が無く2014年2月の第1次改修時にゴム系接着剤で固定化した。
この際にゴム系接着剤の塗布量が多過ぎ雨樋まではみ出している。
車体には黒ずみが生じ屋根板と雨樋の間にも除去し切れなかった接着剤が残っていた。


久し振りに屋根板が撤去されたサハ103-430。

今入場では固定した屋根板を撤去する。
どの様にゴム系接着剤を塗布したか記録に無く慎重に引き剥がすしかない。
当然予備品の持ち合わせは無く失敗が許されない作業となった。
車体と屋根板の嵌合方式はKATO製103系量産冷房車に近い。
2エンド側端部の嵌合爪を押し出した後に中野寄方向へ移動させる構造を持つ。
ゆっくりと屋根板を持ち上げると大量のゴム系接着剤が伺えた。
手を離すとすぐ元に戻ってしまうためカッターで切り裂きながら剥離している。
車体全長に渡り固定される最悪の状態を覚悟していたが接着剤塗布は2エンド側だけに施されていた。
そのためゴム系接着剤から切り離された後の屋根板は製品同等に撤去を行えた。


ゴム系接着剤残滓を除去した雨樋天面(1-3位側)。

ゴム系接着剤を切り裂いて屋根板の撤去に持ち込んだため残滓除去には大幅な手間を要した。
不必要な部位にまで接着剤が盛られており機能しなかった様子が垣間見える。
屋根板の再装着はゴム系接着剤を併用するが塗布箇所を改める。
車体及び屋根板から接着剤の滓を取り除き密着度向上を図った。
はみ出しが激しかった1-3位側の雨樋天面~幕板間はほぼ原形に復せたと思う。
その外汚れが目立ち始めていた側板の拭き上げを行っている。
大半は入場時の仕上げ不足が原因だと思われ良好な状態に回復した。
その後屋根板を車体に仮合わせし改善が確認された。
固着まで時間を要するため先に屋根板関連の整備を終わらせる。


接触部確認中の屋根板。

サハ103-430の屋根板はマイクロエース製ベンチレーター,AU75B(S)形冷房機に置き換えられている。
屋根板撤去の際にAU75B(S)形冷房機が浮き上がった。
ゴム系接着剤での2点止めでは不安を抱きクーラーキセ内部四隅にも追加し6点止めへと改めている。
WIN製とは取付脚径の異なるベンチレーターだったがこちらは特に影響は出ていない。
ただマイクロエース製ベンチレーターは103系0番代の転用品であり103系1200番代LOTとは色温度が異なる。
引き続き課題として残るため屋根板の完全固定は再入場を考慮し見送りした。
更に撤去を行い易くする狙いでゴム系接着剤の塗布も最低限量へと変更する。
事前に車体天井部と屋根板の接触部分を確認した。
成形を見る限りでは線路方向に走る屋根板両側のリブ内側へ盛れば固定が可能と思われた。


車体への塗布に変更したゴム系接着剤。

しかし屋根板を嵌合させてしまうと接着剤量が適切か判らなくなってしまう。
そこで施工直前になって車体への塗布に切り替えた。
車体天井成形は2段になっておりこの段差を利用する。
時間を置いたゴム系接着剤を1mm以下の幅で引き伸ばす。
部分的に嵩上部を設け屋根板リブへの接触を確保した。
塗布位置は車体中央部と2エンド側にある嵌合爪の間である。
一部に湾曲が見られたため車体妻面と触れる2エンド側屋根板端部にも追加している。
他作業を終えるまでの間はクロスと輪ゴムで圧を与え浮き上がりを抑止した。


補修失敗痕が目立つ側面窓セル(1-3位側)。

側面窓セル窓サッシ印刷はベンチレーター交換時に一度補修が行われている。
まだ油性ペイントマーカーでの部分補修しか行えず芳しくない結果に終わった。
塗布失敗により艶を失った側面窓が各所に存在するため併せて改修を図る。
窓サッシ印刷は初回修正後から更に劣化が進行していた。
部分補修に留められた影響で余計に見窄らしく映る。
側面窓の修繕には消しゴムを用いた。
同時に窓サッシモールドも擦り油性ペイントマーカーのインク除去を行った。
これによりある程度平滑化が図れ油性メタリックマーカーの乗りが良くなっている。
ほぼ全中段サッシでペン先を踏み外したがセルへの悪影響は全く生じなかった。
油性メタリックマーカーはWIN製窓セルの補修でも使える見通しが立ち重要度が増した。


窓サッシ修正に加えリブ切断を施した妻面窓セル (未施工品,整形品)。

窓サッシ印刷の劣化は妻面窓セルにも及んでいた。
側面同様補修部以外の印刷剥離が発生している。
ただ目立ち難い箇所であり消しゴムでの補正は行っていない。
その代わり以前から気になっていた貫通扉窓下部の成形不良部をニッパーで切り落とした。
嵌合には全く影響しないが気分的な問題で切除へと至っている。
窓サッシ印刷の補修後に車体を包んでいたクロスを解く。
屋根板は車体と密着しており工程を進めても問題無いと思えた。
側面窓セル→妻面窓セルの順で車体に組み込む。
接着部に気を払いながらの作業だったが無事装着を終わらせた。
ここは側面窓セルの低い嵌合精度に助けられたと言えよう。


見附が改善された側面窓(1-3位側)。

油性ペイントマーカーの塗布失敗で曇りを生じさせた側面窓は大幅な状態改善が図れた。
最も酷かった1-3位側西船橋寄端窓はマイクロエース製モハ102-1207と連なる。
マイクロエース製JR301系ミツK10Fとの混結を考慮しTNカプラーSPへ交換したため車体成形差が際立つ箇所でもある。
ここへ側面窓の曇りが加わり印象を更に悪くしていた。
ステッカー再現の側面行先表示器等何かとミツK6Fの足を引っ張る箇所が多い。
ただ一見では変質痕が誤魔化せたため中野寄連結部に近い見附まで戻せたと思う。




サハ103-430(ミツK6F:屋根板接着方式変更,窓セル窓サッシ印刷再補修試行)。
※非ユニット窓。

サハ103-430は多少の体裁向上を伴い竣工した。
2014年以降から1回/年の改修が最早定番になっている。
ミツK6Fの入場と連動した結果2018年も手が加えられた。
上記の通りベンチレーター色温度差解消が残るため完成形はまだ見えて来ない。
そろそろ改修入場から脱したいところだが部品の遣り繰りが厳しく悪循環は続くと思う。

ミツK6Fの改修はWIN製サハ103-430が先行した。
以後はマイクロエース製103系1200番代の入場が続く。
モハ103形1200番代のTOMIX製PS21形パンタグラフ換装からも時間が経過しており状況を再確認したい。
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